本論文では,130N/mm
2程度の圧縮強度を有し,鋼繊維を最大で1.6vol.%で混入した高性能繊維補強モルタルを適用したRC部材の変形特性とひび割れ性状の把握を目的に,両引き試験およびそれに対する数値解析を実施した.実験より,鋼繊維の混入率が高いほどひび割れ荷重や降伏荷重が向上し,ひび割れ分散性が高まるとともに,テンションスティフニングの効果も増加した.しかし,鋼繊維が同混入率であっても配向性の違いでその効果が低下することも明らかとなった.また,これらのRC部材の一軸引張挙動を数値解析的に把握することを目的に,材料特有の引張軟化特性を考慮した2次元剛体バネモデル解析手法を開発し,本解析法が所要の精度を有することを確認した上で,平均ひび割れ幅の評価法を検討した.
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