土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
69 巻, 4 号
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和文論文
  • 谷川 大輔, 久保田 健吾, 佐瀬 信哉, 珠坪 一晃, CHEN Sau Soon , YUNUS Mohammed Faisal Moh ...
    2013 年 69 巻 4 号 p. 157-165
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
     マレーシアのパームオイル製造工場において,パームオイル工場廃液(POME)を処理するラグーンから発生するメタンガスの放出量を測定した.調査対象のラグーンシステムは,前段処理として2つの酸生成ラグーン(酸生成ラグーン1, 2),後段処理として2つの嫌気性ラグーン(嫌気性ラグーン1, 2)から成り,システム全体のCOD除去率は96.7%であった.前段処理の酸生成ラグーンでは,糖類等の易分解性有機物の低分子化および,脂質等の難分解性有機物の分離が確認された.後段処理の嫌気性ラグーン1では,有機物分解に伴いメタンが生成され,その生成速度は6,710 Nm3/dとなり,酸生成ラグーン2の19倍の速度であった.嫌気性ラグーンにおけるメタン生成速度は,廃液流入口の近傍で高く,廃液の流下に伴い低下した.
  • 青木 宗之, 瀬崎 薫貴, 福井 吉孝
    2013 年 69 巻 4 号 p. 166-182
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,流量(流速)の増減に対する魚の行動を明確にすることである.同時に,杭水制が魚の避難場になり得るかについても着目した.そこで,杭水制を設置した複断面開水路を用いて模型実験を行った.流速急増時,43.3(%)の魚が壁際や杭水制内へ退避した.杭水制内に退避した魚はその場に留まることができ,杭水制を避難場として利用した.一方,壁際に退避した魚は流れに押し流された.また,流速急増時に遡上する魚もいるが,減衰時での復帰遡上のほうが多かった.なお,高水敷に杭水制がある場合,乱れが(-pv`w`)増大し二次流が発達した.そのため,河岸浸食や河床洗掘が懸念される.さらに,高水敷に乗る魚の総個体数が多くなり,減水後,魚は高水敷に取り残されることが示唆された.
  • 山嵜 高洋, 石川 重雄, 長坂 貞郎, 笹田 勝寛, 河野 英一
    2013 年 69 巻 4 号 p. 183-195
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     印旛沼流域の低平地水田において,T-N(NH4-N,NO3-N,NO2-N,Org-N),T-P等の水質浄化を水管理と農地利用の相違から検討した.1)水田における灌漑用水の浄化は,灌漑用水濃度が高濃度の場合,灌漑用水量を多く必要とするが,連続的な浸透掛流灌漑が効果的であった.2)水田への流入水(灌漑用水)の水質濃度が高ければ浄化,逆に低くければ流出負荷量が勝り汚濁の排出となる.このことは,水田における水質浄化は流入水の濃度により左右されることを示し,本調査で浸透掛流灌漑を行うことで浄化機能が発揮されることを,より明確化できた.3)水田を畑に利用転換すると,還元状態で機能する脱窒作用が減少し,降雨によりNO3-Nが流出して,印旛沼(閉鎖性水域)の劣化を助長することが危惧された.
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