土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
76 巻 , 6 号
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環境システム研究論文集 第48巻
  • 齋藤 隆成, 平井 千津子, 芳賀 智宏, 松井 孝典, 白川 博章, 谷川 寛樹
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_1-II_7
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     循環型社会の構築に向け,資源の蓄積・挙動を把握するための世界規模でのマテリアルストック・フロー分析が重要である.統計データの制約問題に対し,全球にて低コストで入手可能な衛星画像データの有効性が示唆される.近年,衛星画像解析の手法として,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が注目されている.本研究では,CNNを用いて夜間画像から建物延床面積を推計するモデル開発を行うことを目的とした先行的研究を行った.日本の三大都市圏(東京都市圏,大阪都市圏,名古屋都市圏)を対象範囲として,学習地域と推計地域を交代させ,延床面積を推計した.さらに,推計精度を検証した.大阪学習-名古屋推計では,名古屋都市圏全域の建物延床面積は450 million m2と判明した.

  • 渡辺 亮一, 浜田 晃規, 島谷 幸宏, 山下 三平, 森山 聡之, 田浦 扶充子, 角銅 久美子
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_101-II_107
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     2012年4月に福岡市内に完成した雨水利用実験住宅は,都市型水害により発生する内水氾濫を抑止する目的で建設され,これまで 8 年間運用されてきた.この住宅で観測された結果より,屋根に降った降雨を貯留することによって,下水道への雨水の流出を抑制することが確認され,同時にタンク内に貯留した雨水の水質が,生活用水としての使用レベルに十分に達していることが明らかとなった.また,過去に発生した大規模渇水時の降雨パターンにおいても,雨水の活用が十分に行えることが分かった.

  • 矢田谷 健一, 泉 完, 東 信行, 丸居 篤
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_109-II_114
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     海域からの接岸後に遡河を開始する成長段階と考えられるクロコ期のニホンウナギ(平均全長5.8cm)を対象に,遊泳実験を行った.本実験から得られた知見を以下に示す.1)クロコ期のニホンウナギの突進速度は,36cm/s~56cm/s(標準体長BLを用いて表すと6.4BLcm/s~10.0BLcm/s)であった.2)魚の頭部近傍の流速が概ね50cm/sを上回ると,わずかな前進も困難になると考えられた.3)流速39cm/s以下の条件では,30cm以上前進できた個体の割合が68%を上回った.4)実験結果より,日本国内の標準的な既設階段式魚道の多くは,全長6cm前後のクロコ期のニホンウナギにとって遊泳による通過が困難であることが示唆された.このことから,越流部等の高流速域に局部的な減勢措置を施すことや,クロコ期のニホンウナギのよじ登り行動を想定した遡上経路の確保が重要であることを考察した.

  • 熊谷 悠志, 上田 航, 井上 幹生, 三宅 洋
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_115-II_120
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     ニホンウナギは漁獲量が急激に減少しており,河川生活期の生態に関する知見を集積することが求められている.本研究は,愛媛県道後平野南部を流れる2河川でウナギとその餌資源である底生無脊椎動物の調査を実施し,これらの量的関係を解析することにより,餌資源量がウナギ生息量に及ぼす影響を把握することを目的とした.解析の結果,底生動物量の多い地点でウナギ生息量も多いことが明らかになった.この結果は,ニホンウナギ個体群の回復を目指す今後の保全活動において,餌資源となる生物の保全が有効であることを示唆している.ただし,上記の関係は河川によって異なり,餌資源量以外の環境要因がウナギ生息量の決定に関与している可能性も示されたことから,今後は広域的かつ多地点での調査を実施する必要があるものと考えられた.

