土木学会論文集E
Online ISSN : 1880-6066
64 巻 , 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
和文論文
  • 丸屋 剛, 武田 均, 堀口 賢一, 小山 哲
    2008 年 64 巻 4 号 p. 500-514
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,コンクリート中の鋼材のマクロセル腐食回路形成を二種類の方法で再現し解析的な検討を加えたものである.一種類目の考え方は,コンクリート中の含水率を変化させてコンクリート自体の抵抗を変化させる方法であり,二種類目の考え方は,鉄筋をマクロに分割してそれらを電気的に切断・接続することで鉄筋自体の抵抗を変化させる方法である.これらの実験結果を,著者らが既に提案しているマクロセル腐食回路形成に関する解析手法,とくにマルチサーキットモデルにより計算することにより,ミクロセル腐食回路形成における自然電位の差によりマクロセル腐食回路が形成されることを明かにした.また,ひび割れ間隔がマクロセル腐食回路の形成に及ぼす影響についても解析的に明かにした.
  • 尾上 幸造, 松下 博通
    2008 年 64 巻 4 号 p. 515-525
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     液体浸漬によりコンクリートの静的圧縮強度が低下する原因を明らかとするため,応力-ひずみ曲線のヒステリシスの面積より算定されるひび割れ進展エネルギーに着目し,コンクリートの圧縮破壊過程に関するエネルギー的考察をおこなった.その結果,ひび割れ進展エネルギーは微細ひび割れ形成時の表面エネルギーと密接に関係しており,ひずみの増大にともなって累乗的に増加すること,さらにひずみ比が同一であれば供試体の含水率が高く浸漬液体の表面張力が大きいほど減少することが明らかとなり,液体浸漬によるコンクリートの静的圧縮強度の低下は微細ひび割れ形成時の表面エネルギーの低下に起因していることが示された.
  • 向後 憲一, 姫野 賢治
    2008 年 64 巻 4 号 p. 526-532
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     push-pull一軸疲労試験装置を使用して,アスファルト混合物の疲労限界の有無について検討した.疲労試験中の位相角の変化から疲労ダメージの増加がゼロとなるひずみレベルを推定し,その前後のひずみレベルで疲労試験を行った.疲労破壊回数が無限大となる疲労限界を実験により求めることは困難であるため,本検討では既往の研究で求めたスティフネスの変化率と破壊回数の関係を用いて,実験で得たスティフネスの変化から破壊回数を推定した.その結果,10°Cにおける密粒度アスファルト混合物(13)の疲労限界は20μm/m以上のひずみレベルには存在しないことを確認した.
  • 小澤 良明, 篠原 裕貴, 松井 邦人, 東 滋夫
    2008 年 64 巻 4 号 p. 533-540
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,FWD試験の時系列データを用いて構造評価するための新しい動的逆解析法(W-BALM)を開発することである.本方法の大きな特徴は,フォークトモデルで構成される粘弾性多層体に作用する衝撃荷重の波動伝播の理論解を順解析に組み込んでいることである.逆解析では,各層のフォークトモデルのパラメータの値を推定している.逆解析には打切り特異値分解を組み込んだGauss Newton法を用い,時間領域で解析たわみと測定たわみが一致するようにパラメータを決定している.実測データを用いて本理論で逆解析を行い動的逆解析ソフトウェアD-BALMで得られた結果と比較した.両者の結果は類似しているが,W-BALMの結果の方が初期値によるばらつきが若干少ない.
  • 秋山 充良, 松崎 裕, 佐藤 広和, 内藤 英樹, 鈴木 基行
    2008 年 64 巻 4 号 p. 541-559
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,塩害を受けるRC橋脚の耐震安全性を設計耐用期間内で確保するための耐震設計と耐久設計のあり方を信頼性理論に基づき検討したものである.具体的には,鉄筋腐食が生じたRC橋脚の耐震解析モデルを構築し,耐震解析に伴う不確定性を整理することで,健全RC橋脚と同等の耐震安全性(損傷確率)を有するとみなせる鉄筋腐食量の範囲などを検討した.次に,材料劣化の進展モデルに基づき,着目した各鉄筋腐食量に設計耐用期間内に到達する可能性を確率的に評価し,その確率値を許容値に抑えることができるかぶりを耐久信頼性設計により算定した.結果として,腐食ひび割れ発生点を限界状態とした耐久設計を行うことにより,設計耐用期間内の鉄筋腐食による耐震安全性の低下は無視でき,かつ合理的なかぶりの大きさを与えられる結果を得た.
  • 内海 秀幸
    2008 年 64 巻 4 号 p. 560-571
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     気体の吸着現象を表現するエネルギー収支式に,セメント系材料固有の空隙径分布特性を表現する数理モデルを導入することにより新たな吸着等温関係式を次式のように定式化した.
