土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
ISSN-L : 1880-604X
64 巻, 2 号
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英文論文
  • Kazunori FUJISAWA, Akira KOBAYASHI, Kiyohito YAMAMOTO
    2008 年 64 巻 2 号 p. 403-410
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
    Embankment erosion due to overflow is the number one cause of embankment failures. The purpose of this paper is to reveal erosion characteristics of compacted soils used for embankment materials. Samples of compacted silty sands containing 22% fines by weight were prepared. An experimental apparatus using an open channel has been built and applied to measure the erosion rate of the compacted soil. Water flows the channel and erodes the soil samples fixed at the bottom of the channel. The rates at which the samples erode were measured and the shear stresses imposed on the samples were calculated. The relationship between erosion rates and shear stresses are the primary results of the tests. The erosion process of the compaction layers and the dependency of erosion rates on the dry density have been investigated. It was found that the erosion rate increased linearly with the increase of shear stress and that the erosion rate decreased linearly with the increase of dry density. The obtained experimental results about the erosion rate and the critical shear stress were modeled.
  • Akira KOBAYASHI, Kiyohito YAMAMOTO, Masakazu CHIJIMATSU, Tomoo FUJITA
    2008 年 64 巻 2 号 p. 411-422
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
    The stability of the repository of high-level radioactive waste (HLW) disposal was discussed. To examine the effect of the degradation of crystalline rock on the behavior of near field of the repository, the damage exapansion model was applied with the varying boundary conditions for one million years. The elastic model, the constant degradation model and the hypothetical progressive degradation models were examined. It was observed from the analyzed results that the damage would be developed locally at the spring line and crown of repository tunnel. At about one hundred years after closure of repository, the damage evolution would be finished even if the degradation progressed so long.
  • Akira KOBAYASHI, Kiyohito YAMAMOTO, Masakazu CHIJIMATSU, Tomoo FUJITA
    2008 年 64 巻 2 号 p. 429-439
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
    The uncertainties of the boundary conditions, the elastic modulus and Poisson's ratio on the mechanical behavior at near field of high level radioactive waste repository were examined. The method used to examine the error propagation was the first order second moment method. The reliability of the maximum principal stress, maximum shear stress at crown of the tunnel and the minimum principal stress at spring line was examined for one million years. For elastic model, the reliability of the maximum shear stress gradually decreased while that of the maximum principle stress increased. That of the minimum principal stress was relatively low for one million years. This tendency was similar to that from the damage model.
和文論文
  • 御手洗 義夫, 菊池 喜昭, 安原 一哉, 大谷 順, 永留 健
    2008 年 64 巻 2 号 p. 181-196
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     筆者らは,これまでの研究で,古タイヤを破砕したゴムチップを固化処理土に混合した材料の一軸および三軸圧縮試験などを行った結果,圧縮せん断に伴うクラックの発生や成長が抑制され,固化処理土の靭性が改善されることを報告している.本研究では,このゴムチップ混合による固化処置土の靭性改善効果と,固化処理土が本来有する難透水性に着目し,ゴムチップ混合固化処理土の変形に伴う透水性の変化についての実験的検証を行った.その結果,固化処理土単体では,供試体のせん断変形に伴い大きなクラックを生じ,その透水性は大きく変化するのに対し,ゴムチップ混合のケースでは,せん断変形に伴う透水性の変化が非常に小さいという結果が得られた.
  • 佐々木 朋子, 島峰 徹夫, 野澤 伸一郎, 木村 勝, 長谷川 浩夫, 龍岡 文夫, 平川 大貴
    2008 年 64 巻 2 号 p. 209-225
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     実際に地震被害を受けたフィルダムの地震時挙動を解析するために,細粒分まじり砂質礫を用いて三軸試験を行った.ダム堤体上流及び下流シェル部の地震時挙動の差を検討するために,飽和供試体は非排水条件で,不飽和供試体は排水排気条件で繰返し載荷及び単調載荷試験を行った.また,各条件で,繰返し載荷履歴がその後の単調載荷時のピーク強度に与える影響を調べた.さらに,各条件について乾燥密度の影響を検討した.繰返し載荷による残留ひずみは,不飽和排水排気条件より飽和非排水条件の方がはるかに大きく,締固め度の増加による圧縮強度の増加率は,いずれの条件においても著しかった.また,繰返し載荷後の単調載荷によるピーク強度は,不飽和条件では顕著な違いがみられなかったが,飽和条件で締固め度が低い場合は強度の低下が確認できた.
