土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
65 巻 , 4 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
招待論文
  • 古土井 光昭, 小林 正樹
    2009 年 65 巻 4 号 p. 998-1017
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     関西国際空港は大阪湾南東部の泉州沖に,世界初の本格的な海上空港として建設された.建設予定地は水深が大きく,海底下には軟弱な沖積粘土層が20m以上堆積し,その下には数百mにわたって洪積粘土層が堆積している.したがって当初から沖積粘土層に対する地盤改良の実施や,洪積粘土層の圧密沈下が生じる深度方向の範囲やその大きさを見通すことが重要な課題であった.そのため事前に大深度のボーリング調査を行うなど,地盤工学的問題への対応に取り組んできた.本文は,関西国際空港の建設にかかる事前の調査や,事前予測に対する沈下の実態を記しつつ,沈下予測手法の変遷および現場における地盤挙動への対応について述べるものである.
和文論文
  • 小俣 新重郎
    2009 年 65 巻 4 号 p. 767-775
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     平成元年(1989年)に発生した越前海岸岩盤崩壊災害の事後調査・解析結果を事例として,岩盤崩壊の発生形態の違いに応じた被害シナリオを複数想定し,事象の起こりやすさと結果の影響の程度を組み合わせたリスクマトリクスにより各シナリオのリスク評価を試行した.不確実性を有する岩盤崩壊の減災を図るには,このようなリスクマネジメント手法で被害のリスクを予測・評価し,次段階でリスクを低減する対応をとることが期待される.特にデータが不十分な概査段階では,リスクマネジメントが将来の合理的な対応を選択できる手法であることを提案した.これには,過去の岩盤崩壊事例に関するデータを収集し,検索できるようデータベースを整備し,これを活用することが必要である.
  • 西山 哲, 大西 有三, 澤田 淳, 矢野 隆夫
    2009 年 65 巻 4 号 p. 776-788
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     単一の不連続面を含む岩石を模擬した試料のせん断透水実験において,せん断応力-せん断変位曲線の比例限界点の前後で透水特性が変化するという結果に着目し,不連続面内の水の流れが表現できる解析手法と実験結果に対するメカニズムの考察を試みたものである.具体的には不連続面の表面の構造を再現した解析モデルにおいて,水を仮想粒子に置き換えて,粒子同士および不連続面の壁面との衝突・散乱を繰り返すという単純な計算によって水の流れを表現する格子ガスオートマトン法の適用を試み,本手法がNavier-Stokes方程式から導かれる流れを表現するものであることを平行平板モデルを用いて検討すると共に,当手法の解析結果に基づいて開口幅分布と不連続面内の水の流れの関係を論じる.
  • 福島 伸二, 谷 茂, 北島 明, 五ノ井 淳, 西本 浩司
    2009 年 65 巻 4 号 p. 789-805
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     築造年代の古いため池は,老朽化が進み堤体の断面不足や漏水により地震時の安定性が不足して早急な改修を必要とされている事例が多い.筆者らは老朽ため池の堤体改修(補強と漏水防止)を目的に,池内に堆積した底泥土を固化処理して所要の強度と遮水性を有する築堤土を製造し,堤体改修のための築堤ができる砕・転圧盛土工法を開発し,数箇所のため池の堤体改修に適用してきた.本工法は堤体改修と底泥土の除去処分が同時に達成できる,所要の強度の築堤土を人工的に製造できるので急勾配法面での堤体改修ができる利点を有する.本稿では,砕・転圧盛土工法による堤体改修の特徴と設計法,改修事例からみた堤体改修時のゾーニングパターン決定のための留意点について述べる.
  • 延藤 遵, 見掛 信一郎, 西垣 誠
    2009 年 65 巻 4 号 p. 806-821
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,硬質な結晶質岩を対象に地下深部で掘削工事を行う際の湧水量低減を目的とした効率的なプレグラウチング方法について検討している.セメントグラウトの高濃度化は効率性の点では優れているが,注入孔内の岩盤亀裂入口において目詰まりが発生しやすいことが課題である.そこで,単一亀裂や複数亀裂を対象とした目詰まり試験を実施した結果,単一亀裂の場合には目詰まり発生前に,注入圧力を切り上げることで注入量を増大可能であるが,複数亀裂の場合には開口幅の大きな亀裂に集中的にグラウトが透過するため,注入圧力の切り上げにより小さな亀裂における目詰まりを解消することは現実的ではないことが判明した.この結果を基に,中高濃度配合を用いた効率的なプレグラウチング概念を提案した.
