土木学会論文集F3(土木情報学)
Online ISSN : 2185-6591
ISSN-L : 2185-6591
76 巻 , 1 号
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和文論文
  • 保田 敬一, 趙 子健, 小西 英之, 山崎 元也
    2020 年 76 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/20
    ジャーナル フリー

     国土交通省が実施しているCIMは調査計画・設計・施工・維持管理の各段階で3次元モデルを一元的に共有・活用させることで建設生産プロセスの改善を図る試みである.近年,道路管理者が点群データであるMMSを使用する事例が増加しており,例えば,改良予定の交差点周辺の3D測量等に用いられている.本研究では,維持管理段階において道路の景観性を向上させるために,道路構成要素であるのり面や植栽などを部分的に修景改善し,それらの景観性評価を3次元モデル上で把握するための方法を提案することを目的とする.道路構成要素を3次元モデル上で変更することにより,道路構成要素の変更とその評価とが即座に把握できるようになる.さらに,道路構成要素変更前後の動画と3次元モデルとで評価の違いを検証し,3次元モデルの有効性を確認する.

  • 藤原 優, 横田 聖哉, 武石 朗, 飯島 功一郎, 江川 真史
    2020 年 76 巻 1 号 p. 18-31
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/20
    ジャーナル フリー

     地すべり等の影響により道路法面に変状が発生した際,計測機器を設置して変位の進行を監視し,対策の検討や一時退避等の対応を判断することがある.財団法人高速道路調査会では,1988年に高速道路の法面対策における動態観測の実態を調査し,崩壊予測に関する既往の研究成果を整理した上で,法面変位における管理基準値を提案している.この管理基準値は伸縮計等の計測機器を対象としたものであり,GNSS測位のような位置情報から変位を計測する技術は含まれていない.本論は,RTK(Real-Time Kinematic)-GNSSによる変位計測について,計測精度や常時における変位の挙動特性を分析し,法面管理への適用性を検証した.

  • 長屋 佑美, 菊 雅美
    2020 年 76 巻 1 号 p. 32-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/20
    ジャーナル フリー

     近年,UAV-SfM/MVS測量が実務に適用されつつあるが,構造物を対象とした際の計測方法や解析方法について不明確な部分は多く,計測者の判断に委ねられている.そこで,本研究では,UAV-SfM/MVS測量において構造物の再現性を高めるための計測方法および解析方法について検討することを目的とした.UAVでの空撮では,カメラの角度やオーバーラップ率・サイドラップ率を変化させ,3Dモデルを構築する際には,解析時の設定値を変化させた.その結果,鉛直下向き撮影画像のみで作成した3Dモデルは構造物側面に空洞が生じて再現性が低くなる一方,鉛直下向き撮影画像に斜め撮影画像を加えることで構造物の再現性を高められることがわかった.また,斜め撮影画像を加えることで構造物の再現性だけでなく,距離精度も高められることを明らかにした.

  • 内田 一鉱, 小島 尚人
    2020 年 76 巻 1 号 p. 42-52
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/20
    ジャーナル フリー

     本研究は,同時多発的に広範囲で発生する異なる形態の斜面崩壊危険箇所評価の必要性を指摘した上で,目的変量を多群とする数量化II類(以下,多群数量化II類)に基づく斜面崩壊形態分類アルゴリズムを提案したものである.地震により発生した「表層崩壊,深層崩壊,地すべり」と「未崩壊地」の4群を目的変量に,各種地理情報と衛星リモートセンシングデータから作成した素因データを説明変量に設定した.個体数量散布図・判別効率表から,総合精度84%,Kappa係数0.76となり,多群数量化II類による判別精度が保証された.さらに,サンプルスコアに対するクラスタリング(最短距離法)を通して,崩壊形態別の潜在危険箇所分布を表示した斜面崩壊形態分類図(FTCマップ)を作成し,同時多発型・異種斜面崩壊危険箇所評価支援上,有用となることを示した.

  • 高橋 元気, 増田 宏
    2020 年 76 巻 1 号 p. 63-73
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル フリー

     自動運転技術の進展・普及に伴い,自動運転用地図の重要性が増加している.自動運転用地図における道路縁の一つにU字溝がある.蓋付きU字溝は形状的な特徴が乏しいため,これまで自動図化が困難であり,手動図化においても多くの労力を必要とした.本報では,蓋付きU字溝に空いた穴に着目し,車載移動計測装置(MMS)で取得した点群を用いて,蓋付きU字溝を自動抽出する手法を提案する.蓋付きU字溝の穴は小さいために誤検出の可能性があるが,蓋が等間隔で整列されているという性質を用いて抽出精度を向上させる.実証実験によって実環境における蓋付きU字溝を抽出した結果,81.2%の抽出精度が得られた.処理時間も十分現実的であるため,早期実用化が可能である.これにより手動図化が自動化され,図化に要する労力やコストの削減が期待できる.

  • 前田 圭介, 斉藤 僚汰, 高橋 翔, 小川 貴弘, 長谷山 美紀
    2020 年 76 巻 1 号 p. 74-86
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/20
    ジャーナル 認証あり

     本文では,道路構造物の維持管理の効率化に向けた,技術者の視線データを用いた類似点検データの検索手法を提案する.提案手法では,点検時に記録された変状画像に対する技術者の視線データ及び点検データのそれぞれから算出される特徴量に対して,正準相関分析を行う.これにより,相関が最大となる新たな特徴量への変換を行う射影を推定することで,技術者の視線を考慮した点検データ間の類似度の算出が可能となる.さらに,推定した射影を用いることで,視線データが取得されない場合においても,視線データを考慮した特徴の算出が可能となる.以上より,入力される点検データに対し,過去の類似事例を提示可能となるため,変状評価業務の効率化が期待できる.本文の最後では,実際のデータを用いた実験を行い,その有効性を確認する.

和文報告
  • 関屋 英彦, 木ノ本 剛, 高木 真人, 丸山 收, 三木 千壽
    2020 年 76 巻 1 号 p. 53-62
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/20
    ジャーナル フリー

     鋼橋に生じる疲労損傷の適切な維持管理を行うためには,活荷重により生じるひずみ応答を計測することは重要である.しかしながら,多くのひずみ計測システムは,有線式のシステムとなっているため,現場における施工性に課題を抱えており,その無線化が期待されている.さらに,長距離の無線計測技術は,橋梁の外へ計測データを転送することを可能にし,構造物の常時モニタリングに有用な技術となる.

     本研究では,長距離の無線通信が可能なLoRa®無線モジュールを用いた無線ひずみ計測システムを製作し,供用中の鋼箱桁橋にて計測したデータを橋梁の外にデータ転送することによって,その実用性を検証した.計測結果より,LoRaを活用することによって,鋼箱桁橋内のデータを約130m離れた箇所にて取得可能であることが示された.

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