地下施設における吹付けコンクリート支保工が地下水水質に与える影響を明らかにするため,深度500mの花崗岩に掘削した坑道(容積約900 m
3)を閉鎖する実規模原位置試験を行った.閉鎖坑道内の水質観察,吹付けコンクリートの分析,それらに基づく水質再現解析の結果,portlandite, ettringite, amorphous silica, calcite, gibbsite, K
2CO
3, natron, bruciteもしくはnesquehoniteの溶解・沈殿反応が水質に影響する主要反応であると推察された.更に,坑道内に施工された吹付けコンクリートはportlanditeに飽和した地下水(pH12.4)を約570 m
3生成する反応量を持つと見積もることができた.これにより坑道閉鎖後の長期的なセメント材料の化学影響の予測解析確度が向上すると考えられた.
抄録全体を表示