    V =ΩV0,

    Ω−ln(h)

     ここで,hは相対湿度,Vは相対湿度hに応じて定まる吸着量,V0は飽和吸着量であり吸着媒の全空隙量に相当する.また,特にΩは空隙径分布特性ならびに吸着質種と吸着温度にかかわる定数である.この式は硬化セメントペースト,モルタルに対する水蒸気吸着等温関係の幅広い相対湿度範囲を良好に表現することが可能である.
  • 西山 大三, 松井 邦人, 菊田 征勇, 東 滋夫
    2008 年 64 巻 4 号 p. 572-579
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     FWD試験データから舗装を構成する各層の弾性係数を推定することを逆解析と呼んでいる.通常,測定された荷重と表面たわみのピーク値を準静的な荷重とたわみとみなして逆解析を行い舗装各層の弾性係数を推定している.最近FWD試験の時系列データを用いた逆解析が注目されるようになってきた.動的逆解析では各層の弾性係数と減衰係数を推定している.
     本研究では,FWD試験で得られた時系列データから,各層の弾性係数,減衰係数を推定するだけでなく,同時に各層の密度を推定する方法を開発した.本論文では,その理論の妥当性を数値シミュレーションと実測データを用いて確認している.
  • 中村 敏晴, 松田 好史, 垣尾 徹, 北後 征雄, 宮川 豊章
    2008 年 64 巻 4 号 p. 580-594
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     発生が予想される大規模地震に備え耐震補強が進められている.耐震補強した柱が地震の影響により大きな損傷を受けた場合,損傷状況の把握および適切な補修や再補強が必要となる.しかし,大きな損傷を受けた柱の再補強後の挙動に関する研究は少なく,大規模地震発生後の対応に課題が残されている.本研究は,せん断破壊先行型の鉄道RCラーメン高架橋柱の縮小試験体を耐震補強して交番載荷試験を行い耐震補強効果の確認を行った後,コンクリートのひび割れや軸方向鉄筋の座屈などの大きな変形履歴を受けた同試験体を補修・再補強し,再補強試験体として再度交番載荷試験を行うことにより再補強後の挙動や変形性能等について実験的な検討を加えたものである.
  • 斉藤 成彦, 高橋 良輔, 檜貝 勇
    2008 年 64 巻 4 号 p. 601-611
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     鉄筋腐食の生じた構造物の維持管理では,点検より得られる外観変状からグレーディングを行い,構造性能を半定量的に評価しているのが現状である.また,鉄筋の腐食は構造物中で空間的なばらつきを有しており,鉄筋の腐食程度と耐荷性能との関係は明確に評価されていない.非線形構造解析を利用し,構造性能を定量的に評価することができれば,より合理的な対策の実施が可能になるものと考えられる.本研究では,鉄筋腐食の生じたRCはり部材を対象とし,鉄筋の腐食分布が耐荷性状に与える影響について解析的に検討を行った.RCはり部材の曲げ耐荷性状は最小断面積と付着劣化状態に大きく依存し,腐食分布特性が与えられれば,構造解析により耐荷力のばらつきの範囲を概ね評価できることを示した.
  • 山本 佳士, 中村 光, 黒田 一郎, 古屋 信明
    2008 年 64 巻 4 号 p. 612-630
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     3次元剛体バネモデルによりコンクリートの圧縮破壊挙動を定量的に再現することを目的とし,同手法の構成モデルの検討と材料パラメータの同定を行った.その結果,垂直バネの引張側に引張軟化挙動を,圧縮側に逆S字形の非線形挙動を,せん断バネにモール・クーロン型の降伏基準と軟化をモデル化することにより,1軸圧縮下におけるコンクリートの軟化・局所化挙動および高拘束圧領域に至るまでの多軸効果による強度増加,体積変化挙動を妥当な精度で再現できることが分かった.
  • 村上 祐貴, 大下 英吉, 鈴木 修一, 堤 知明
    2008 年 64 巻 4 号 p. 631-649
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     本研究では,曲げ破壊先行型RC梁部材において鉄筋腐食が残存耐力性状に及ぼす影響評価を実施するため,主鉄筋の応力伝達や抜出し抑制に対するせん断補強筋や定着筋の効果に着目した実験を実施した.引張主鉄筋が比較的均一に腐食した場合,せん断補強筋の定着領域の残存量が十分であれば,その拘束により引張主鉄筋の付着が保持され曲げ破壊を呈する.一方,せん断補強筋の定着領域がその性能を発揮できない程に過度に腐食した場合には主鉄筋の定着領域まで荷重が伝達され,主鉄筋の定着性能が残存耐力性状に極めて支配的な影響を及ぼす.また,作用モーメントの大きい領域で主鉄筋が局所的に腐食を生じた場合,その領域において変形が局在化し,せん断補強筋の腐食程度によらず曲げ破壊性状を示すことが明らかとなった.