  • 橋本 勝文, 大即 信明, 西田 孝弘
    2008 年 64 巻 2 号 p. 226-237
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     一般的に,セメント系改良地盤(以下,改良地盤)には長期耐久性が期待されている.一方,改良地盤からのCa溶脱に伴う強度低下が報告されている.また,Ca溶脱に伴う劣化に関して,周辺環境中のCl-の影響が大きいことが確認されている.本論文では,改良地盤からのCa溶脱に伴う強度低下に関するCl-の影響を考慮した数値解析的予測手法を構築した.本手法は,イオン移動モデル,周辺粘土でのCa吸着モデル,炭酸化モデル,Ca溶脱現象におけるCl-の影響に関するモデル及び強度低下モデルから構成される.また,暴露試験結果と本手法の予測結果を比較し,Cl-の影響を考慮した本手法の妥当性を検証した.
  • 細谷 真一, 徳永 朋祥
    2008 年 64 巻 2 号 p. 238-252
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     比較的新しい時代の堆積岩では,堆積構造に直交する鉛直方向の透水係数が水平方向とは異なることが一般的であるが,原位置におけるその簡便な測定方法が存在しなかった.そこで,本研究では,間隙水圧の気圧変動に対する応答を利用した鉛直方向の透水係数の評価方法を提案した.はじめに,対象地盤条件を等方材料から水平に成層する面内等方材料に拡張し,気圧変動に対する間隙水圧の応答を定式化した.次に,利用できる情報量を増やし,かつ不飽和帯の影響を除去するために,複数深度での間隙水圧測定を提案した.本評価方法を新第三系の砂質凝灰岩に適用して,水平に成層する面内等方材料とみなした砂質凝灰岩の鉛直方向の透水係数および比貯留係数の推定を行い,提案した評価方法の有効性を検討した.
  • 平川 大貴, 川原園 美幸, 龍岡 文夫
    2008 年 64 巻 2 号 p. 253-266
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     土構造物の性能を規定化する設計では,対象土構造物ごとにその規定に対応した変形強度特性を合理的に設定する必要がある.しかし,従来の盛土の施工管理では,乾燥密度から求めた締固め度Dcによる間接管理を基本にしている.また,Dcを90%以上と規定する場合が多く,Dcの増加に伴う強度と剛性の増加を設計で積極的に考慮しない場合が多い.本研究では6種類の砂礫の室内変形強度試験結果をまとめ,Dcの増加に伴う盛土材の変形強度特性の改善の傾向を定量的に検討した.さらに,含水比の変化による変形強度特性の変化も検討した.これらの室内試験結果に基づいて,盛土の締固め管理を合理化する方法とそれに基づいて設計せん断強度と剛性を設定する方法を考察した.
  • 高橋 英紀, 北詰 昌樹, 中村 健, 丸山 憲治
    2008 年 64 巻 2 号 p. 267-281
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     SCP工法で改良された軟弱粘性土地盤は,粘土層と砂杭で形成された複合地盤である.砂杭と粘土層のような物性が大きく異なる地盤材料によって形成された複合地盤であるために,その地盤挙動は複雑である.本研究では,遠心力場で改良地盤に対して埋立載荷実験を行い,破壊へ至る地盤の変形挙動を調べた.支持層に砂杭を着底させた地盤では,埋立圧力の増加によって最終的には砂杭が屈曲するとともに杭間粘土層が単純せん断するモードで地盤が変形した.支持層に砂杭を着底させない地盤では,改良域下部の粘土地盤で滑り面が発現するモードで地盤が変形した.さらに,円弧滑り計算によって模型地盤の安定性を評価し,その計算精度について検討した.
  • 村上 慶晃, 岸田 潔, 木村 亮, 岩崎 喬夫, 小高 武
    2008 年 64 巻 2 号 p. 282-293
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     本研究は,基礎形式の異なるプレキャストアーチカルバートの支持力特性を解明するため,地盤材料にアルミ棒積層体を用いた2次元鉛直載荷実験を実施した.実験結果とその画像解析により,基礎形式ごとの支持力特性の把握および支持力公式における根入れ深さの評価手法を検証した.結果として,基礎形式により根入れ効果が異なることが確認された.すなわち,フーチングタイプでは,坑内地盤高さに地盤の挙動は依存し,割増係数を考慮しながら根入れ深さを坑内地盤高さとして極限支持力が算定可能であることを確認した.また,インバートタイプでは,根入れ深さを盛土の土被り高さとして極限支持力が算定可能であることを確認した.
