土木学会論文集D
Online ISSN : 1880-6058
63 巻 , 4 号
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和文論文
  • 朝海 なつき, 松山 祐子, 小泉 隆, 山下 三平
    2007 年 63 巻 4 号 p. 445-453
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
     本研究は,17色のカラーカードと建築物を対象とし,自然光の下で行う体系的な測色により,見かけの色と視距離との関係に関する基礎的知見を得ることを目的とする.
     太陽光の変化·照度の影響を考慮した測色の結果,視距離の増加にともない,高明度域·高彩度域の色ほど大きく変化することがわかった.また,2器の測色計を用いて,照度の影響を取り除いた測色を行った.その結果,視点と視対象の間の大気·空間が,見かけの明度と見かけの彩度に与える効果が明らかになった.さらに,視距離と見かけの色との関係をあらわす推定式を求め,任意の視距離における構造物の見かけの色を推定する方法を示した.
  • 外井 哲志, 大塚 康司, 有北 和哉
    2007 年 63 巻 4 号 p. 454-463
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     案内誘導のために提供すべき基礎情報は,「現在位置の同定の根拠」と「進行方向」であり,これらの情報提供を体系的にかつ十分な密度で行えば,わかりやすい案内体系を構築できる.本研究では,道路案内標識の課題分析を通して,現在の案内体系に付加すべき情報として「交差点名」を選定した.その上で,シミュレータを用いた実験的方法を用いることにより,運転者の地点同定情報の利用状況を明らかにするとともに,運転者が迷わずに目的地に到達する上で,交差点名を組み込んだ案内体系がどの程度有効であるかを,予定経路の完走率,迂回距離,心理的負担量などの評価指標を用いて明らかにした.
  • 小林 潔司, Mohamed Nazari Bin JAAFAR, 尾形 誠一郎, 塚井 誠人
    2007 年 63 巻 4 号 p. 478-497
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     インドネシアのスマトラ島の森林火災は,周辺各国における日常的サービスの中断,呼吸器系疾患の多発等の深刻なヘイズ(煙害)災害をもたらしている.マレーシア政府は,大気中の汚染物質量をリアルタイムに観測し,ヘイズ警報を発令するシステムを開発している.ヘイズ警報を発令(解除)するためには,衛星情報と地上観測データに基づいて,将来時刻における大気汚染物質の滞留量を迅速に予測するような統計的予測モデルが有用である.本研究では,レジーム変化(regime switching)と長期記憶性を考慮した統計的時空間モデルを定式化するとともに,ヘイズ災害に関する危機管理情報を作成するための方法論を提案する.さらに,マレーシア半島部を対象としたケーススタディにより,本研究で提案した方法論の有効性を実証的に検証する.
  • 片田 敏孝, 木村 秀治, 児玉 真
    2007 年 63 巻 4 号 p. 498-508
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     近年,ハード対策のみによる防災施策の限界が認識されるようになり,住民の自発的な対応行動による被害軽減のあり方が重要視されるなか,住民の意識啓発の重要なツールとしてハザードマップが位置づけられるようになった.しかし現状は,公表されたハザードマップが住民に認知され,かつそこに表示される災害リスク情報が適切に理解されているとはいえない状況にある.本稿では,洪水ハザードマップを事例に,現状における洪水ハザードマップの運用に係る課題を,住民,行政それぞれの観点から整理した.また,地域防災力の向上には行政と住民とのリスク · コミュニケーションが必要不可欠との認識から,洪水ハザードマップをそのコミュニケーションのためのツールとして活用することの重要性と効果的な運用のあり方について提示した.
  • 長江 剛志, 赤松 隆
    2007 年 63 巻 4 号 p. 509-523
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     先進工業国において,可燃性液体や放射性物質などの危険物の日常的な輸送は欠かせない.一方,これらの危険物が(交通事故などによって)輸送中に流出した場合,周辺の住民 · 環境 · 経済に甚大な損害を及ぼす.本研究では,こうした流出事故が持つ“低頻度 · 大損害”特性を考慮しつつ,そのリスクを最小限に抑える輸送計画問題に対する定量的分析手法を開発する.具体的には,まず,輸送起終点間の各経路への最適な輸送配分比率を決定する問題を,maximin問題として定式化する.そして,この問題が,交通計画分野で知られるlogit型の確率的均衡交通配分と類似した数理構造を持つ凸計画問題に帰着することを明らかにする.これを活用して,現実的な規模の一般ネットワークに対しても,効率的に最適な輸送戦略を評価できる数値計算法を開発する.
  • 河野 達仁, 宮原 史, 森杉 壽芳
    2007 年 63 巻 4 号 p. 524-535
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     近年の大都市では,交通施設整備が新たな交通需要を誘発し,結局混雑緩和にはつながらない「誘発交通による混雑悪化」が生じている可能性がある.また,誘発交通による混雑悪化に付随して生じると考えられる現象として,交通施設整備がかえって効用水準を低下させる「公共投資のパラドックス」がある.本研究では,2都市の一般均衡モデルに関数の特定化を行い,数値シミュレーションにより交通施設整備の便益を分析する.その結果から,誘発交通による混雑悪化や公共投資のパラドックスといった現象が発生する状況およびメカニズムについて考察し,これらの現象が存在するもとでの便益評価手法および都市整備についての提言を行う.
