土木学会論文集H(教育)
Online ISSN : 1884-7781
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和文論文
  • 新保 泰輝, 寺山 一輝, 越野 亮, 沖野 浩太朗, 荒木 光一, 吉田 龍史
    2022 年 78 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/20
    ジャーナル フリー

     頻発激甚化する自然災害による被害を低減するためには住民自らが常日頃から災害渋滞時の避難行動を学習し,適切な避難経路を考える必要がある.本研究では,災害時に生じる渋滞を考慮した避難経路を学習できる「防災すごろく」のアプリケーション(アプリ)を開発した.本アプリではランダムな出発点から避難所に向かう間に豪雨,火災,渋滞の発生に伴う避難方法や避難経路の変更を学ぶことができる.また,ゲーム性を考慮し,グループ同士で得点を競うことや防災クイズを実施することで学習意欲の向上を図った.更に,災害疑似体験ならびにゲームに対する慣れを軽減するためにVRコンテンツを用いた災害表現を行っている.本アプリによる防災教育を行い,アンケートを実施した.その結果,本アプリの学習効果が示されると共に課題も明らかになった.

  • 宮原 史, 堤 盛人
    2022 年 78 巻 1 号 p. 20-37
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/20
    ジャーナル フリー

     社会資本の整備や維持管理を支える土木技術者の力量,すなわち技術力は,学校教育や研修のみならず様々な業務上の経験を通じた学習によって向上すると考えられる.しかし,これまでのところ,土木技術者の技術力と“経験”の関係については十分な考察がなされていない.土木技術者の戦略的な人材育成を実現するためには,様々な経験の技術力向上効果を明らかにするとともに,経験を人材育成のシステムに組み込む方法を確立する必要がある.本研究ではその手始めとして,道路構造物を維持管理する技術力の向上を目的とした地方整備局職員の研究所への出向経験に着目し,インタビュー結果の分析に基づき経験を通じた学習内容と技術力向上効果を整理する.また,これらの整理を踏まえて,経験を人材育成のシステムに組み込む方法論を提示する.

  • 松下 文哉, 谷島 諒丞, 小澤 一雅, 永谷 圭司
    2022 年 78 巻 1 号 p. 38-52
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/20
    ジャーナル フリー

     i-Constructionが目指す生産性向上の実現のためには,オープンイノベーションの取組みが重要視されている.本研究では,建設現場の生産性向上に向けたイノベーションを創出することを目的に演習プログラムを開発する.この演習プログラムでは実際の施工現場を模擬したモデル現場における施工計画,施工の疑似体験が可能であり,必要な制約条件を設けることによって受講者のイノベーションの創出を促す.また演習用に自動掘削ショベルを開発し,施工計画の中で自動化する範囲を検討し施工に組み込むことを可能とした.さらに,開発した演習プログラムを東京大学工学系研究科において実践し,この結果を分析しその有効性を確認する.

  • 一ノ瀬 広樹, 五艘 隆志
    2022 年 78 巻 1 号 p. 53-72
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,我が国建設企業の海外進出のため,「いずれ海外建設プロジェクトに参画するが,今現在は国内で勤務中の,我が国建設産業・組織で働いている『建設技術者』の契約管理能力を向上させる」ことを目的に,まず建設マネジメント教育に関する国内外の大学・団体の現状を主にシラバスから調査した.その結果,網羅的な建設マネジメント教育を実施できているのは,ほとんどないことが確認された.更に実務者を対象とした,企業・組織内教育プログラムの必要性,需要に関するアンケート調査を行った.その結果,網羅的な建設マネジメント教育の必要性は強く認められているものの,そのプログラムの教育時間については,大きく意見が分かれていることが確認された.これらの結果に基づき,契約管理能力向上を志向した教育プログラムの試案を構築した.

  • 木下 義昭
    2022 年 78 巻 1 号 p. 73-92
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/20
    ジャーナル フリー

     我が国の橋梁のうち約7割は市町村道にある.市町村は職員の技術力不足や財源不足を抱えており,1巡目点検施設の修繕実施状況は,措置の完了率が35%に留まっている.市町村の職員は,管理者として橋梁メンテナンスサイクル(点検-診断-措置-記録)の全てに関与する責務があるため技術力向上が急務である.本稿では,職員の技術力不足を抱える地方公共団体のうち玉名市役所を事例とし,本市独自の橋梁補修DIYの実践による外業のOJTにより,市職員の技術力向上を図る職員育成について述べる.さらに,記録の高度化を図る目的として,本市独自の橋梁別総括表を作成する中で実践する内業のOJTを示す.これらのOJTによる職員育成が,現場での技術力向上に寄与するとともに,コスト縮減の見える化により市職員の意欲創出に繋がることを示す.

和文報告
  • 黒崎 弘司
    2022 年 78 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/20
    ジャーナル フリー

     近年,UAVは様々な工業分野での活用が提案され,工業高校生にとっても関心が高い存在である.しかし,重量200g以上のUAVは,その飛行場所が人口集中地区である場合,航空法により,10時間以上の飛行経験と,国土交通省からの飛行許可が必要である.さらに,UAVは墜落時には深刻な損傷を受ける可能性があり,人や物との衝突が発生した場合には,大きな責任を負う.このような理由により,生徒が手軽にUAVを飛行させることは難しい.そこで,著者は,ICTの援用により,いわゆるトイドローンと呼ばれるUAVを使用し,UAVの土木工学的な活用の学習法を構築した.このUAVは,軽量,かつ安価で,航空法による規制を受けない.本報告では,この学習法による実践例について述べる.

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