  • 上月 康則, 山中 亮一, 岩見 和樹, 森田 海斗, 大谷 壮介, 橋上 和生, 田辺 尚暉, 齋藤 稔
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_121-II_127
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     本研究では,チチブの栄養段階に着目して,尼崎運河の環境改善の方法について調査研究を行った.その結果,チチブは付着藻類を起点とする底生系の食物連鎖の上位にあり,またチチブを食する大型魚類の存在も示唆された.そこで,環境改善策として,積極的にチチブを保全し,運河内に過剰にある栄養塩をより多くの生物に利用されるようにすることを考えることができた.実際にチチブの保全のためのすみかを作成し,現地実験をした結果,適当なすみかの創出には,空隙がコウロエンカワヒバリガイによって閉塞されないような工夫が必要であることがわかった.

  • 中久保 豊彦, 石川 百合子
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_129-II_140
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     生活雑排水に含まれる代表的な化学物質であるLAS,AEを対象として,汚水処理率の改善がどの程度生態リスクの削減に寄与するのかを解析するための方法論を構築した.本研究では群馬県汚水処理計画を対象としたケーススタディを行い,河川水中濃度の推計にはAIST-SHANEL Ver. 3.0を用いた.現状シナリオ(県全体での汚水処理率71.9%)に対し,2030年度のシナリオA(同76.1%,下水道等接続率の向上のみを反映),シナリオB(同89.2%,合併処理浄化槽への更新も反映),2040年度のシナリオC(同100%)を設計した.各シナリオでの河川水中濃度の推計,生態リスク評価指標(potentially affected fraction of species, PAF)に基づく評価を行うことで,汚水処理率の改善に伴う生態リスク削減効果を明らかにした.

  • 山中 亮一, 宮内 尚輝, 上月 康則
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_141-II_152
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     尼崎運河における生態系サービスを活用した様々な環境改善の取り組みを対象に,社会的インパクト評価としてSROIの算定を試みた.また,SROIの議論として近年,感度分析による信頼性評価の必要性が提案されていることから,SROIの算定に必要な金銭代理指標,アウトカム指標(時間,人数など),寄与率について複数の候補を文献値などから設定し,SROIとして取り得る値の範囲(変動幅)を求めた.

     その結果,尼崎運河の2017年度の環境改善の取り組みのSROIは0.85から3.49までの変動幅が見込まれた.また感度分析の結果より,本事例に対しては,金銭代理指標によるSROI算定値の変動幅の変化が最も顕著であることが分かった.

  • 盧 梓馨, 王 柯樺, 中久保 豊彦
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_153-II_164
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     本研究では人口10万人の中規模自治体を想定し,浄化槽汚泥の処理を下水処理場が担う汚泥処理機能統合,ごみ焼却施設で脱水汚泥を混合焼却する焼却機能統合を対象とした更新計画の設計とその評価を行った.ごみ焼却施設での汚泥混焼にあたっては,脱水汚泥を乾燥させずに直接混焼させるシステムとし,ごみ組成変動を踏まえた焼却負荷率の制御により燃焼ガス温度の変動を分析することができる熱収支解析モデルを開発した.地域全体でのエネルギー回収率を評価指標とし,消化なしの条件下では基準としたBase(nonDG)での14.9%に対し,汚泥処理機能・焼却機能の両統合計画を二液調質脱水機の導入下で実施するCase B2 (nonDG)では30.4%に向上する結果となった.消化ありの条件下においても,Base (DG)での20.7%に対し,2つの機能統合計画を実施するCase B (DG)では30.2%まで向上する改善効果を示した.

  • 車 椋太, 金森 有子, 棟居 洋介, 増井 利彦
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_165-II_174
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     近年,住宅用太陽光発電設備や電気自動車の導入が拡大しており,これらの機器の導入が生活におけるエネルギー消費のあり方を大きく変え,CO2排出削減に寄与する可能性を持つ.本研究では,従来の家庭部門に加えて,自家用自動車用のエネルギー消費を含めた生活におけるエネルギー消費を対象とし,住宅用太陽光発電設備や電気自動車の導入が世帯のエネルギー消費に及ぼす影響を考慮して,わが国における生活起源のCO2排出量の推計を行った.分析結果から,生活起源CO2排出量削減に向けては,系統電力の低炭素化,電化の推進,都市ガス・ガソリン等の消費量削減の必要性が示された.また,住宅用太陽光発電設備や電気自動車の導入拡大は,世帯当たりCO2排出量を大きく削減する可能性を持つことが明らかになった.

