土木学会論文集H(教育)
Online ISSN : 1884-7781
73 巻 , 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
和文論文
  • 松本 美紀, 安田 雅人, 阪田 和哉
    2017 年 73 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
     大学では,社会人において求められる人材教育としてキャリア教育に取り組んでいるが,どのような支援がそういった人材育成に影響を与えているかについてはほとんど明らかにされていなかった.本研究で,土木工学系の学生を対象として,社会人において求められる社会人基礎力に対する学生自身の自己評価を,何を規定因として高めることが可能なのかについて調査分析したところ,学生の専攻に応じた就職情報の提供や教員による個人面談などが規定因であることが明らかになった.本稿では,これらの結果をもとに,社会人において求められる社会人基礎力を大学教育の中でどのように支援していくことができるのか,その課題について検討している.
  • 関 晃伸, 安納 住子
    2017 年 73 巻 1 号 p. 12-21
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,開発教育及び参加型学習を取り入れたワークショップを高校のGIS教育の授業の一環で実施し,性格別による学習者のつまずきの特徴を明らかにした.解析の結果,ワークショップ前後で複数の性格の学習者にGISの印象が好転している事が明らかとなった.また,因子分析及びテキストマイニングの結果では,意見を述べる事並びに調査・発表につまずいている事が明らかとなった.特に活発的な性格の学習者(FC-HI)は学習方法における言葉の理解につまずいており,いい加減な性格の学習者(CP-Low)は発表につまずいている事が明らかとなった.
  • 土崎 伸, 松村 暢彦, 神田 佑亮, 岡本 英晃, 加賀 有津子
    2017 年 73 巻 1 号 p. 22-33
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/20
    ジャーナル フリー
     近年各地でモビリティ・マネジメント教育が実施されているが,自治体が教育面の効果にも配慮し的確に踏み出すための方法が明確にされていないこと等が依然課題である.これを踏まえると,一般に実施されているプログラムの中長期の効果特性を踏まえた導入方法等の知見の整理が求められる.そのため本稿では,小学校で複数のプログラムを継続展開している京都府久御山町での中学生アンケートから,交通行動・教育それぞれの面で期待される効果の比較分析を実施した.その結果,実体験が記憶に残りやすく効果が高まること,交通を題材に自分と地域のつながりを学ぶような社会性の強い学習が公共交通や地域愛着,道徳意識を高め得ること,地域のバス等に焦点を当てた学習で認知が深まり行動へ影響し得ること等を把握し,MM教育導入時の留意点を整理した.
  • 角野 晴彦, 青木 舞, 山田 剛史, 川上 周司, 山口 剛士, 高橋 利幸, 山田 真義
    2017 年 73 巻 1 号 p. 34-42
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/20
    ジャーナル フリー
     ICT利用と共同実験による複数校型のPBLを提案した.本PBLの設計には,課題に環境と先端性を取り入れ,加えていくつかの設計項目に事前に行った実務者の課題解決過程の調査結果を取り入れた.本PBLの序盤のWeb会議形式の打合せでは,終盤の共同実験より,人と関係する力が育成できることが示唆された.Web会議形式の打合せは,学生,教員ともに特有の要点があったとしていたが,具体的に特定できなかった.教員が評価した班ごとの実験手法の習得の達成度は,達成できた・やや達成で100%であった.本PBLは,実験手法の習得に有効であった.実験手法の役割・用途の理解の達成度は,未達成の割合があった.本PBLは,一度の遠征を入れた授業や短期研修として運営可能であり,人と関係する力等の新しい教育効果と高い実現性を期待できる.
