原生動物の捕食挙動解析のため,細菌への蛍光タンパク質遺伝子の導入を検討した.対象細菌はトリクロロエチレン汚染土壌の浄化に利用された実績のある
Cupriavidus necator KT1とし,捕食実験では水環境に広く生息する
Spumella属の鞭毛虫を捕食者として利用した.導入遺伝子は,緑色および赤色蛍光タンパク質遺伝子で,トランスポゾンによって,プロモーターと共にKT1株の染色体上に組込んだ.その結果,検討した全てのプロモーターによって,Cellレベルでの検出が可能となった.一方,蛍光タンパク質遺伝子の導入によるKT1株の性状変化や,捕食挙動への著しい影響は観察されなかった.また,形質転換体の中から捕食されにくい変異株が選出でき,2色の蛍光を利用した比較実験により,高い残存性が示された.
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