  • 中西 翔太郎, 高木 重定, 田崎 智宏
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_17-II_22
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     土石系循環資源については,将来的に循環資源としての需要量を上回る量が廃棄物として発生することが懸念されている.本研究では,土石系循環資源の需給バランスについて都道府県レベルで2030年度まで将来推計を行うモデルを構築し,土木建築の寿命を延長するなどの発生抑制対策をとる場合,取らない場合それぞれの需給バランスの推移について推計した.結果として,対策をとらないシナリオでは2030年度時点で18県で土石系循環資源の供給量が土石系資源の全需要を上回るという結果を得た.また,対策をとるシナリオでは土石系循環資源の供給量が土石系資源の全需要を上回る県が5県に減少し,また,日本全体の需給バランスも11ポイント削減できるという結果を得た.

  • 山下 大貴, 中尾 彰文, 吉田 登
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_175-II_187
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,和歌山市を対象としてごみ焼却施設と下水処理場の連携を含むエネルギー回収方策に対して,発電量とGHG削減効果を比較する.まず,ごみ焼却施設と下水処理場が単独で適用可能なエネルギー回収技術(ごみ発電の高度化),および双方が連携して適用する汚泥ごみ混焼やバイオガス化を組み合わせて複数のケースを設定する.分析の結果,単にごみ発電の高度化を図る場合(ケース1)に対して,低含水率脱水などを取り入れた汚泥ごみ混焼発電やバイオガス化発電を組み合わせた連携ケースにより,GHG削減量は約5倍に拡大することが示された.さらに,これらのケースをふまえたインフラ連携の展開可能性について考察した.

  • 松崎 耀, 藤山 淳史, 松本 亨
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_189-II_197
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     再生可能エネルギー等の活用を中心とした自立分散型のエネルギーシステムの導入に向けた動きが加速している.本研究では北九州市を対象に,民生部門と産業部門の中でも製造業を対象として,エネルギー需要量と再生可能エネルギーの最大供給可能量を推計し,二酸化炭素排出量と総コストが最小となる場合の再生可能エネルギーの導入ポテンシャルを推計した.その結果,二酸化炭素排出量を最小化した場合では洋上風力の割合が大きくなり,総コストを最小化した場合では系統電力が最も大きな割合を占めることが示された.

  • 石河 正寛, 陳 鶴, 松橋 啓介, 金森 有子, 有賀 敏典
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_199-II_207
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     家庭CO2統計の個票データを用いて住宅と自動車の利用に伴う現況の一人あたり年間排出量を求める回帰式を作成するとともに,3次メッシュ単位の排出量分布を図示できるようにした.回帰式は住宅と自動車の別に作成し,県単位の統計を検証値として先行研究の排出量推計モデルなどとの比較を踏まえて予測性能を評価した.住宅に関しては本研究の回帰式,自動車に関しては陳ら(2018)の方法を用いることで県単位の統計と高い整合性をもつ現況の 3次メッシュ別一人あたり排出量を求めることができる.この2つの方法で推計した住宅と自動車の一人あたり排出量の合計は3t-CO2/人を中心に多くのメッシュが分布し,また合計に占める自動車分の割合は15~65%の幅が生じる結果となり,松橋ら(2018)の行った市区町村別の分析と整合する結果を得た.

