土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
64 巻 , 4 号
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和文論文
  • 山本 浩之, 緒方 辰男, 日下 裕, 蓮井 昭則, 佐々木 康
    2008 年 64 巻 4 号 p. 718-731
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     計画された長大切土のり面の中央部に三成分(X, Y, Z 方向)地中変位測定孔を埋設し,掘削期間中の三成分の地山挙動を計測した.その結果,掘削時における鉛直変位(リバウンド)や水平変位などの変形量および収束時期の傾向,掘削除荷(土被り荷重が減少)することにより鉛直ひずみが非線形で増加する傾向が捉えられた.そして,掘削による除荷の大きさと鉛直変位から見掛けの弾性係数を整理するとともに,掘削前に実施した孔内載荷試験の除荷過程の応力−変位曲線から得られる除荷重と弾性係数との関係を比較した.さらに,切土のり面の変形挙動の予測手法として,掘削前の孔内載荷試験に基づく解析モデルの構築方法,また掘削時の管理基準値設定方法の考え方について提案した.
  • 大島 貴充, 風間 基樹, 仙頭 紀明, 河村 健輔, 林 健太郎
    2008 年 64 巻 4 号 p. 732-745
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,溶液型薬液改良砂の要素試験を実施して,液状化抵抗および繰返しせん断後の変形特性を評価した.液状化抵抗については,従来の応力制御試験では改良砂の粘り強さを適切に評価することができないため,ひずみ制御試験から得られるせん断剛性の低下や累積損失エネルギーによる評価を試みた.繰返しせん断後の変形特性については,繰返しせん断後の再圧密試験,非排水単調三軸圧縮試験から得られる残留ひずみによる評価を行った.さらに,不規則波に対するオンライン実験を実施して,実地震動に対する改良効果を確認した.その結果,改良砂が未改良砂と比べて液状化を抑止し,繰返し後の変形特性を改善することにより,残留変形量を抑えられることを明らかにした.
  • 宮田 喜壽, 重久 伸一, 菅野 高弘
    2008 年 64 巻 4 号 p. 746-755
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     本文では,ジオグリッドで補強した固化処理地盤の耐震性評価のための動的有限要素法を提案する.提案する解析法は,固化処理地盤の解析に適した粒状離散化有限要素法と,飽和地盤の解析に適した土-水連成型有限要素法とを混合して問題を解く.解析法の妥当性を検証するために,3ケースの水中振動台実験をシミュレートした.解析は実験で計測された模型の挙動をうまく再現できることを明らかにする.
  • 阿部 慶太, 神田 政幸, 西岡 英俊, 木口 峰夫, 西村 隆義
    2008 年 64 巻 4 号 p. 756-769
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     これまで杭基礎の鉛直地盤抵抗の設計値は,主に静的な鉛直載荷実験に基づいて評価されてきた.しかしながら,大地震時のように大きな載荷速度を有する動的な鉛直荷重が杭基礎に作用する場合,従来の静的な鉛直載荷実験に基づき評価された場合と異なる沈下・鉛直地盤抵抗特性を示すことが知られている.そこで本研究では,杭模型に対して静的・動的鉛直載荷実験の実施,および骨組み解析モデルに基づく数値解析的アプローチにより,動的鉛直荷重が杭に作用した際の沈下・鉛直地盤抵抗特性の解明を行った.その結果,杭の支持形態により減衰特性が異なること,除荷点を把握することで減衰定数を定量的に評価でき,簡易な骨組み解析モデルにより,模型載荷実験で得られた杭の動的な沈下・鉛直地盤抵抗を概ね評価できることが分かった.
  • 山川 優樹, 中市 翔也, 池田 清宏, 尾崎 利行, 松村 政秀, 北田 俊行
    2008 年 64 巻 4 号 p. 782-801
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     本研究では送電鉄塔について,地盤-基礎-鉄塔の連成挙動を考慮した強度・安定性評価を行った.実際の設置・使用条件に即した評価を行うため,様々な地形や荷重方向に対する基礎の支持力や近接設置の影響を検討した.次に,地盤-基礎-鉄塔の相互作用を考慮した全体系解析を行った.電線張力や風荷重を想定した外力モードについて解析を行い,鉄塔部材を介して基礎に作用する荷重を調べた.さらに,全体系解析と脚部を固定した鉄塔単体解析との比較を行い,基礎の変位が鉄塔の崩壊挙動に与える影響を調べた.その結果,全体系の破壊においてクリティカルとなる構成要素が外力モードによって変化することが明らかとなった.最後に,鉄塔倒壊事例との比較考察を行い,推定荷重方向と鉄塔・基礎の破壊様式について全体系解析との整合を確認した.