  • 菊 雅美, 渡邉 和也
    2017 年 73 巻 1 号 p. 43-52
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/20
    ジャーナル フリー
     実験・実習は座学で学んだ理論を体得する重要な機会である.しかし,実験内容を十分に理解しないまま実験に臨んだり,計測結果に対する考察を単なる人為的な計測ミスに留めたり,期待する効果を得るような実験が実現できているとは必ずしもいえないのが現状である.そこで,本研究では,水理実験本来の目的である学生の主体的・能動的な学びによる基礎知識の定着を実現するため,LMSを利用して水理実験用の教材を開発した.そして,実際に学生実験にて利用してもらうとともに,学生アンケートや予習クイズへの回答状況,実験時の様子から,開発した教材の評価を行った.その結果,開発した水理実験用の各種教材は,実験における学生の主体的・能動的な学びの促進に有効であることを示した.
  • 柳原 捷吾, 羽鳥 剛史
    2017 年 73 巻 1 号 p. 53-66
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/20
    ジャーナル フリー
     現在,電力需要の増加により,電力不足や地球温暖化への影響が懸念されている.こうした背景の中,小中学校の児童を対象にして節電教育の導入が図られているが,従来の取り組みでは実際の節電行動の促進につながっていないといった課題も指摘されている.そこで,本研究では,小学校の児童を対象にして,社会心理学における行動プラン法を活用した環境教育プログラムを設計・実施し,家庭における節電行動の促進に及ぼす効果を検討することを目的とした.この目的の下,松山市内の新玉小学校の5年生とその保護者を対象に環境教育プログラムを実施した.その結果,本プログラムを通じて,家庭内の節電行動が促進され,プログラム実施後も節電行動が継続する傾向が確認された.
  • 横山 薫, 田井 政行, 小西 拓洋, 三木 千壽
    2017 年 73 巻 1 号 p. 67-75
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/20
    ジャーナル フリー
     平成26年7月1日に施行された道路法施行規則の一部を改正する省令により,橋長2.0m以上の橋,高架の点検は近接目視による5年に1回の定期点検が基本となった.一方で,鋼橋の経年劣化の一つである疲労き裂は初期段階では微細であるため,点検時に見落とされることも少なくない.本研究では著者らがこれまで収集してきた実橋に発生した鋼橋の疲労損傷事例をもとに,近接目視すべき部位を学習できる教育ソフトを開発した.開発した教育ソフトをインターネット上に公開し,利用者がウェブブラウザを用いて利用できる環境を整備した.更に開発した教育ソフトを用いて,点検に関する講習会を行い,講習会後のアンケート調査により,開発した教育ソフトの有用性の把握を行った.
  • 加藤 久人, 三好 崇夫, 玉田 和也, 山口 隆司
    2017 年 73 巻 1 号 p. 76-90
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/20
    ジャーナル フリー
     近年,はりのそりねじり理論は,大学,高専等で開講される構造力学では殆ど取り扱われず,技術者にとっては難解であるとの思い込みがある.そこで,本研究では,そりねじり理論に関する新たな教育プログラムを開発した.これは,初等の構造力学で学習済みのはりの曲げ理論に基づいて,折れ板構造の曲げ挙動とそりねじり挙動の関連性がビジュアルに理解できるように説明したテキストと,双方向型の学習方法を取り入れた講義から構成される.同プログラムの被験者へのアンケート調査結果によれば,良好な教育効果,適切な理解度が得られていることが分かった.
  • 赤松 良久, 河野 誉仁, 乾 隆帝, 神谷 大介, 高田 一樹
    2017 年 73 巻 1 号 p. 91-100
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/20
    ジャーナル フリー
     河川における環境学習において,フィールド学習ではとらえることが難しい現象を理解したり,俯瞰的な観点から河川流域環境を理解するには,動画や効果的な可視化を使った魅力的な環境教育コンテンツが必要である.そこで,AR技術と3D模型を用いた河川流域の環境を俯瞰的に理解するための新たな教育コンテンツを開発した.AR技術によって,中国地方の4つの一級水系の流域の立体模型図の上に各流域の標高,土地利用,水質,魚類データを重ね合わせて表示することが可能となった.
     さらに,高校生を対象としたアンケート調査によって,この教育コンテンツは説明者にとっても説明しやすく,聞き手にとっても「流域」という概念および「河川環境」を理解するために有効であることが示された.
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