  • 尾﨑 平, 沓澤 篤樹, 郭 敏娜, 北詰 恵一, 西村 邦宏, 盛岡 通
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_209-II_218
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     IPCCの報告によれば,温暖化により健康への重大な影響が予想されると指摘されている.社会的変化としての高齢化による健康に配慮すべき人の増加や,地球的変化としての気候変動による暑熱環境の悪化に伴い,熱中症搬送数が増加している.本研究では,都市空間の歩きやすさを表す都市機能集積指数を定義し,堺市と神戸市,京都市を対象に町・字別の同指数と熱中症搬送数の関係から,暑熱障害に対する地域特性を区分し,脆弱度の可視化を試みた.その結果,都市機能集積指数が道路ならびに住宅における暑熱障害に対する脆弱性を表現できることが示唆された.また,外出しやすい環境にある地域は道路,住宅ともに熱中症搬送数が多い傾向にあることを明らかにした.

  • 横川 大輝, 中辻 崇浩, 瀧 健太郎
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_219-II_226
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本稿では,琵琶湖岸の卓越風が北西から北に寄りにシフトしている傾向を踏まえ,湖岸エネルギーフラックスを指標として,複数のシナリオ下での風向変化後の湖岸タイプの遷移をシミュレーションした.

     その結果,卓越風が北寄りになると,琵琶湖東岸の愛知川河口〜天野川河口付近では湖岸エネルギーフラックスが増加し湖岸侵食が激しくなること,琵琶湖大橋〜長命寺川河口付近では流入河川デルタの左岸側では湖岸エネルギーフラックスが低下し植生帯が分布しやすい傾向になることが確認された.

     以上の結果を踏まえて,植生帯保全・砂浜保全を優先すべきエリアおよび対策工法を絞り込むとともに,こういった湖岸域で生じる新たな課題については,流域ガバナンスを視野に入れた琵琶湖保全再生計画の枠組みを活用することで,関係機関の協調のもとでの実質的な対応が可能となることを提言した.

  • 戸田 敦仁, 尾﨑 平, 橋本 彰博, 戸田 圭一
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_227-II_235
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     確率雨量は下水道や河川の治水計画,設計指標として用いられる.気候変動を考慮した治水計画のためには,気候シミュレーションから得られる確率雨量が必要となる.本研究では,大規模アンサンブル気候予測データベース(d4PDF)を5kmダウンスケーリングしたd4PDF(5km,SI-CAT)を用い,近畿地方を対象に将来気候下における確率雨量の変化倍率を求めた.近畿地方全域,4つの気候区分単位,府県区分単位の異なる空間スケールでの変化倍率の統計的分析を行った結果,地域別に変化倍率を設定する必要性を示した.さらに,将来の降雨強度式から雨水流出量を算定した結果,現行の管きょ径ではピーク流量を流すことはできないが,グリーンインフラの導入により,適応できる可能性があることを示した.

  • 小山 文敬, 石井 一英, 阿賀 裕英, 佐藤 昌宏, 落合 知
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_23-II_34
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     近年,最終処分場の長寿命化によって,施設の老朽化や浸出水質の変化による問題などが懸念されている.一方で長寿命化した最終処分場は将来の気候変動の影響を受ける可能性があり,特に雨の降り方の変化による浸出水の内部貯留や溢流への懸念が高まっている.そこで本研究では上述の問題の体系的な実態把握を行うため,全国の最終処分場を対象にアンケート調査を実施した.これにより長寿命化に伴う問題対応・浸出水管理(内部貯留と浸出水質の経年変化)・災害対応について全国規模の件数や対応事例などの現状把握ができた.今後進行する長寿命化・気候変動に備えた最終処分場の計画的な検査・修繕の検討と,浸出水処理施設の規模・処理プロセスの見直しを含めた議論の必要性が示唆された.

  • 馬場 健司, 吉川 実, 大西 弘毅, 目黒 直樹, 田中 充
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_237-II_247
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究は,暑熱分野における気候変動適応策・技術の全国展開について今後の見通しを得ることを目的とし,「ドライミスト」を対象に,文献調査と聞き取り調査により,多くの地域で導入・普及した要因の事例分析を行った.主な結果として第1に,背景課題を満たす技術的要因の出現があった上で,特に経済的要因,制度的要因,社会的要因,組織的要因の果たす役割が大きい.第2に,技術の社会実装が進むにしたがって,「人が多い場所での暑熱対策」から「人やモノの価値を高めるための対策」へと技術の持つ役割,価値の変遷も明らかとなった.法により各地で設置が進む地域気候変動適応センターが,政策移転ネットワークのハブとして機能するよう,こういった知見を蓄積していくことが求められる.