  • 油野 邦弘, 石井 光裕, 加地 貴, 橋本 親典
    2008 年 64 巻 4 号 p. 650-667
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     石炭火力発電所から発生する石炭灰の有効活用のため,フライアッシュI種を吹付けコンクリートの混和材として使用し,吹付け時の粉じんを低減し作業環境の改善を図る研究を行なってきた.その結果,フライアッシュI種を細骨材置換で使用することにより,ベースコンクリートの単位水量が減少し,材料分離抵抗性が向上することを確認した.また,模擬トンネルと実トンネルで行った吹付け試験により,フライアッシュI種を標準で100kg/m3細骨材置換して使用することにより,吹付け時の粉じんとリバウンド量が低減し良好な施工がなされるとともに,吹付けコンクリートの強度発現が,初期材齢から長期材齢にわたって良好に向上することを確認した.
  • 早野 公敏, 前川 亮太, 野口 孝俊, 阿部 長門, 平山 和幸
    2008 年 64 巻 4 号 p. 668-682
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     空港アスファルト舗装の点検診断技術の高度化を目指して舗装体内部の残留水を検知するために,試験舗装を新たに構築し,光ファイバ水分検知センサによるモニタリングと電磁波レーダによる探査を試みた.その結果,試験舗装内部の排水性アスファルト混合物層における残留水発生および排水に伴う残留水消失に対して,埋設した光ファイバ水分検知センサは良好な応答を示した.また舗装表面から電磁波を送信させ,舗装内部からの反射波を受信して反射時間を算出したところ,残留水の存在により平均して反射時間が約10%増加した.コンクリート床板のように電磁波の反射面として着目すべき層の境界が明確に存在する場合,反射時間が選定し易く,電磁波レーダ探査による残留水検知は有望であると考えられる.
  • 渡邉 真史, 田中 泰司, 下村 匠
    2008 年 64 巻 4 号 p. 683-697
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     せん断スパン比(以下,a/d)が小さいディープビームでは,定着部の破壊や載荷点および支点部の支圧破壊がせん断破壊よりも先行して起こり,寸法効果が顕著に現れる可能性がある.一方で,定着破壊や支圧破壊が起こらない水準においては,寸法効果の程度が小さくなることが既往の研究より報告されている.本研究では,斜めひび割れ発生位置と支圧面積が寸法効果に与える影響を実験的に検討し,寸法効果の感度と支圧破壊が起こる場合の条件について考察を行った.この検討をもとに既往のせん断耐力算定式を修正し,ディープビームの耐力評価式を新たに提案した.この提案式を用いて既往の研究の実験データを評価し,提案式の妥当性を検証した.
  • 木之下 光男, 齊藤 和秀, 名和 豊春
    2008 年 64 巻 4 号 p. 698-704
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     コンクリートの耐久性を改善する化学混和剤の開発を目的として,収縮低減性能を兼ね備えた一液タイプのハイブリッド高性能AE減水剤2種類(HSP1及びHSP2)を試作し,普通強度から超高強度に至る広範囲な強度のコンクリートを対象にその諸性質を実験的に調べた.その結果,従来の高性能AE減水剤に比較して普通強度用HSP1は約15%程度の乾燥収縮低減効果を示し,高強度用HSP2は約20∼35%程度の自己収縮低減効果を示した.同時に,凍結融解抵抗性及び中性化抑制の性質についても良好な耐久性能を備えていることを確認した.
  • 桃谷 尚嗣, 丸山 修, 関根 悦夫, 高橋 貴蔵
    2008 年 64 巻 4 号 p. 705-715
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     土構造物上にスラブ軌道を敷設する場合,コンクリート路盤を介して軌道スラブを設置する.スラブ軌道は大きな沈下が生じると保守を行うことが困難であるため,これまで軟弱な粘性土路床の上にはスラブ軌道を敷設することができなかった.しかしながら,東北新幹線の七戸付近において比較的軟弱な粘性土路床の上にスラブ軌道を敷設する必要が生じたことから,荷重分散効果に優れた一体型RC路盤を適用することを検討した.本研究では詳細な地盤調査を行った上で,起振機による繰返し載荷試験および有限要素解析を行い,一体型RC路盤の変形特性について詳細な検討を行った.その結果,一体型RC路盤を用いることで粘性土地盤上においてもスラブ軌道の敷設が可能であることが確認された.
英文ノート
  • Kai SU, Yoshitaka HACHIYA
    2008 年 64 巻 4 号 p. 595-600
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    With the current trend toward using Superpave for asphalt mixture design, a study was carried out to assess the possibility of implementing the Superpave mix design procedure for use in airfield. The results were reported in this paper, which begins with a review on the primary differences in the Superpave and Marshall methods. Following this, four asphalt mixtures corresponding to different maximum aggregate particle size (MAPS) are designed by the Superpave mix design procedure, and the normally used medium gradation mixture for each MAPS is designed by the Marshall method. Then, the Superpave mixtures are quantitatively assessed in rutting resistance by wheel tracking tests compared with the Marshall-designed medium gradation mixtures. Results indicate that the Superpave mixtures give superior rutting resistance to Marshall mixtures. So it is preliminarily concluded that the Superpave mix design method offers a promise for use in heavy-duty pavements in airfield instead of Marshall method.
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