道路橋を適切に維持管理してゆくためには,道路橋の維持管理に関わる主体が行う行為や意思決定に必要な技術力を有する技術者が継続的に確保できるように,目標を明確にした戦略的な人材育成を行う必要がある.しかし,各組織で行われる人材育成において,人材育成が目標とする技術力の全体像や構成要素が整理されているケースは稀であると考えられる.
そこで本研究では,戦略的な人材育成の実現に向け,道路橋の復旧事例等から読み取ることができる道路橋を維持管理するための判断や検討の1つ1つを,認知心理学に基づき教育分野で開発された「ブルーム・タキソノミー」の枠組を用いて分類することによって,技術力の解明を試みる.さらに,人材育成手段との対応付けを試みることで,戦略的な人材育成を実現し得ることを示す.
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