  • 五味 馨, 藤田 壮, 越智 雄輝, 小川 祐貴, 大場 真, 戸川 卓哉
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_249-II_260
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     2018年4月に閣議決定された第五次環境基本計画において「地域循環共生圏」が大きく打ちだされ,政府の施策・事業にもその理念が取り入れられつつある.これまでのシステム・アプローチを基礎とした持続可能な発展に関する研究はこれと共通する部分が多く,その実現に大いに貢献することが出来るものと考えられる.本研究では提案型論文として,地域循環共生圏の考え方を取り入れたシステム研究の推進に必要な基礎的・理論的な整理と課題の検討を行う.まず地域循環共生圏の定義を確認し,その中核的な要素を抽出した「原則」として目標・方法・条件を提案する.また,行政計画や既往研究における圏域概念を分類して地域循環共生圏を位置づける.さらにシステム的な研究において必要となる課題を挙げ,その初動的なアプローチとして地域循環共生圏構築の活動をその構成要素に分解して構造化する手法を開発し,分析の基本的枠組みとして提案する.

  • Lu SUN, Kei GOMI, Tsuyoshi FUJITA, Minoru FUJII, Seiya MAKI, Immanuel ...
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_261-II_271
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     Cities and human settlements will be the keys to achieving global Sustainable Development Goals (SDGs). All cities aim to increase prosperity, enhance resilience and environmental sustainability, especially in developing countries. While how to promote the low carbon city transition and achieve the SDGs targets are the emerging challenges. Few researchers have considered the coupling effect of comprehensive countermeasures to achieve the SDGs targets and the interactive process of actions and scenarios design. To fill in the research gaps, this study (1) Develop an integrated ExSS model, to analyze and predicate the different countermeasures of different sectors' contributions to the low carbon development. (2) Identify challenges and problems in the city development based on the field survey and dialogues with local stakeholders. (3) Evaluate SDGs future city development scenarios and mitigation actions with considering cross-industrial sectors. Bogor city is selected as a case, then applied the integrated model to conduct a systematic analysis. The results showed that, the energy efficiency improvement in the commercial and residential buildings are the main contributors to emission reduction of the 2030CM scenario. The emission reduction amounts by the mitigation actions accounts for 38.1% and 18.2% of the total emission reduction amount, respectively. The energy supply sector, transport sector, and the waste management sector also make significant contributions, the emission reduction amount accounts for 23.5%, 4.1%, and 3.9% of the total emission reduction amount of 2030CM scenario, respectively.

     The results and countermeasures are introduced as a basis for the need to actively solve the challenges in the city, highlighting the effective ways of achieving four key SDGs. This study not only helps the local government shift to more environmentally sustainable and economically successful development pathways but also provides inspiration for comprehensive climate change mitigation solutions from the co-planning perspective.

  • 南 泳旭, 荒井 康裕, 國實 誉治, 小泉 明
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_273-II_284
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     老朽化したインフラの維持管理は,人口減少社会を迎える我が国において重要な課題である.特に,ライフラインとしての役割を担う水道管路は,地中に埋設されるため,劣化状況を直接確認することができず,地下で発生した水道管路の漏水を早期に発見することは極めて困難である.こうした課題を克服すべく,最近ではインフラのヘルスモニタリング技術の開発が進められており,高感度センサーやAI技術を活用した維持管理手法の適用が展開している.本研究では,筆者らの先行研究で明らかにされた漏水音が有する時系列データの決定論的性質の違いに着目し,リカレンスプロット(RP)を活用して音の情報を2次元平面に可視化した.つぎに,可視化した画像を機械学習の入力データとし,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による漏水有無の判別モデルを構築した.CNNモデルによる漏水判別精度を比較した結果,90%以上の平均的中率が得られたことから,RPとCNNを組み合わせた本提案手法の有効性の高さを確認することができた.