  • 古河 幸雄, 深沢 誠, 神谷 孝宏
    2009 年 65 巻 4 号 p. 822-833
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     気泡混合軽量土の原料土として風化度の異なる5種類のまさ土を用い,細粒分含有率が0%で同一粒度に調整したものと,自然粒度の2mm以上をカットした粒度に調整した.その結果,規定されたフロー値を確保できるのは砂セメント比が1で,かつ,強熱減量≦4%程度である.規定のフロー値を確保できない場合に高性能AE減水剤を添加すると,砂セメント比が3や5でも,強熱減量≦5%程度であれば,規定のフロー値が確保される.一方,一軸圧縮強さは,風化度が大きくなるにつれて小さくなり,減水剤を添加しない場合は,概ねフロー値が確保できれば目標強度を確保できるが,減水剤を添加した場合は,フロー値を確保しても目標強度を確保できない場合もあった.減水剤の添加が必要な場合の添加率と一軸圧縮強さを重回帰分析により定式化することができた.
  • 佐藤 正義, 田端 憲太郎, 阿部 秋男
    2009 年 65 巻 4 号 p. 834-845
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     護岸矢板とその背後地盤の杭基礎の破壊メカニズムを解明することを目的とし,大型土槽を用いた側方流動実験を行った.さらに,二つの大型土槽による側方流動実験を実物と見なして,縮小モデルを作製して遠心振動実験による再現実験を行った.本研究の結果,(1) 大型土槽の側方流動実験で地震終了後にも地盤がゆっくりと流動するという実現象として考えられていることを再現でき,(2) 側方流動による護岸矢板と杭基礎の変形については,地震後よりも地震時の地震動の繰返しにより発生する地盤の永久変形や構造物慣性力の影響が大きいこと,(3) 護岸とその背後地盤の杭基礎に関する側方流動現象の予測を行う場合,遠心振動実験による予測は有力な手法である,ことが分かった.
  • 金子 俊輔, 日下部 治, 有泉 毅, 山崎 剛
    2009 年 65 巻 4 号 p. 846-856
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,シールドトンネル覆工の性能設計への展開を視野に,合理的な設計土圧を検討することを目的にしている.本論文では,詳細な地盤調査,土質試験と併せて土・水圧,地盤変位が計測された粘性土地盤中のシールドトンネル掘削現場を対象に,剛塑性有限要素法による土・水圧挙動等のシミュレーションを行い,計測値と解析値との対比結果にもとづいて,剛塑性有限要素法による解析が覆工作用土圧を評価する一つの手法として有効であることを示した.
  • 常田 賢一, 小田 和広
    2009 年 65 巻 4 号 p. 857-873
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     地震時の道路盛土の被害が顕在化している現在,橋梁と同様に道路ネットワークを構成する道路盛土でも適切な耐震対策が必要である.その効果的かつ経済的な実施のためには耐震性能評価が有効であるが,その導入が遅れている道路盛土では,性能評価を体系的に捉えた方向性の明確化が緊要である.
     本研究では,既往地震事例により道路盛土の性能評価の2つの基本概念を提示し,室内実験および簡易数値解析法により適用の可能性を考察した.また,既往地震事例および段差走行実験により道路盛土の耐震性能の評価基準を提示した.さらに,性能評価に基づく道路盛土の耐震設計,耐震補強および震後の管理・運用を具体化する設計理念を提示し,道路盛土の耐震性能評価の方向性を考察した.
  • 崔 瑛, 岸田 潔, 木村 亮
    2009 年 65 巻 4 号 p. 874-883
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     NATM工法を用いた未固結地山小土被りトンネルの建設では,地表面とトンネルが同時に同程度沈下するとも下がり現象が報告されており,地盤の沈下抑制が重要な課題となっている.その対策工法として脚部補強工が用いられている.本稿では,数値解析手法を用いて脚部補強パイルを種々の方向に設置した場合,パイルの挿入角度が地表面沈下抑制効果に及ぼす影響およびそのメカニズムについて検討した.
