粒子-流体連成モデルを組み込んだ個別要素法(Discrete Element Methodc)を用いて流動化した土石流のシミュレーションを行い,粒子の挙動に及ぼす過剰間隙水圧の影響を検討した.モデルは近隣粒子で形成される四面体(3次元)あるいは三角形(2次元)を流体格子として,間隙水圧を粒子の運動により変化する間隙の体積変化と隣接する間隙間との流れの拡散により逐次追跡し,関連する粒子の濡れぶちに比例した力として粒子に作用させる.また,流体格子は粒子の運動とともにその形状が逐次更新され,前進先端法を用いて計算中に自動的に生成,消去される.実験結果あるいは乾燥状態や透水係数を変えた場合との比較を行った結果,土石流内部で発生する過剰間隙水圧が粒子の流動化に影響を及ぼすことを明らかにすることができた.