  • 清水 浩太郎, 尾﨑 平, 橋本 彰博, 戸田 圭一
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_285-II_293
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     地球温暖化による気候変動によって気温の上昇,降水量の増加が予測されている.本研究では兵庫県を対象地域として,大規模アンサンブル気候予測データ(d4PDF)の過去と将来の時間雨量と時間別気温の予測データを用いて,降雨特性,気温の将来変化を分析した.さらに,水収支モデルを用いて気候変動による渇水頻度の変化や時期・規模の傾向について考察した.その結果,渇水リスクを高める要因として,継続無降雨日数の増加,猛暑日,真夏日,夏日の大幅な日数の増加を確認した.また,将来の渇水リスクとして,その発生回数,規模と期間が増大することを示した.

  • 岡野 泰己, 平山 修久
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_295-II_304
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     水道システムの災害レジリエンスの確立のためには,水道管路の応急復旧計画の策定において,回復力を最大化するための戦略が必要となる.本研究では,地震後の応急復旧期で日々変化する水道の供給状況を可視化し,水道管路の復旧戦略を検討するための数値解析モデルを構築することを目的とする.ここでは,離散的水道管路被害予測モデル,震災時管路被害を考慮した管網解析モデル,断水人口算出モデル,応急復旧モデルを構築し,復旧優先順位ならびに応急復旧班数による復旧過程について算定した.その結果,構築した応急復旧戦略の数値解析モデルにより,水道管網の復旧過程を地理情報システム上で表現することができ,断水人口積分値を用いた応急復旧シナリオの評価により,応急復旧戦略を統合的に検討することができるといえた.

  • 村岡 治城, 尾崎 平, 中久保 豊彦
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_305-II_317
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究では兵庫県但馬地域を対象とし,下水処理施設の統廃合を,廃止施設の中継施設化による汚水集約処理型で更新するケース,市町村設置型の公共浄化槽移行による汚水分散処理型で更新するケース,2ケースに分類し,コスト,温室効果ガス(GHG)排出量,エネルギー消費量の3つの評価指標を用いて比較評価を行った.各更新ケースには,更新時期を通常更新・早期更新の2つを設け,それらを組み合わせた4ケースと,基準となる現状の施設数を維持・更新する現状維持ケースを加えた5ケースを対象とした.評価の結果,現状維持ケースと比較し,汚水分散処理・早期更新ケースは,2020年から2050年においてイニシャル・更新コストを6.8%,ランニングコストを7.4%,エネルギー消費量を4.1%削減可能であることを示した.

  • 仮谷 有優美, 中尾 彰文, 山本 秀一, 吉田 登
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_319-II_331
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
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     本研究では,全国の下水処理場を対象として,ICTを用いた劣化診断技術の導入が,対象とする保有機器やシステム運用の違いを通して維持管理費用の削減に及ぼす影響を明らかにするための分析を行った.分析の結果,まず個々の処理場ごとへの導入を想定した場合,経費回収年数が10年未満となる費用削減効果が認められたものは全国2,144下水処理場の約6%にとどまり,特に中小処理場の多い14の都道府県では同様の費用削減効果を得られる処理場がないことがわかった.これに対して,都道府県主導での広域化・共同化によるICT劣化診断技術の一括導入と,これにシステム運用の形態が異なるオンプレミス,クラウドを組み合わせたケースを想定した.これを適用した場合,全国的にはICT導入可能な処理場の割合は改善する一方,地域に応じて異なる費用削減効果への影響がもたらされることを明らかにした.