     解析結果により,パイルは挿入角度にかかわらず,すべり線を交差することでせん断補強効果を発揮し,さらに,水平或いは小角度で斜め下に設置する場合は曲げ剛性,大角度で下向きに設置する場合は圧縮力,上向きに設置すると引張力を発揮して,覆工の荷重を健全な地盤に分担させることが確認できた.
  • 水谷 崇亮, 江村 剛, 田端 竹千穂, 竹信 正寛, 菅野 高弘
    2009 年 65 巻 4 号 p. 884-896
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     関西国際空港で広く用いられている緩傾斜石積護岸について,地震時の残留変位を検討した.関西空港で用いられているような規模の緩傾斜石積護岸の地震時挙動については,既往の検討事例が少なく,また被災した事例もない.そのため,既往の解析プログラムを用いて地震時残留変位を求めるには,パラメータの設定方法など様々な問題があり,解析が困難である.そこで,本研究では,1G場での振動模型実験,実際に現地で使用した材料の液状化判定,現地における常時微動観測等を組み合わせ,総合的な検討を実施した.その結果,検討対象とした条件下においては,緩傾斜石積護岸に大規模な地震時残留変位は生じないと結論づけた.
  • 若槻 好孝, 兵動 正幸, 吉本 憲正, 穴井 隆太郎, 吉永 祐二, 吉岡 一郎, 中下 明文
    2009 年 65 巻 4 号 p. 897-914
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     クリンカアッシュは,石炭火力発電所のボイラー底部の水槽にたまった石炭灰を砂や礫の大きさに粉砕して生成されたものであり,利用に際して特別な処理を施す必要性がなく,かつ,軽量でせん断強度が高い.このため,クリンカアッシュの地盤材料としての利用が進められつつあるが,その特性を十分に理解した上で利用されていないのが現状である.本研究では,クリンカアッシュの粒子特性を調査するとともに,埋立材料としての適用を想定した緩詰め状態における静的あるいは動的な強度・変形特性を検討した.その結果,クリンカアッシュは破砕性材料ではあるが粒子形状が複雑なため,緩詰め状態であっても高い静的せん断強度を確保していることや豊浦砂やまさ土と比較して高い非排水繰返しせん断強度を有していることを明らかにした.
  • 小早川 博亮, 京谷 孝史
    2009 年 65 巻 4 号 p. 915-928
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     弱層モデルを用いた均質化理論に基づく岩盤強度評価法に,岩盤の限界ひずみを導入した.この評価法は(1)三軸圧縮試験の破壊時の軸ひずみに基づいて表現されていた限界ひずみを,三次元ひずみ場へ一般化し,ひずみの不変量による表示へと拡張した式に基づき,(2)破壊時のひずみに対応した巨視応力を求めることで,岩盤の巨視的破壊規準を評価している.この評価法により実岩盤の強度を計算したところ,破壊時のひずみに応じて巨視的強度が変化することが明らかとなった.この評価法を用いて,原位置岩盤の破壊時のひずみをパラメータとして岩盤の強度を予測する方法を考案し,その実用の見通しを得た.
  • 大内 光徳, 村上 俊秀, 兵動 正幸, 吉本 憲正
    2009 年 65 巻 4 号 p. 929-942
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     超音波を利用した,騒音,振動,消費電力を大幅に低減可能な高密度砂杭工法の開発を目的にしている本研究は,開発した超音波供試体作製装置を使って,まず2つの供試体作製法について優位性と超音波の音圧が豊浦砂の高密度化に与える効果を検証した.次に超音波照射と水中落下打撃法および超音波を照射せずに作製した供試体の三軸圧縮試験を行い,それぞれのせん断特性を比較した.最後に超音波照射による相対密度と内部摩擦角の増加量を確認した.その結果,超音波照射による豊浦砂の高密度化特性およびせん断特性は水中落下打撃法と比較して同程度以上であることが確認できた.
  • 竹下 祐二, 森上 慎也, 森田 周三, 黒田 清一郎, 井上 光弘
    2009 年 65 巻 4 号 p. 943-950
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     砂質土地盤における浅層領域での不飽和浸透挙動の計測方法として,地表設置型の地中レーダ(GPR)を用いた方法を提案し,原位置不飽和浸透試験を実施した結果に基づいて,その適用性および有用性について述べている.自然乾燥状態にある均質な砂丘砂地盤において,一定量の散水を行って地盤内に断面2次元不飽和浸透流を発生させ,その浸潤前線の非定常挙動をGPRプロファイル測定によって地表面から非破壊状態で計測を行った.GPRによって測定された浸潤前線の非定常挙動を浸透流解析手法による数値シミュレーションおよび土中水分量計測データと比較した結果,それらには一致が認められた.
