土木学会論文集F4(建設マネジメント)
Online ISSN : 2185-6605
ISSN-L : 2185-6605
71 巻, 1 号
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和文論文
  • 貝戸 清之, 坂井 康人, 塚本 成昭, 水谷 大二郎, 小林 潔司
    2015 年 71 巻 1 号 p. 1-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
     管理対象となる膨大な社会基盤施設の中から,相対的に劣化の進展が速い部材を重点監視部材として位置づけるとともに,それらに対してはモニタリング等を利用した常時監視や,適切なタイミングで補修や更新を行う必要がある.しかし,通常の点検業務で獲得できる目視点検データからそのような部材群を抽出する手法に関しては,体系化された方法論が存在しないのが実情である.本研究では多階層混合マルコフ劣化ハザードモデルとその階層ベイズ推計を提案する.さらに,意思決定レベルに応じて階層化された劣化速度の相対比較を実施し,各レベルで着目すべき重点監視部材を抽出する方法論を提案する.さらに,高速道路の高架橋ジョイント部材への適用を通して,提案手法の有効性を実証的に検証する.
  • 前田 典昭, 河村 圭
    2015 年 71 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     現在の社会資本整備の維持管理においては,アセットマネジメントシステムが有効であるが,実際の現場展開には,実務者利用のための簡易性が不可欠である.本研究では,道路施設であるトンネル内に設置された照明設備の灯具を対象に,データ量の僅少性や現場実務者の運用性を考慮した劣化予測手法として簡易動的マクロモデルを提案した.この簡易動的マクロモデルは,トンネル単位を系として,その系の状態確率の動的変化をマルコフ確率過程上の時間変動としてマスター方程式でモデル化し,解法算出することで系の健全度予測を可能としたものである.本論文では,はじめに簡易動的マクロモデルによる健全度算出までの手法を解説し,更に実際の点検結果にモデルを適用して,材質毎の健全度算出からの劣化進行の差異を示すことでモデルの有用性を検証する.
  • 野口 孝俊, 渡部 要一, 土田 孝
    2015 年 71 巻 1 号 p. 33-43
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
     設計施工一括発注方式は,設計・施工を一貫して同一受注者が実施し,従来,発注者が負っていたリスクの多くを受注者が負担する契約方式である.羽田空港D滑走路建設工事は,設計施工一括発注方式により契約され,性能設計を採用している.本稿では,D滑走路で実施した設計・施工に係る地盤リスク回避事例を検討し,設計施工一括発注方式のリスク負担の考え方と地盤リスクへの対応について検討した.
  • 若林 大, 宮下 剛, 奥山 雄介, 秀熊 佑哉, 小林 朗, 小出 宜央, 堀本 歴, 長井 正嗣
    2015 年 71 巻 1 号 p. 44-63
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
     鋼構造物の腐食は,局部的な漏水などの影響により部分的に生じることが多い.特に伸縮装置からの漏水に起因する鋼桁端部の腐食が顕著であることが知られているが,他にも排水装置や床版ひび割れからの漏水,凍結防止剤の飛散などの影響により鋼構造物の各部で腐食が生じている.従来,CFRPを用いた鋼構造物の腐食補修工法は,高応力下や座屈変形時の剥離が懸念されていたため,その適用条件が限定的であり,様々な腐食形態に対して対応が困難となるケースが多かった.そこで著者らは,CFRPの剥離抑制対策として低弾性かつ高伸度のパテ材を接着層に塗布する仕様を用い,各種鋼部材の特性に応じた補修量算定法や構造細目を提案した.本稿では,これらの新たな補修設計法を示すとともに,実験・解析を通じてその妥当性を検証した結果について報告する.
和文報告
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