土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
75 巻, 2 号
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和文論文
  • 李 星愛, 渋尾 欣弘, 古米 弘明
    2019 年 75 巻 2 号 p. 55-64
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー

     ストック活用の原則に基づく雨水排水施設の効果的な運用が求められているが,合理式に基づき整備された雨水排水網が豪雨に対してどのように機能しているか不明である.また,合流式下水道からの未処理水による環境への負荷が懸念される一方,雨水吐口からの汚濁物質の挙動を直接計測するのは困難である.そこで本研究では,鶴見川流域のポンプ排水区の雨水幹線に水位計を設置し,豪雨に対する雨水排水網における水位応答を観測するとともに,電気伝導度(EC)計を活用した下水中の汚濁物質の雨天時動態把握を試みる.観測結果から,降雨強度と管渠内水位の関係を回帰式で表すことで雨水幹線への越流判定を行えることが示された.さらに,雨天時水位上昇に連動したEC変動から,下水の希釈やファーストフラッシュの影響を検討できる可能性が示唆された.

  • 増田 周平, 竹田 壮太, 児玉 雅, PHAM Duy Dong , 岡野 邦宏, 宮田 直幸, 渡部 徹
    2019 年 75 巻 2 号 p. 65-74
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

     下水処理水を利用して酒造好適米の栽培試験を行い,玄米品質と安全性を評価した.その結果,酒造好適米に要求される基本的な品質は,粗タンパク質が低かったことを除き,概ね達成することができた.その上で,得られた玄米はカリウム含有量が高く,優れた醸造特性や清酒品質に結びつく可能性が示唆された.また水質浄化能の観点からは,窒素およびリンについて,中干し以前の高負荷条件では10∼20%程度,中干し以降の低負荷条件下では80∼90%程度の除去率が得られた.さらに,土壌においては問題となるレベルの重金属の蓄積はなかった一方で,肥効成分であるカリウム含有量が増加した.

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