土木学会論文集F4(建設マネジメント)
Online ISSN : 2185-6605
ISSN-L : 2185-6605
71 巻 , 4 号
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特集号(論文)
  • 森 芳徳
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_1-I_10
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     高度成長期に集中的に整備された土木インフラが急速に高齢化し始めている.2012年12月,中央自動車道笹子トンネルにおいて天井板崩落事故が発生した.国土交通省では,2013年(平成25年)をメンテナンス元年と位置づけ,道路インフラの老朽化対策に着手した.そして,道路法施行規則の一部を改正する省令及びトンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示が2014年(平成26年)3月31日に公布され,同年7月1日より施行された.これにより,トンネル,橋梁とともに,道路土工構造物であるシェッド・大型カルバート等についても,近接目視により5年に1回の頻度を基本とし点検を実施することとなった.
     道路土工構造物は,その構造特性上,構造物本体と背面地盤等との組合せで構造物としての安定性を確保していることが多く,土圧や排水等の不確実性に対して安全余裕を考慮している.このことから,土工構造物の維持管理は,老朽化の視点だけでなく,防災の視点も併せながら実施していくことが重要である.
     本研究は,筆者が現在所属する機関における研究活動と過去に所属した道路行政機関における経験と知見に基づき,道路土工構造物を事例として取り上げ,本格的なメンテナンス時代における公共事業執行システムのあるべき方向性等について,自主的に研究・考察したものである.
  • 山﨑 崇央, 石田 哲也
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_11-I_22
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     本研究では,橋梁点検データに対して生存時間解析を適用し,東北地方特有の厳しい環境に置かれる橋梁部材の劣化に関する定量分析を行った.カプラン・マイヤー法を用いることによってPC橋主桁部材の生存曲線を推定すると共に,複数の劣化機構毎に母集団を分類することで,生存曲線の形状から機構固有の劣化傾向を判別できることを示した.また鋼橋RC床版に対しては,説明変数として劣化因子を適切に選択した上でCox回帰分析を適用し,個々の劣化因子の影響度を推定するとともにその妥当性を点検結果との照合により論じた.更にCox回帰分析から得られるハザード比を個々の橋梁毎に算出することで,劣化リスクの順位付けが可能であることを示した.以上の検討を通じて,生存時間解析と点検データを組み合わせた維持管理手法の具体的な応用可能性を提示した.
  • 水谷 大二郎, 坂口 創, 貝戸 清之, 小林 潔司
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_23-I_34
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     社会基盤施設のアセットマネジメントにおいて,施設の劣化状態を予測することが重要である.現在までに,初期時刻からの経過年数を考慮した多段階ワイブル劣化ハザードモデルが開発されている.しかし,同モデルは膨大な推定時間を要することから,劣化予測をする際には,施設の劣化過程を時間に定常的なマルコフ推移確率を仮定して表現した,マルコフ劣化ハザードモデルを用いるのが主流となっている.本研究では,多段階ワイブル劣化ハザードモデル推定時の数値計算法として準モンテカルロ法を適用し,推定時間の短縮を実現する.それにより,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いて,未知パラメータの事後分布をベイズ推定する方法論を提案する.最後に,実証分析として伸縮継手装置を対象とした劣化予測を行い,本研究の有意性を示す.
  • 玉越 隆史, 横井 芳輝, 山﨑 健次郎, 水口 知樹, 松村 裕樹
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_35-I_44
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     道路橋の直轄点検要領1)において,概ね2巡の全国点検で同じ部材・同じ部位に対する点検データが蓄積されている.この部材ごとの劣化特性と実際の我が国の代表的な橋梁形式を踏まえたFT構造とを組み合わせて落橋相当リスクの試算を行い,このようなリスク分析手法が道路事業において有効性があるかどうかについて検討を行った.
     その結果,構造特性や部材ごとの耐久性能の違いが破壊確率や崩壊シナリオが実際にどの程度影響するのか明らかにした.また,道路橋の合理的な維持管理方法の立案や橋梁構造の最適化の参考とする目的に対して,実務上有意なレベルで耐久性の向上策の選択や性能水準の設定などが行いうることを示した.