  • 森内 浩史, 上田 保司, 生頼 孝博
    2008 年 64 巻 2 号 p. 294-306
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     地下構造物を構築する際,鋼管で荷重を受け持たせ,鋼管間の止水を凍土で行うことが考えられる.本研究では,止水を保つために最も必要な凍土と鋼管との凍着維持条件を調べた.2本の鋼管と凍土とを組み合わせたはりの短期曲げ実験を行い,凍着破壊荷重と凍土温度および土質との関係を調べた.その結果,それらの影響は少なく,高温かつ薄い凍土でも凍着維持が可能であることを示した.また,工期の長い現場で凍土が長期間曝された状態を想定した定荷重下での曲げクリープ実験も行い,鋼管との凍着が維持できれば,凍土のクリープ変形は抑制されて破壊には至らないことを明らかにした.最後に,現場モデルの応力解析に基づいて,掘削中の鋼管露出は極力少なくするべきであることを示し,鋼管埋設精度や支保間隔の管理に関する留意点を提示した.
  • 鈴木 素之, 横矢 直道, 西村 昌也, 都築 俊輔, 岡本 憲治, 山本 哲朗
    2008 年 64 巻 2 号 p. 327-339
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     わが国の切土法面の約2割はpH4.9以下の強い酸性を呈す.酸性土地盤での法面工の機能は劣化により徐々に低下する可能性があり,酸性土の工学的性質の解明,酸性地盤の対策技術,酸性残土の処理法の確立がより一層重要となる.本文では酸性土による植生工や擁壁の劣化事例を取り上げ,その状況や原因,土質特性について言及した.特にスレーキングを生じながら酸性物質を溶出する試料に着目し,試料の粒径により酸性化速度が特異に変化すること,水浸による強度低下は間隙水のpHに依らないことを示した.また,酸性残土を有効かつ安全に取り扱うために締固め・強度特性における中性化処理の効果を調べた結果,pHの増加によって最適含水比は高く最大乾燥密度は低くなり,またせん断強度は増加することを示した.
  • 西垣 誠, 小松 満, 藤井 直, 大内 正敏
    2008 年 64 巻 2 号 p. 340-352
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     新潟地震や兵庫県南部地震においてニューマチックケーソンを基礎とする構造物は,液状化による被害が小さかったと報告されている.著者らは,これらの被災状況と土質サンプリングの結果から,現象は地盤が不飽和であることによる液状化強度の増加が一因と考えた.そこで,この現象を発展的に応用して,積極的に地盤を不飽和化させる液状化対策工法を検討している.砂地盤の飽和度が低下すると液状化強度が増加することは,非排水繰返し三軸試験における液状化強度の過大評価問題として古くから研究事例がある.本稿では不飽和化の手法について実験的に検討した.まず空気溶存水の注水もしくは空気を直接注入する方法について検討し,その後,被圧地盤および不圧地盤における空気注入実験を行って砂地盤の不飽和化のメカニズムとその持続性を明らかにした.
  • 市野 宏嘉, 大野 友則, 別府 万寿博, 蓮江 和夫
    2008 年 64 巻 2 号 p. 353-368
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,爆発荷重を考慮した地下構造物の設計法に関する基礎的資料を得るため,地盤の粒度組成および飽和度が爆土圧特性に及ぼす影響について調べ,これを実用的に簡便な形で定式化したものである.粒度組成および飽和度が異なる試料を用いて,その内部で約10gのC-4爆薬を爆発させて,土質条件の相違が爆土圧特性に与える影響について考察した.その結果,地盤の飽和度および土粒子の粒度組成に起因する試料の間隙量が爆土圧特性に影響を及ぼすことがわかった.実験結果に基づいて飽和度と湿潤密度を考慮して爆土圧特性の定式化を行うとともに,本研究における小規模実験による評価式と既往の大規模屋外実験による爆土圧との比較を行い,その適用について検証した.
  • 鳥居 宣之, 沖村 孝
    2008 年 64 巻 2 号 p. 369-382
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     地震による斜面災害の軽減を図るためには,山腹斜面における地震動応答特性に対する地形形状ならびに表土層の影響を定量的に評価することが重要である.本研究では,既往の研究成果と新たに行った地震応答解析結果を用いて,地形形状ならびに表土層厚が最大応答加速度および最大せん断ひずみの応答特性にどのような影響を及ぼすのかを定量的に評価した.その結果,斜面上部に位置し,表土層が厚くかつ地表面形状が遷急点を示すような地点では,基岩層内ならびに表土層内において加速度が大きく増幅され,また,表土層厚が厚くなるほど表土層と基岩層の境界に発生するせん断ひずみの値は大きくなり,地表面形状が遷急点を示すような地点では,さらに大きなひずみが発生することが分かった.
