土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
73 巻, 4 号
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和文論文
  • 前田 真佐樹, 大西 暁生
    2017 年 73 巻 4 号 p. 143-158
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/20
    ジャーナル フリー
     東日本大震災では,膨大な災害廃棄物の発生により,迅速な救助活動の実施やその後の復興活動の妨げとなった.本研究では,近い将来に発生が予測されている南海トラフ巨大地震の災害廃棄物の発生量を把握する.対策を実施しない「BAUシナリオ」と,古い住宅を耐震化する「耐震シナリオ」,津波の浸水域内に立地する住宅を任意の割合で比較的安全な地域に移転する「撤退シナリオ」を設定し,その対策による災害廃棄物の発生量の軽減効果を検討する.本研究の対象は静岡県西部地域とし,2010年から2050年までを5年ごとに将来の社会状況下(人口,世帯,建築物の延床面積)を考慮した推計モデルを3次メッシュ単位で構築する.最終的には,このモデルを用いて,シナリオごとに地震または津波によって建築物から発生する災害廃棄物の発生量を把握する.
  • 山下 尚之, 福永 彩, 田中 宏明
    2017 年 73 巻 4 号 p. 159-171
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,細菌類のPseudomonas aeruginosaを用いた細菌増殖阻害試験の検討を行うとともに,医薬品類の毒性評価を行った.マイクロプレート内での細菌増殖を調べたところ,8時間程度の培養によって試験に十分な細菌増殖が得られた.また,マイクロプレートリーダーによる吸光度と細菌細胞濃度との間には高い相関が認められ,吸光度の測定によりマイクロプレート内での細菌増殖量を測定できることが示唆された.細菌増殖阻害試験による医薬品類の毒性評価の結果,テトラサイクリン系,アミノグリコシド系およびキノロン系抗菌剤については高い毒性が示されたが,βラクタム系抗菌剤については,毒性影響は見られなかった.また,解熱鎮痛剤や不整脈用剤など抗菌剤以外の医薬品類については,強い毒性影響は示されなかった.
和文ノート
  • 苗村 晶彦, 渡邉 善之, 小柳 信宏, 楊 宗興, 渡辺 幸一
    2017 年 73 巻 4 号 p. 172-176
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー
     首都圏に由来する汚染気塊の影響により,これと北接する福島県において光化学スモッグ注意報が発令されることがある.森林の物質循環に及ぼす大気の影響を調べるため,福島県中通りを流れる阿武隈川水系の源流域において,平水時のCl-濃度およびNO3-濃度を測定した.渓流水中のCl-濃度は,高い順に郡山,福島,西白河となった.首都圏の秩父多摩甲斐山岳域と比較すると,本調査値は標高の割りに郡山と福島でCl-濃度が高かった.NO3-濃度については,3地点の平均濃度が12.8 μMで渓流水へのリーチングが相対的に小さく,地点間の変動も小さかった.関東周辺の森林渓流水では高濃度のNO3-が観測されるが,福島県中通りにおいては関東地方の窒素飽和問題とは異なることが考えられる.
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