  • 高木 朗義, 杉浦 聡志, 岩田 裕憲
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_45-I_52
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     冬季に降雪が多い地域においては,除雪は安定的に道路を供用するために重要である.除雪を担う民間請負業者は多くが地方の中小事業者であり,近年の建設事業費の減少により社員や機械を削減しているため,対応能力が低下している.そのため,限られた資源で効率的に除雪事業を運営する必要がある.これまで除雪機械の配置と作業範囲は現地技術者の経験によって設定されることが多く,必ずしも除雪事業の効率化が図られているとは限らない.したがって,今後の除雪事業においては,一定のルールに基づく除雪計画の立案により除雪機械の台数減少,費用縮減を目指す必要がある.そこで,岐阜県を対象として管理する地域の降雪量実績や道路の重要性を整理して管理する道路に除雪の管理目標レベルを設定する方法について検討し,これを満足するための機械配置結果を示す.
  • 杉浦 聡志, 町 勉, 塚本 眭, 高木 朗義, 倉内 文孝
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_53-I_63
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     現在わが国では蓄積された道路ストックの維持管理が国土政策において重要な課題である.今後も増大が見込まれる維持管理費用を踏まえれば,現在の予算規模で現状の道路ストックを管理し続けることは困難である.また,人口減少社会に突入し,スマートシュリンクが提唱されていることを踏まえても,重要度の低い道路は適宜統廃合し,維持管理費用の縮減を図る必要があるだろう.一方で,むやみに廃止すれば市民生活等に支障をきたす.市民の移動需要を満足しつつ,戦略的に管理量を減らす必要がある.筆者らは既に生活道路において一定の旅行時間を満足するネットワーク形状が決定される道路ネットワークデザインモデルを構築した.本稿では実務への展開を目指し,複数の維持管理戦略,移動モード,評価時点を考慮できるように拡張したモデルを提案する.
  • 富田 敬之, 大野 沙知子, 杉浦 聡志, 髙木 朗義
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_65-I_72
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     財源,技術者の不足する状況下において,すべての道路を技術者が管理することは困難である.地域住民が参加することで管理のすきまを埋めることや住民目線での社会資本の損傷を発見することにつながり,制約の中できめ細かい管理ができる可能性がある.本研究では,地域住民を道路管理の一主体とし,技術者と連携する地域協働型インフラ管理について,住民と技術者の分担を考察するため,それぞれのコストとリスクから社会的費用を定義する.社会的費用を構成する要素として,地域住民によるインフラ管理費用,行政によるインフラ管理費用,道路管理における交通事故リスクをモデル化する.簡易的なシミュレーションの結果から,最適な地域住民の点検回数と技術者の点検間隔について挙動を確認し,社会的費用を最小化する条件について考察を行った.
  • 角崎 巧, 五艘 隆志, 草柳 俊二
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_73-I_84
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     南海トラフ巨大地震や首都直下型地震に対する災害対応を考える場合,必須条件となるのは「内陸型大規模地震災害」から「臨海型大規模地震災害」への発想の転換である.この原点に立って災害対策の施策や法律の整備,中央政府と自治体の新しい枠組みの中での機能分担,其々が機能的・効率的に動けるシステムの構築を行うことが必要となってくる.具体的方策は,発災前の事前準備から発災後の緊急対応,復旧・復興に至る一連の必要な業務とプロセスを明らかにし,PM(Project Management)手法を活用して必要な業務を迅速,かつ効率よく行えるマネジメントシステムを構築することである.このシステムは復旧・復興の中心となる基礎自治体のレベルにおいて構築されることが必要であり,本研究では,これを基礎自治体災害マネジメントシステム;LGDMS(Local Government Disaster Management System)と定義し,高知県香南市に於いて構築を試みその有用性を見出した.
  • 皆川 勝, 三枝 大祐, 飛田 雅紀
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_85-I_95
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     災害時の道路啓開及び復旧作業には地元建設業の貢献が必要不可欠となっている.しかし,近年公共工事の減少や入札方式の変更による競争の激化により建設業者の重機保有数が減少傾向にある.皆川らは東海地震を対象に重機の連携により被災物撤去日数がどの様に変化するか検討した.本研究では,近年重機保有の主流になるリース業者の重機を加え,東日本大震災を踏まえた被害想定の変更に伴う影響の変化を検討した.その結果,震源地の相違により被災物撤去日数に影響を及ぼす事,重機の流入がリース業者の保有する重機の初期配置により地域毎の被災物撤去日数に影響を与えることが示された.