  • 靏巻 峰夫, 藤川 滉大, 中島 大雅, 岡崎 祐介, 佐藤 克己, 吉田 綾子, 森田 弘昭
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_333-II_342
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     人口減少下に入った我が国では,公共サービスの量と質の維持が,今後,問題となると考えられる.下水道,ごみ処理分野でも同様な状況であり,早急な対策が必要である.下水道直投型ディスポーザー(以下,「DP」)の導入は,可燃ごみの減量化と取り扱いに難がある厨芥類の除外によってごみ処理での効率化が期待できる.一方で,下水道に投入された厨芥類によって下水処理への水質負荷の増大による負の側面がある.本研究ではDP排水の管路内での水質模擬実験のデータに基づき下水処理施設に到達する水質負荷の変化を予測し,その結果を反映した温室効果ガス(以下,「GHG」)排出量予測によって下水処理,可燃ごみ処理の影響を検討した.結果として,DP排水による下水処理での増加に比較して可燃ごみ減量による削減が大きく,直投型DPの導入はGHG排出量削減に寄与することを明らかにした.

  • 大塚 佳臣
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_343-II_353
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     海洋プラスチック問題に関する情報提供がスーパー・コンビニエンスストア(以下コンビニ)のレジ袋,カフェ等のプラスチックストロー(以下ストロー)の提供廃止賛否意識に与える影響を,全国の消費者を対象としたアンケート調査により評価を行った.その結果,情報提供により,コンビニレジ袋の提供廃止に反対する消費者のうち,環境問題意識が高い層がレジ袋提供廃止に賛成するようになった.レジ袋・ストローの両方の提供廃止に反対する消費者はその態度を変えなかったが,レジ袋がないことの不便さ,マイバッグ携帯の面倒さに対する認識が緩和されていた.一方で,提供廃止の立場に応じて情報の選択と処理がなされていることから,情報の受け取りの平準化を図るためには,海洋プラスチック問題に係る要因の因果関係を明確にした「切り取られない」内容とすることが求められる.

  • 谷口 裕太郎, 落合 知, 石井 一英, 佐藤 昌宏
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_35-II_46
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究では行政主導型で家畜ふん尿のバイオガスプラント(BGP)を導入した北海道興部町と北海道上士幌町を対象に,BGPの導入が酪農地域全体に与える効果を酪農家と行政の視点から明らかにし,BGPの価値を示すことを目的とした.その結果,BGPの導入により酪農地域に与える効果の全体像を定性的に図示し,以下のことが明らかとなった.酪農家の視点からは,課題であった悪臭の改善や牧草の質・量の向上,また搾乳量の増加に寄与することが明らかとなった.さらにふん尿処理のアウトソーシング化による余暇の創出といった効果も明らかになった.行政の視点からは,雇用の増加や視察人数の増加,環境教育などの項目と関連しており,当初行政が想定していた項目(エネルギーと環境分野)より広い項目に効果が及んでいることが明らかになった.

  • 清水 聡行, 山田 淳
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_355-II_364
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     水道利用の大半を占める家庭用水の長期的な水需要予測は,施設計画や水道事業経営計画を策定する上で重要である.多種多様な水利用機器の普及,ライフスタイルの多様化に伴い,水需要予測を行う際には,世帯レベルで水需要の構造を捉え予測することが必須となってきている.しかし,需要構造の詳細な調査や分析の例は非常に少ない.本稿は,WEBアンケート調査の結果から最近の水需要構造を捉えるとともに,過年度において実施したアンケート調査結果と比較し,3期にわたる水需要構造の経年的な変化を詳細に捉えることを試みた.その結果,原単位水量は経年的に減少していた.また,原単位水量に及ぼす要因としては洗濯回数や節水行動という水利用行動が直接的に影響を及ぼしていたが,その影響度は経年的に変化していた.

  • 下山田 隆, 清野 聡子
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_365-II_373
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     低平地の持続可能性を考える上で,水利用と災害の危機管理の均衡は世界的課題である.

     本研究は2019年8月の豪雨災害を対象とし,中学生の災害体験に基づく制作や交流活動を通じて,防災意識の向上を図り,SDGsの目標11の防災面について校区を含む低平地の改善課題を発信した.そこには人間性の育成,関係性やつながりの尊重というESDの観点を導入した.

