広島県内郊外地域の分流式下水道を対象として下水処理場へのPAHsの流入負荷および処理場内での動態を通年調査した.調査した16PAHsの流入,流出濃度はそれぞれ218, 42.9 ngL
-1であり,特徴的な日/週変動は見られなかった.一方,一週間程度またはそれ以上継続する変動が見られた.処理場内では半分程度が消失し,のこる半分程度は放流水および汚泥へそれぞれ同程度移行すると考えられた.既往の研究と比較すると観測された流入濃度および負荷量は小さいレベルであった.分流式下水起源のPAHsの水環境中への寄与は小さいと考えられた.
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