  • 森實 一宏, 中脇 法文, 五艘 隆志
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_97-I_108
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     東日本大震災において,事前に災害応急対策の支援に関する協定を締結していた地元の建設企業が,公共土木施設の管理者である行政と連携,協力し,災害直後から緊急輸送路となる道路の啓開にいち早く着手し,その後の人命救助や支援物資の実施に大きく貢献した.このことは,災害協定が有効に機能した事例として評価されている.一方で,連絡手段が途絶えるなど,平常時とは異なる状況において,災害協定が実態に則していなかったとの調査報告もあり,東日本大震災を教訓として,既存の災害協定を見直す必要性が出てきている.来る南海トラフ地震に備え,災害応急対策の実施体制の構築は喫緊の課題である.本研究は,大規模災害時においても,行政と建設企業との連携体制のもとに災害応急復旧が迅速かつ適確に実施されるよう,大規模災害時にも対応可能な災害協定の必要条件について考察したものである.
  • 塩路 尚也, 五艘 隆志, 角崎 巧
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_109-I_117
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     将来発生が懸念される南海トラフ地震では東日本大震災を上回る被害が予測されており,復興の長期化が懸念される.本研究は,東日本大震災における東松島市の住居移転事業の事例を分析し,4つのパターンに類型化された移転事業のスケジュールを一般化したプロトタイプを作成した.これに基づき香南市の被害予測を考慮した移転事業案を作成し,復興促進策として「事前の移転計画」と「災害廃棄物仮置場の事前準備」の有無を考慮した4つの復興シナリオのスケジュールを比較したうえで,これらの有効性について定量的に検証を行った.本手法は時系列での復興計画を市当局と住民が共有し,よりよい計画を見出す方法として有効であると考えられる.
  • 森川 想
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_119-I_129
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     道路建設事業に伴う住民移転における,事業自体や事業のプロセスに対する移転住民の認識とその変化,およびそれらへの移転政策の影響について,スリランカ初の高速道路建設事業であるSouthern Transport Development Project (STDP)を対象として家計調査を実施し,分析を行った.
     分析の結果,この事例においては多くの移転住民が本事業を総合的には高く評価し,本事業そのものや事業のプロセスに対する認識を好ましい方向に変化させたという点で,住民移転の成功事例であることが確認された一方,融資元や本国でSTDPの成功要因と認識されている用地取得・住民移転委員会(LARC)の機能はそれ自体評価すべきものであるにもかかわらず,LARCの制度の存在を認識している家計ほど移転満足度が低いこと,そしてそれが,LARCのスタッフやプロセスに対する満足度の低い住民によってもたらされていることを確認した.
  • 田村 泰史, 稲垣 孝, 桑原 茂雄, 田中 優
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_131-I_138
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     熟練技能者が保有する技能は,我が国の生産活動の発展において不可欠なものである.少子高齢化の進展により技術継承が問題となっている現在の社会情勢において,熟練技能者の技能を記録保存する技術の開発は喫緊の課題である.それにこたえる形で,土木作業現場の映像データを動線描画ソフトの分析から得られた定量的データをもとに,作業特性を「見える化」したモデルとしての活用により技術・技能の伝承を可能とするシステムを開発する.本論では,現地モニタリングの試行による画像データの採取方法と結果の検証および今後のシステム開発の展望について述べる.
  • 高木 元也, 高橋 明子
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_139-I_147
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     労働災害が多発している中小企業に対する安全指導の実態を把握するため,各都道府県労働局を対象にアンケート調査を実施した.その結果,数多くの労働局では,労働行政運営上,建設業を,第三次産業,製造業,陸上貨物運送事業と並び重点産業にあげ,リスクアセスメント,健康障害,安全教育等を重点項目にあげた.また,建設業で効果が認められた安全指導には,改善事例や労働災害事例を用いた指導,個別指導,グループ討議や発表を含む研修会,産業団体・労働災害防止団体との連携等をあげ,安全指導に役立つもののニーズは,製造業と同様のものとして業種別・作業別のツール,他方,建設業特有のものとして各種労働災害の詳細分析等があげられた.
