土木学会論文集H(教育)
Online ISSN : 1884-7781
70 巻 , 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
和文論文
  • 石原 凌河, 松村 暢彦
    2014 年 70 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     本稿では,既往の防災教育教材について,教材の対象者,教材の目的,教材の対象とする減災対応の時期区分の視点から整理し,その視点を考慮した生活防災を題材とした防災教育教材とそれを用いた学習プログラムを開発した.そして,実際に阿南市立椿町中学校で実施し,その有用性について生徒の感想から把握した.その結果,多くの生徒の感想から,他者や地域への配慮した生活を送ることへの意欲,生活防災に資する行動を考えて日常生活の中で実践していきたいという意志,生活防災に資する行動への理解について確認することができた.その一方で,授業中に提示した以外の生活防災に資する行動について考えることや,防災に対する技能を身につけることが難しいため,他の防災教育教材と組み合わせる必要があることが課題としてあげられた.
  • 長谷川 明, 竹内 貴弘, 阿波 稔, 金子 賢治, 鈴木 拓也, 迫井 裕樹
    2014 年 70 巻 1 号 p. 13-27
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     青森県では,地域特有の課題に対応できる土木技術者の継続的な人材育成のために,産官学連携による土木系教育に関する研修会を5年間行ってきた.本論文では,本活動の背景と経緯,取り組みの新規性および有用性について述べるとともに,活動状況を整理し得られた成果等について示した.これらの結果より,主に以下のような結論を整理した.土木に対する理解度アンケートの結果,土木の仕事への理解および興味が市民には十分に伝わっていないことから,情報発信の必要性を共通認識した.青森土木フォーラムでは,地域性を考慮したテーマ設定をすることにより市民の土木に関する理解度が高まってきた.また,産官の意見を元に授業に実社会との関連が深い内容の導入やエンジニアリング教育の導入など,大学・高専・高校の教育改善活動の推進に役立った.
  • 吉本 憲正, 牧原 貴之
    2014 年 70 巻 1 号 p. 28-36
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/19
    ジャーナル フリー
     実験実習は,技術者として重要な知識・技術を学ぶ重要な機会である.しかしながら,面的・時間的制約のため,十分な学習システムが構築されていない.本稿は,それを補うためのe-Learningを活用した効率的な学習システムの構築の試みについて報告する.
     クイズ形式の予習を導入したことにより,学生の予習への取り組み姿勢が改善された.実験結果の整理に関して,データシートのセルフチェックシートを導入することでレポート作成の効率化が図られ,効率の良い学習につながっていることが明らかとなった.それにより,結果の考察に時間を費やせており,理解の促進につながっているといえる.また,せん断試験をよく理解するためには,掲示板を利用したディスカッションが効果的である.
  • 岡島 賢治
    2014 年 70 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     戦後多く整備されてきた土木施設は,現在日常的に存在し,また適切な管理が行われない場合にはその存在が失われる危険性を有している.このような性質は,現在環境教育で取り扱われている地球環境や生物多様性とほぼ同様の性質を持っている.筆者は近い将来これらの土木施設も環境の一部として認識され,環境教育の中で取り上げられるべきものと考えた.そこで,近い将来次世代を育成する立場に立つ教育学部の学生が現在,“環境”,“土木”という言葉にどのように印象をもつかを明らかにするアンケートを実施した.アンケート結果,教育学部学生には“土木”という言葉がほとんどに認知されておらず,“土木”の印象も“労働”に偏っていること,“環境”のイメージは初等中等教育において体験した環境教育と強くリンクしていることが明らかとなった.
  • 中澤 里, 岩瀬 裕之, 小林 孝一, 六郷 恵哲
    2014 年 70 巻 1 号 p. 44-53
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     著者らは,鉄筋の腐食機構に対する学生の理解度を高めることを目指し,中性の水性ゲルを利用した鉄筋腐食の可視化教材を作製した.本研究では,この教材を用いて鉄筋切断面,曲げ加工部といった欠陥部にて他の部分に優先して腐食が生じることを可視化した.また,塩分添加がゲル内の鉄筋の腐食に与える影響について検討したが,その際,ゲルのpHの測定,および自然電位の測定により鉄筋の腐食評価を行った.さらに,ゲルとモルタルとで構成される二層供試体を作製し,この供試体の両面の自然電位を測定した.以上から,可視化教材の実現象との対応を検討した.
  • 谷口 綾子, 宮川 雄貴, 石田 東生
    2014 年 70 巻 1 号 p. 54-64
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,2010年8月に開通したかしてつバス導入経緯に着目した物語を整備関係者・利用者へのインタビューより作成し,職員教育の一環として沿線自治体職員にその物語の読了を要請することで,物語が自治体職員の地域愛着に与える効果を把握した.物語の効果計測調査では,物語を読む群,物語と同一の内容を年表にまとめた資料を読む群,統制群の3群を設定し,群間や物語の評価の高低により地域愛着等に差があるかを分析した.その結果,物語を高評価した人はバスへの愛着が高く,バス利用意図も高いことが定量的に示された.さらに,資料群の感想は即物的・個別的内容に限られたが,物語群の感想は,公共交通の大切さや人と人とのつながりの大切さといった普遍的な記述が多いことが示され,物語読了の効果を質的に把握することができた.
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