土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
69 巻, 3 号
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和文論文
  • 郝 愛民, 久場 隆広, 井芹 寧, 張 振家, 康 彩霞, 劉 玉賢, 原口 智和
    2013 年69 巻3 号 p. 97-104
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/19
    ジャーナル フリー
     本研究は中国太湖の富栄養化軽減策の立案に資するため,東太湖,梅梁湾及び西部沿岸で水質と生物相を調査した.梅梁湾と西部沿岸ではChl.a,濁度,T-N,T-P の差が地点によって大きく,全体的に過栄養状態であり,東太湖では比較的低い値であった.梅梁湾ではClh.aとT-N,T-Pとの間に高い正の相関性があり,アオコの発生と栄養塩濃度の関連性が認められた.水生植物群落は合計12種で,東太湖で12種,梅梁湾で2種,西部沿岸で1種が確認され,東太湖では沈水植物が6種で優占した.東太湖と梅梁湾ではシアノバクテリアは計10種,植物プランクトンは珪藻21種,緑藻20種の計41種が確認され,東太湖ではその内41種が確認された.多種の沈水植物群落がみられる東太湖では植物プランクトンの種数も多く,生物多様性が高くなることが示された.
  • 藤長 愛一郎, 米田 稔, 池上 麻衣子
    2013 年69 巻3 号 p. 105-114
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/19
    ジャーナル フリー
     本研究では,2011年3月の福島第一原発事故で土壌や建物,植物などに沈着・吸着した放射性物質(主にセシウム134と137)に関して,食物や土壌による内部被曝,および外部被曝をそれぞれ加算し,1年間の摂取や曝露による生涯の被曝線量を求めた.経路ごとに比較してみると,土粒子の経口と吸入による摂取量が無視できる程度となり,食品摂取と地表面からの外部被曝による被曝線量が比較的多い結果となった.食品を加えた総合の被曝線量を1 mSv/y以下に抑えるためには,今回の事故由来の空間線量を0.2 μSv/h程度にする必要性が示唆された.今回提示した様に土地用途に基づく,ケースごとのリスク評価をすることで,除染やリスク管理の優先順位を決定することができ,合理的な対策を選定するための手法を提示することが可能になると考えられる.
  • 鈴木 慎也, 立藤 綾子, 松藤 康司, 山本 和夫
    2013 年69 巻3 号 p. 115-125
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/19
    ジャーナル フリー
     従量制有料指定袋を導入している福岡市南区A町の戸別収集地点の利用世帯を対象に,夏季における搬出ごみ袋の容量・搬出数の調査とばねばかりによる重量の実測調査をもとに,ごみ袋密度と世帯あたりごみ搬出量の解析を行い,春季の調査結果との比較により,ごみ搬出行動の季節による違いを明らかにした.その結果,1.2(kg/世帯・日)程度のごみ搬出量の世帯に限り,夏季において生ごみ等の腐敗による悪臭の発生を恐れ,30L入りごみ袋などのより容量の小さいごみ袋を使用し,搬出日によっては2袋以上搬出する世帯が確認された.ごみ袋密度の解析結果から,30L入りごみ袋では容量を十分に使い切れずに少なめの詰め込み具合で搬出されたものが多く,一部の住民に対し不公平感をもたらし兼ねないため,ごみ袋の容量設定には注意が必要である.
  • 米田 稔, 佐藤 昌哉, 松井 康人, 島田 洋子
    2013 年69 巻3 号 p. 126-136
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
     福島県での現地調査により土壌中の放射性セシウムの移動性は低いことが,さらに,乾湿サイクル試験により土壌中の生物利用可能な放射性セシウム量は時間経過とともに減少することが示された.また,移流分散方程式と点減衰核積分法を用いて,土壌中の放射性セシウムに起因する空間線量の経年変化を推定するモデルを構築した.この際,土壌中の放射性セシウムの分配係数が2段階に変化するモデルによって,土壌中の放射性セシウム分布と,空間線量のモニタリング値の推移を良く表すことができた.このモデルを用いると,平坦な市街地における空間線量は2011年8月の2年後には50%以下になることが,また,1μSv/hの地点であれば10年弱経過すれば0.19μSv/hまで減少することが予測された.また,除草の影響は大きくないことが推測された.
  • 高部 祐剛, 津野 洋, 西村 文武, 日高 平, 丸野 紘史, 谷井 信夫, 鶴川 正寛, 松村 千里
    2013 年69 巻3 号 p. 137-156
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/20
    ジャーナル フリー
     濃縮経路を水もしくは餌を通じてのものに分け,また二枚貝の成長を考慮したPOPs濃縮モデルを構築した.ヤマトシジミを用いての浮遊物質濃度を変化させた室内曝露実験からモデルの諸係数を算出した結果,水からのOCPs吸収効率が概ね1となり,対象物質の濃縮係数を主として支配する因子は排出速度定数であることが提示された.浮遊物質濃度が1.20 mgC/Lから8.52 mgC/Lに上昇すると,logKowが6程度の物質の濃縮係数が1オーダー減少することが分かった.モデルを用い,実環境中でのシジミ類中濃度変化を再現できたことから,モデルの実環境への適用性が示された.また,このモデルにより,ムラサキイガイの殻長の増加と成長障害が再現され,ムラサキイガイ中PCBs濃度の計算値は実測値を表現できていることから,本モデルの妥当性が提示された.
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