  • 村田 裕介, 有森 正浩, 鈴木 信行
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_149-I_156
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     公共工事の入札時における予定価格の設定や工事の実行予算の策定,工事実施中におけるコスト管理などに用いられる建設資材価格等について,毎月実施する定期調査間のタイムラグによる影響の抑制や,応札者における取引先等との実勢価格の妥当性を評価するために,定量的な分析を行い物価変動によるリスクに対応した客観的かつ精度の高い資材価格等の予測モデルの構築を行った.
     分析は予測価格を目的変数とし,今月の価格,前月から今月の価格変動率,実績価格との乖離率から求めた次月の市況気配を説明変数とする重回帰分析を行った.分析結果の評価方法は,予測値の実績値に対する相対誤差により評価した.その結果,過去の価格情報を使用して算出された価格と比較することで検証を行ったところ,精度の高い予測モデル構築手法を考案することができた.
  • 草柳 俊二
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_157-I_168
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     設計施工契約は施工性を十分反映した設計を行うことにより,品質,時間,コストの効率向上を目指すものである.この契約形態は建設企業が従来の枠組みを超え,事業遂行力を向上させるといった面でも極めて重要な意味を持ち,先進諸国だけでなく,中進国の建設産業もその対応能力を急速に向上させている.我が国でもこの契約形態の導入が始まったが,受注者側のリスク拡大といった問題が顕在化している.リスクの均衡は適正な契約形態によって作られる.我が国では発注方式で制度作りを進めるため契約形態の議論が希薄となる.このため,リスクバランスという建設プロジェクトにおいて最も重要な議論が放置されてしまう傾向となる.設計施工契約形態の普及には,契約形態としての議論を深めシステムを作って行くことが必要となる.
  • 中川 善典, 山崎 祥悟
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_169-I_180
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     本研究は、建設技能者はどのように技能を獲得・伝達してゆくのかに関する実態を理解するための第一歩として、これらのプロセスを理解するに資する概念の開発を目的とした。師匠・弟子の関係にある高知県内の二名一組の建設技能労働者から独立して人生史を収集し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで用いられている分析ワークシートの技法により概念を開発した。その結果、【会社に利益を残す仕事】【恐怖への耐性】【しわ寄せの受け手としての下請け】【下級建設会社の誇り】【非制度的昇給システム】【OJTなしの暗黙知伝授】【伝えたい思いと盗みたい思いとの合致】という7概念が生成された。また、これらを用いて二名の人生を描くことで、概念間の関係を例示した。技能獲得・継承ロセスに関する一般理論の構築は今後の課題だが、その理論はこれらの概念を用いて記述されることが期待できる。
  • 谷本 圭志, 後藤 忠博
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_181-I_188
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     公共事業費の削減,就業者の減少により地方部の建設業では廃業を余儀なくされる企業が増え続けると予想される.しかしながら,地方部の建設業は社会資本の整備・維持,災害復旧・復興,除雪等の役割を担っているため,当事者の自助努力はもとより,企業間の連携,異分野展開等の対策を自治体が働きかけていくことも重要である.これらの具体的な対策を企画するに際しては,現在どのような経営状況の企業がどれほど存在するのかを把握するとともに,対策を講じた場合での持続可能性への貢献を診断できれば有用である.また,自治体は経営の当事者ではないため,一般的な情報を用いて診断できる手法が必要である.そこで本研究では,損益分岐点分析を用いた診断手法を検討するとともに,鳥取県を対象に実証分析を行う.
  • 橋本 麻未, 小澤 一雅
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_189-I_198
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     建設企業による技能者の直庸化(直接雇用)は,現場の生産性向上や長期的な人材の確保の効果が期待される一方で,労務費の増加やプロジェクト減少時の待機人材の発生等が懸念される.本研究は,直庸により可能となるプロジェクトへの計画配置,技能者の採用方針,賃金制度等の直庸技能者の活用戦略を検討するためのモデルを構築し,その効果として期待できる工事全体のパフォーマンスの向上やプロジェクト減少時の影響を長期的にシミュレーションすることを目的とした.
