わが国では,在来線の関門ずい道が1944年に建設されて以降,数多くの海底トンネルが建設されてきた.供用中の海底トンネルにおいて出水等の事態を招いた場合,人命を失う危険性が高く,社会基盤の安全性を大きく損なう結果となる.しかし,供用開始後のトンネルの挙動については未解明の部分が多く,海底下のトンネルも,一般のトンネルと同様,過去の変状トンネル等の実績を踏まえた対症療法的な維持管理を実施しているのが現状である.
本論文では,1988年以降,青函トンネル本坑において行われている長期計測結果に着目し,計測結果を整理,分析し,覆工の長期挙動のメカニズムに関する検討を行い,海底トンネルの維持管理に関する評価手法を提案した.
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