  • 延藤 遵, 西垣 誠, 見掛 信一郎, 小林 伸司, 佐藤 稔紀
    2008 年 64 巻 4 号 p. 813-832
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     本研究は,硬質な亀裂性岩盤を対象とした止水グラウトについて検討したものである.まず,硬質な岩盤におけるグラウト注入実績として北欧のトンネルグラウトについて調査した結果,1) 高濃度のセメントグラウト配合,2) 高密度の注入孔配置,3) 複数孔の同時注入,を主な特徴とするプレグラウト工法により高い止水性と施工の合理化を同時に達成していることが判明した.しかし,高濃度配合は注入孔内の岩盤亀裂入り口においてグラウト材料が目詰まりし,不十分な注入となることが懸念される.そこで,高濃度配合の妥当性を検証するために目詰まり試験を実施した結果,注入圧力を段階的に上昇させることである程度目詰まりを抑制し,水粉体比1.6という高濃度配合のグラウトを十分に注入出来ることが判明した.
  • 棚橋 由彦, 蒋 宇静, 杉本 知史, 川畑 宏志, 三原 英正, Mohammad SHAHIDUZZAMAN
    2008 年 64 巻 4 号 p. 833-842
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     軟弱地盤対策の一つである真空圧密工法は,比較的短期間の内に圧密促進による強度増加が期待される一方,過大な側方収縮による周辺地盤への影響が懸念されている.本研究では,この真空圧密による影響を事前に明らかにするため,真空圧密が再現可能な三軸真空圧密試験装置を新たに開発し,要素試験による挙動予測の可能性を検討の上,その妥当性を明らかにした.さらに,地盤の変形を最小限にすることを目指し,真空圧密と盛土構築を組み合わせる施工を模擬した段階載荷試験を行い,載荷基準と限界盛土高との関係を明らかにした.また,地盤全体の変形挙動を予測するため,有限要素法を用いた数値シミュレーションを実施し,真空圧密併用盛土施工時の側方へのはらみだし挙動の抑制効果を確認した.
  • 吉田 秀典, 山崎 卓哉, 井上 純哉
    2008 年 64 巻 4 号 p. 843-855
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     わが国の岩盤は,一般に,多かれ少なかれ亀裂群を含むことが知られているが,こうした亀裂性岩盤においては,その変形および透水特性は包含される亀裂に支配される.したがって,亀裂性岩盤に対する数値解析手法を構築するためには,亀裂の変形挙動や透水挙動に関するメカニズムを抽出する必要がある.しかしながら,岩盤の変形にともなう透水性能の変化を捉えた事例はほとんどなく,また,こうした挙動を捉えようにも的確な試験機器が存在しないのが現実である.そこで本研究では,亀裂性岩盤の水-応力連成試験を行うために新たに専用の試験装置を開発し,試験を通して連成挙動を捉え,そのメカニズムについて考察を加えた.その結果,材料中に発生あるいは存在する亀裂の変形が,透水性に影響を与えることが判明した.
和文報告
  • 西本 聡, 橋本 聖, 池田 隆明, 三輪 滋, 上明戸 昇
    2008 年 64 巻 4 号 p. 802-812
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     軟弱地盤上に建設された道路盛土の耐震性能の検証,および地震対策技術の開発を目的に,苫小牧市内の軟弱地盤とその上に建設された道路盛土において地震観測が行われている.軟弱地盤では1990年の観測開始以降,17地震による記録が得られ,地盤の非線形性に伴う複雑な地震時挙動を明らかにしてきた.道路盛土の地震観測は1996年から開始され,これまでに最大加速度が10cm/s/s未満から100cm/s/sを上回るような様々な振幅の記録が得られている.そこで,これらの記録を用いて道路盛土の地震時の非線形挙動に関する検討を行った.その結果,地盤および盛土の地震時挙動には,非線形性が見られること,盛土は横断面が一体となって挙動していること,地盤と盛土の低次の固有振動数はほぼ等しいこと等の知見を得た.
和文ノート
  • 岡村 未対, 重松 慎哉
    2008 年 64 巻 4 号 p. 770-775
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     設計の際に地盤調査が行われない比較的小規模なブロック積擁壁は,基礎地盤の支持力破壊によって盛土の崩壊を引き起こすことがある.本研究では,最近の地震によって被害を受けたブロック積擁壁の調査と採取した試料の室内試験を行い,組合せ荷重と斜面を考慮した地盤の支持力が擁壁の被害と無被害を判別する良い指標であることを確認すると共に,耐震性評価に用いる慣性力算定用の震度を気象庁震度ごとに設定した.また,1カ所の調査を30分程度で行うことが出来る簡易動的貫入試験結果から地盤の強度定数を推定し,これにより耐震性を評価できることを示した.
  • 海野 寿康, 谷 茂
    2008 年 64 巻 4 号 p. 776-781
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     繰返しせん断による砂質土の体積収縮挙動に関連し,応力制御の繰返し試験を用いて飽和砂の排水繰返しせん断中に生じる体積ひずみと飽和砂の非排水繰返しせん断による液状化後の再圧密体積ひずみの比較検討を行った.応力制御の繰返しせん断試験では,排水条件の違いによりせん断ひずみ履歴が異なる.しかし,繰返しせん断履歴をせん断ひずみ履歴をもって評価した場合,同一ひずみ履歴では上記の2つの試験によって発生する体積ひずみは等しい結果となった.この結果は拘束圧の影響を受けない.また,初期せん断が存在する場合は,初期が等方応力状態の場合に比べ繰返しせん断履歴による体積収縮量が減少する結果となった.
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