特集号(報告)
  • 大澤 寛之, 山田 政雄, 塩見 真矢, 簗瀬 範彦
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_199-I_206
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     本報告は,公共事業費縮減の流れの中で河川管理におけるコスト縮減対策として,近年の農薬取締法改正により使用が認められた安全で効果のある植物成長調整剤を用いた堤防植生管理手法による維持管理について検討したものである.具体的には近年,現場において発生している外来植物の侵入・繁茂等の影響による河川巡視・堤防点検への支障や堤防機能の弱体化の問題を解決することを目的としている.検討結果として本報告で提案する堤防植生管理手法は,渡良瀬川河川事務所管内の河川堤防に適用した場合,堤防管理の問題に対する改善効果が検証されたこと,現状の維持管理コストに比べ約30%程度のコスト縮減が見込めること,環境面への安全性も確認できることから,今後の河川堤防における堤防植生管理手法として適用が十分可能であるものと考える.
  • 松岡 数憲
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_207-I_214
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     福島第一原発事故により大量の放射性物質が放出され、福島県を中心に放射性物質による汚染が広がった。放射線被ばく線量低減のため、国直轄または市町村発注により除染事業が行われている。本報告では、福島県川俣町において平成24年度から実施されている除染事業の建設会社の担当者として、除染事業の実績や課題を報告する。まず放射線強さの分布は、宅地や建物の部位により線量に大きな差異があり、これは部材・材質による線量の違い、雨樋下など局所的に線量の高い場所があること等を例に説明する。続いて線量低減のために、様々な除染手段に取り組んだので、その結果を述べる。さらに山林除染は面積が広大にもかかわらず、充分な除染が難しい理由を指摘する。最後に除染効果の評価を述べ、除染事業を管理する上での問題点・課題について述べる。
  • UK SOMETH, Masaru MINAGAWA
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_215-I_226
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     The development of Preah Vihear and its region depends on many factors from natural resources preservation to human resources. To move into the right direction of enhancing economic growth and social improvement, it is indispensable to keep the first resources from draining out in order to insure their sustainability. In this paper, the authors deal with the development strategy for the sustainable development of this valuable region and discussed the abstract strategy for natural resources and human resources. Protection and management of natural resources including green and underground resources, water resource and land resource are discussed. At last, different touristic activities and program at different time frames are proposed with priority projects.
  • 杉浦 伸哉, 後藤 直美
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_227-I_233
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     近年日本では,建築工事で活用されているBilding Information Modering(以下 BIM と表記)に追随する形で,土木分野でのConstruction Information Modeling/Management(以下 CIM と表記)の活用が活発化している.CIMとは「建設分野において,3次元モデルを共有・活用させることにより建設に関わるトータルコストを縮減すること」を目的としており,平成24年度から本格的な取り組みが行われている.そして平成24年下期より設計段階におけるモデル工事が試行され,同じく施工段階においてもモデル現場を選定し,具体的な検証を開始している.さらに平成25年度からは入札における総合評価方式にCIMの導入が盛り込まれ,国土交通省が積極的に導入を進めている分野である.
     見草トンネルは平成24年4月の工事着手時からCIMの導入に取り組んだトンネル工事として全国初のプロジェクトである.本稿は,当工事でのCIMの導入と取組み内容について報告する.
  • 大野 真希, 森田 康夫, 冨澤 成実, 横井 宏行
    2015 年 71 巻 4 号 p. I_235-I_240
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     国土交通省直轄工事においては,平成17年4月に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の基本理念に基づき,透明性の確保,技術競争の促進等の改善効果を期待して総合評価落札方式の適用拡大を図り,平成19年度以降はほぼ全ての直轄工事で総合評価落札方式を適用してきたところである.
     平成25年度からは,総合評価落札方式の諸課題に対応するために,新たな施策として「二極化」を打ち出し,全国的に本格運用を開始した.本稿では,二極化により期待される効果の現時点での発現状況等を確認することを目的として平成25年度の総合評価落札方式適用工事に関するデータを基に調査・分析・影響の整理を行った結果,(1)施工能力評価型では一定の効果が発揮されている(2)技術提案評価型では引き続き改善を図る必要があるという実態を確認した.
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