  • 小泉 悠, 津坂 仁和, 谷本 親伯, 宮嶋 保幸
    2009 年 65 巻 4 号 p. 951-962
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     TBM施工におけるディスクカッタの総摩耗量は,岩盤の掘削に伴う一次破砕摩耗と,切羽とカッタヘッドの間に溜まった掘削ずりの再破砕を意味する「二次破砕現象」に伴う二次破砕摩耗との総和と考えることができる.これに基づいて,本論文では,一次破砕摩耗量および二次破砕摩耗率なる指標を新たに提案した.そして,堆積岩と花崗岩を掘削した2つの施工事例を対象に,一次破砕摩耗量と修正摩耗能指数との関係を考察し,両者に有意な相関があることを示した.さらに,4つの施工事例でディスクカッタの総摩耗量と積算摩耗量を比較し,提案した2つの指標を適用した結果,二次破砕がディスクカッタの摩耗に大きく影響を及ぼすことを明らかにした.
  • 藤川 拓朗, 佐藤 研一
    2009 年 65 巻 4 号 p. 963-976
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,セメント安定処理土の一つである流動化処理土に着目し,まず,建設発生土や建設発生土に石炭灰を混入させた流動化処理土の力学特性を明らかにした.次に,これらの流動化処理土が維持修繕やインフラ整備に伴い掘削されること想定し,掘削された流動化処理土(掘削処理土)の再利用及び再生利用方法について検討を行った.その結果,掘削処理土の性状は初期のセメント量に依存し,そのまま地盤材料として再利用できるものもあれば,再び改良が必要となるものもあることが明らかとなった.また,再び流動化処理を施して再生利用する場合(再生流動化処理土),解泥作業の加水により単位水量が増加し,セメント量は増加する傾向にあるが,流動化処理土と同等な力学特性を有し,地盤環境に対しても安全であり有効な工法であることが判明した.
  • 中村 晋, 澤田 純男, 吉田 望
    2009 年 65 巻 4 号 p. 977-988
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     本論では,土構造物の変形に応じた被災程度に関するリスクの評価手法の確立を目的とする.まず,土構造物の地震応答や地盤物性の不確定性の影響を簡易に考慮し,すべり破壊を規定する応力規準や段差などの変形量を規定する変形量規準で表したフラジリティー曲線の評価手法の提案を行う.対象とした土構造物は道路や鉄道の盛土であり,変形とすべり破壊に関する限界状態はすべり変形に基づいて定義した.さらに,提案した手法を用い,2つのフラジリティー曲線に及ぼす地震作用,地盤強度の空間分布の不確定性やすべり面形状の差異が及ぼす影響を明らかにした.不確定性の影響として,変形とすべり破壊では要因が異なり,盛土の応答である降伏震度分布や応答時刻歴などの地震作用が大きいことを明らかにした.
  • 辻 健, 山本 勝也, 山田 泰広, 松岡 俊文, 朝倉 俊弘
    2009 年 65 巻 4 号 p. 989-997
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     新潟県中越沖地震では,震央に近い柏崎平野部のトンネルでは被害が少なかったにも関わらず,震央から約30km離れた柿崎地域において山岳トンネルの被害が集中した.本研究では干渉SAR解析を行って柿崎地域の地表変動分布を推定し,トンネル被害のメカニズムの解明を試みた.解析結果からトンネル被害の集中した柿崎地域の栃窪背斜において隆起運動が卓越していることが明らかとなった.栃窪背斜が震源断層の南西端に位置すること,破壊の伝播方向に位置していたことが,局所的に震動が増幅した原因に考えられる.また隆起運動によって,褶曲内部の岩相境界において層間滑りが発生した可能性も考えられる.つまり栃窪背斜における震動の増幅や層間滑りが,トンネル被害を引き起こしたと解釈することができた.