  • 池田 清宏, 河野 達仁, 赤松 隆, 柳本 彰仁, 八巻 俊二
    2007 年 63 巻 4 号 p. 553-566
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     近年,規模の経済と輸送費および要素移動の相互作用による都市の集積 · 分散を内生的に解明する分析が盛んに行われている.この分析モデルの代表例であるKrugmanのCore-Peripheryモデルは複数均衡解を持ち,その都市集積 · 分散過程は輸送費変化による分岐を伴うことが知られている.しかしながら,その集積 · 分散過程は主に,都市数が2の場合しか明らかにされていない.本論文では,Core-Peripheryモデルを多都市モデル,具体的には円周上に均等に位置する都市数22, 23, 24 モデルへと拡張し,対称性を持つ系の一般論である群論的分岐理論を用いることにより,均衡解の分岐過程のメカニズムを解明する.その結果,輸送費の変化による周期倍分岐に代表される多段階の対称性破壊分岐を伴う都市の集積 · 分散の空間的分布の変化を示す.
  • 織田澤 利守, 赤松 隆
    2007 年 63 巻 4 号 p. 567-578
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,従来研究の確定論的な枠組みでは未解決であった都市集積モデルの均衡選択問題に対し,確率論的な枠組みでの完全予見的ダイナミクスを導入した新しい均衡選択原理を提案する.具体的には,経済環境に不確実性(確率動学的なゆらぎ)が存在する下で,将来起こりうるすべて状況を確率的に織り込んだ労働者の地域間移住に関する意思決定モデルを定式化し,地域間移住ダイナミクスの均衡経路が確率的に実現するサンプルパスに応じて一意に決定されることを明らかにする.その上,従来研究における解の不定性が確定論的な枠組みのみで必要な仮定に依存した結果であることに言及し,提案モデルの均衡選択原理が頑健的であることを示す.さらに,長期的に実現する都市の集積 · 分散パターンが輸送費用のみに依存して決定されることを明らかにする.
和文報告
  • 窪田 諭, 松村 一保, 梶川 正純, 碓井 照子, 吉川 眞
    2007 年 63 巻 4 号 p. 464-477
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,地方公共団体とユーティリティ企業が協働で空間基盤データを整備 · 更新し,これを業務で活用する実証を実施した.空間基盤データを整備 · 更新する方法として製品仕様による整備方法と工事成果品のCADデータによる更新方法を構築し,地方公共団体の実データを用いて実証した.空間基盤データの活用においては,官民で情報の交換 · 共有が頻繁に発生し都市防災に有用なライフラインデータを対象に,道路占用許可申請業務に係わるシステムの開発と実証を行い,空間基盤データ上でライフラインデータを交換 · 共有することの有用性を明らかにした.最後に,空間基盤データを定常的に管理,更新する運用モデルを構築し,関係者の役割を明らかにするとともに,その事業と費用負担方法を分析した.
  • 土井 健司, 中西 仁美, 杉山 郁夫
    2007 年 63 巻 4 号 p. 536-552
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
     広域圏の地域づくりでは,長期目標を支える政策の一貫性が重要であり,そのためには圏域内でのビジョンの共有と外部への可視化が不可欠である.本研究は,ビジョニングを重視した地域づくりの先駆例として欧州オーレスンの地域創生プロジェクトに着目している.欧州の成長極の一つオーレスンでは,国境と海峡を跨ぐ新たな統合地域を創生するために,国土 · 地域基盤に関する多元的な理解の下に,プレイス · マーケティング手法を活用したアイデンティティの共有と強力なイメージづくりを先行させ,ビジョン先導型の広域ガバナンスを実現している.本稿では,こうした先行事例に基づき広域ブロックの地域経営におけるプレイス · マーケティングの戦略的意義をまとめ,わが国の広域地方計画への貢献を目的としている.
英文論文
  • Ali Gul QURESHI, Eiichi TANIGUCHI, Tadashi YAMADA
    2007 年 63 巻 4 号 p. 579-590
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/20
    ジャーナル フリー
    Shortest Path Problem (SPP) has many Civil Engineering particularly Transportation Engineering applications. This study considers a variant of SPP; the Elementary Shortest Path Problem with Resource Constraints and Late Arrival Penalties (ESPPRCLAP). Time and capacity are considered as the resources and any delay violation of time window causes a late arrival penalty. An application of ESPPRCLAP is given in relation with Vehicle Routing and scheduling Problem with Time Windows (VRPTW), which is used as a principal tool to evaluate many city logistics measures such as route optimization, to mitigate typical problems caused by urban goods movement. Finally benefits of incorporating late arrival penalties has been shown by using ESPPRCLAP as subproblem in column generation solution of VRPTW based on data derived from practical road network.
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