  • 西岡 英俊, 神田 政幸, 舘山 勝, 喜多 直之, 平尾 淳一, 樋口 俊一
    2008 年 64 巻 2 号 p. 383-402
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     筆者らは,仮土留め用鋼矢板を本設利用する鋼矢板併用直接基礎(シートパイル基礎)を提案している.シートパイル基礎は,鋼矢板の地盤拘束効果による高い支持力および耐震性が期待できることから,直接基礎に比べて広い範囲の地盤条件へ適用が可能である.本研究では,シートパイル基礎の地震時の水平抵抗特性を把握するため,模型地盤における静的水平交番載荷実験を行った.その結果,直接基礎に比べて降伏震度,降伏剛性が上昇する他,地震時の累積沈下量も低減できることが明らかとなった.また改良効果の発現メカニズムについて考察を行い,シートパイルの軸力による抵抗成分が主体的であることを明らかにした.
和文報告
  • 笹原 克夫, 酒井 直樹, 栗原 淳一
    2008 年 64 巻 2 号 p. 197-208
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     間隙比が不飽和砂質土のせん断挙動に与える影響について検討するため,初期間隙比を変えた供試体を用いてサクション及び基底側方応力一定条件で不飽和三軸圧縮試験を実施した.その結果,サクション一定条件下では,破壊時とせん断終了時における基底平均主応力と主応力差の関係や,破壊時及びせん断終了時の基底平均主応力と間隙比の関係への初期間隙比の影響は,破壊時には認められるが,せん断終了時には認められなかった.また破壊時とせん断終了時の間隙比変化(ダイレタンシー)と,破壊時とせん断終了時のせん断応力(比)減少の間には,サクションに依存しない線形関係が認められた.
  • 森田 晃司, 田公 雅比古, 遠藤 司, 沖村 孝
    2008 年 64 巻 2 号 p. 307-315
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     神戸空港島埋立用の土砂源のひとつである神戸複合産業団地において,長大切土のり面が計画されていた.当のり面には過去に周辺で発生した地すべりにおいてすべり面となった神戸層群中の層状破砕帯が3層存在し,最深部のものは工学的性質が未知であった.また,地質構造の調査結果から,当のり面には複数の断層で区分された流れ盤構造をなす不安定ブロックの存在が確認された.このブロック内において,掘削に伴う応力解放によって発生する変状範囲,およびそのすべり面強度の想定が設計上の問題であった.そこで,切土の施工に先んじて試験切土を実施し,地すべり性挙動の観測を行った.この結果を基に切土による変状発生範囲とすべり面強度を想定して地すべり対策工を設計し,施工した.施工中は動態観測を行い,施工完了時点までの安定性を確認した.
  • 山村 和弘, 田村 博邦, 西山 嘉一, 稲積 真哉, 木村 亮
    2008 年 64 巻 2 号 p. 316-326
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     連結鋼管矢板は,2本の鋼管とH型鋼が工場にて予め溶接・一体化した鋼管-H型鋼-鋼管を地盤内へ打設できる鋼管矢板の一つである.さらに,H-H継手は連結鋼管矢板の両端に異なる規格寸法のH型鋼を取り付けた継手形式であり,高剛性ならびに難透水性を発揮する鋼管矢板継手の一つである.本研究では,H-H継手を施した連結鋼管矢板に対する現場打設・遮水性試験を実施し,現場実務を想定したH-H継手を施した連結鋼管矢板の施工性ならびに遮水性を検証する.現場打設・遮水性試験では,H-H継手を施した連結鋼管矢板が現場においても高精度に打設可能であり,同時にH-H継手の健全な嵌合も確認することができた.また,H-H継手を施した連結鋼管矢板は,打設後の比較的初期において1×10-8cm/s オーダーレベルの現場透水係数を発揮することが期待できる.
和文ノート
  • 伊東 周作, 兵動 正幸, 小西 義夫, 金 郁基
    2008 年 64 巻 2 号 p. 423-428
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究は珪砂に塑性の異なる3種類の細粒土を様々な混合比で作製した混合土に対し,拘束圧を変化させて非排水三軸圧縮試験を行ったものである.混合土の非排水せん断特性は細粒土の混合度合に応じて,砂主体から細粒土主体の挙動へ移行し,その境界は塑性を有する粘性土を混合した場合,細粒分含有率Fc=30%付近であった.一方,非塑性シルトを主体とした細粒土を混合した場合は,混合比によらず砂と同様の挙動がみられた.砂が主体の混合土はせん断により変相点に達した後膨張挙動を示したが,細粒土を主体とした混合土は変相点を示さず限界状態に至った.破壊時のせん断抵抗角は細粒分含有率との関係において,混合土の種類によらずほぼ一定の値を示し,変相点は塑性指数10程度,粘土分含有率15%程度以下でみられることが明らかとなった.
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