  • 野城 一栄, 小島 芳之, 新井 泰, 岡野 法之, 竹村 次朗
    2009 年 65 巻 4 号 p. 1024-1038
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     昨今の各種土木構造物の設計法の性能照査型への移行の流れを受け,山岳トンネルの覆工についても性能照査型設計法の導入に向けての検討が始まっている.このような背景から,筆者らは,トンネルの限界状態と考えられる無筋コンクリート覆工の圧ざに着目し,圧縮破壊後の軟化を考慮することにより無筋コンクリートの圧ざを表現できる解析モデルを提案した.本モデルを用いて1/5スケール覆工モデルによる模型実験のシミュレーション解析や,実際の山岳トンネルの地震被害の再現解析を行った.その結果,本モデルにより無筋コンクリートのひび割れや圧ざの表現が可能であること,また,実トンネルの地震被害が正しく表現できることがわかった.
  • 野城 一栄, 小島 芳之, 深沢 成年, 朝倉 俊弘, 竹村 次朗
    2009 年 65 巻 4 号 p. 1045-1061
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     山岳トンネルは一般に地震に強い構造物といわれているが,地震の規模や震源からの距離によってはひび割れや圧ざなどの被害を生じることがある.筆者らは,山岳トンネルの地質不良区間での地震被害に着目し,トンネルが地震被害を受けるメカニズムやトンネルが有する耐震性能を明らかにするために模型実験,数値解析により研究を行った.その結果,載荷方向や構造条件を変化させた模型実験により実際の地震被害を再現することができた.また,背面空洞により変状が生じやすくなること,インバートによりトンネルの剛性が向上すること,インバートがある場合は剛性の増加により覆工の負荷が増加するため,大きな変位が予想される場合は負荷を抑制するための対策が必要となることがわかった.
  • 野城 一栄, 小島 芳之, 宮林 秀次, 西藤 潤, 朝倉 俊弘, 竹村 次朗
    2009 年 65 巻 4 号 p. 1062-1080
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     山岳トンネルは一般に地震に強い構造物といわれているが,地震の規模や震源からの距離によってはひび割れや圧ざなどの被害を生じることがある.筆者らは,山岳トンネルの地震被害を軽減することを目的とし,山岳トンネルの地質不良区間での地震被害に着目し,地震被害の低減に効果があるとされるインバート,繊維補強コンクリートの他に,発泡スチロール(EPS)を用いた緩衝材による対策工を提案し,これらの適用性について,模型実験や数値解析により研究を行った.その結果,インバートにより変形や盤膨れを抑制できること,繊維補強コンクリートによりじん性が向上しひび割れが分散することにより剥落を防止できること,緩衝材により変形を低減しひび割れを抑制できることがわかった.
和文ノート
  • 砂金 伸治, 真下 英人, 木谷 努, 城間 博通
    2009 年 65 巻 4 号 p. 1018-1023
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     長大トンネルの建設費縮減のためには,急速施工とともに支保の軽減を図ることが効果的であり,トンネルボーリングマシン(TBM)を活用した機械掘削が考えられる.しかし,我が国の地質は脆弱であり,TBMを用いた施工実績は一部を除いて比較的小断面のトンネルに限られている.TBMの適用範囲を広げるためには,TBMによって施工されるトンネルの支保工の設計手法の確立が不可欠である.本研究は,これまでに先進導坑や避難坑の施工でTBMを採用したトンネルにおける現地計測結果を基に,支保に作用する荷重を解析的に算定するとともに,実際の崩落事例による崩落高さの整理を通じて荷重としての評価を行うことにより,TBMを用いて施工されるトンネルの支保工の設計に資する作用荷重に関する考察を行ったものである.
  • 山崎 浩之, 江本 翔一, 足立 雅樹, 原田 良信, 山田 和弘, 森河 由紀弘
    2009 年 65 巻 4 号 p. 1039-1044
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     静的圧入締固め工法(コンパクショングラウチング工法,以下CPG)は低流動性モルタルを高圧で地盤内に圧入し,地盤を締め固める工法である.CPGは既設構造物の液状化対策工法として実施工で採用されているが,施工時に地盤隆起を起こし施設に悪影響を与える可能性がある.本ノートでは,CPG施工時の地盤隆起を予測する手法を,空洞拡張理論の考え方と既往の設計法を利用して考察を行い提案している.そして,提案手法の精度を実測値と比較して検討している.
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