土地利用モデルでは消費行動と消費地選択行動を同時に考慮する必要があり,前者についてはCES型効用関数を仮定すればCES型の消費モデルを構成することができる.ところが,後者については,従来,非集計行動モデルに基づくロジット型モデルが用いられてきたため,同じ土地利用モデルの中に2つのタイプのモデルが混在することになる.そこで,本研究では,Anderson et al.を参考にしながら,消費行動と消費地選択行動をともにCES型関数で表現したCES型土地利用モデルを開発する.また,このモデルは2階層の層化CES型効用関数を仮定したマクロな効用最大化問題からも導出できることを示す.そして,通勤費用や土地サービス市場を考慮したモデルへと展開し,このモデルを用いると等価変分や補償変分を比較的容易に求めることができることを示す.