     学校行事に向けた本開発では,学習領域と学習方法による「学習構成表」を使って流域学習の延長とした.アンケート調査からは防災意識の向上と,防災面からの持続可能なまちづくりへの意欲が認められた.

     本研究は,SDGsに含まれた持続可能なまちづくりの防災面に向け,低平地の豪雨災害と教育現場を結ぶ概念導入と,学際的・総合的な学習構成表によるESDプログラムの事例である.

  • 尾崎 則篤, 兼村 篤哉, 金田一 智規, 大橋 晶良
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_375-II_383
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     市民の地域への意識が環境配慮意識や行動に影響を与えうるか,またその地域への意識が市民の社会経済的状況に影響されているのかを知ることを目的として各種基幹統計,既往の調査や研究で収集された47都道府県のデータを用いた重回帰分析によって解析した.地域への意識として7つの潜在因子を特定しそれらが環境配慮行動と相関しているかを検討した.環境配慮行動は都道府県ごとの違いがある程度以上顕著であった行動群を分類し代表的と見なしうる9つの行動を主たる対象とした.環境配慮行動は3つに大別されそのうちひとつの分類は環境配慮にかかわる特定の効果に限定されない価値観に裏付けられる行動群ではないかと考察され,またその行動群は地域への意識のうち「自然」「歴史・文化」への意識が高くなると実施率が高くなる傾向が得られた.またこの2つの地域への意識は社会経済的状況として居住の「移動性」の向上と「学歴」(大学進学率)の向上と共に低下する傾向であった.

  • 大谷 隆介, 中尾 彰文, 山田 崇雄, 吉田 登
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_47-II_59
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,産業廃棄物焼却施設として採用事例の多い,ロータリーキルン・ストーカ炉における,エネルギー回収技術を導入した際の熱収支モデルの作成とエネルギー回収技術導入時のGHG削減効果を推計した.まず,産業廃棄物処理施設のロータリーキルン・ストーカプラントをモデル施設として多様な産業廃棄物を受け入れるロータリーキルン・ストーカ炉の熱量,排ガス量や,産業廃棄物焼却施設で特徴的な炉に併設される汚泥乾燥機プロセスの有無を考慮した熱収支モデルを構築した.次に,この熱収支モデルをもとに,導入の難易度に応じた複数のエネルギー回収技術を想定した場合のGHG削減効果を定量的に把握した.結果,バイナリー発電の導入においては精密な熱収支モデルの作成が必要であること,廃熱ボイラの更新においては過熱蒸気より飽和蒸気を使用しているボイラを更新するほうが有効であることがわかった.

  • 中尾 彰文, 山本 玲於奈, 平井 千津子, 吉田 登, 靏巻 峰夫
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_61-II_72
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,南海トラフ地震防災対策推進地域および特別強化地域の市町村が,地域特性をふまえて災害廃棄物処理計画を策定または改定する際の判断材料となる災害廃棄物発生原単位を整備するとともに,その原単位を用いて予測した際に留意すべき点を精査した.その結果,既存原単位がもつ性格が市町村の事情と合わない市町村が存在することが明らかとなった.また,既存原単位に比べ小さい値を示す内陸部の一部の市町村や,既存原単位との当てはまりが良いと判断される市町村を抽出した.そして,今後の災害廃棄物処理計画を策定または改訂する際に有効な材料を提案した.

  • 三浦 一彦, 河野 麻衣子, 日下 英史
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_73-II_80
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     福島第一原発の事故により放射性セシウムで汚染された除去土壌の減容再生利用手法として,大量かつ比較的安価に処理が可能な分級処理の適用が有望である.濃縮率並びに再生利用率を高めるため20μmを分級点とした細緻な分級処理を提案し,後処理技術として一般的な凝集沈殿剤を用いた沈降分離では固液分離が困難な課題を解決するため,マイクロバブル浮選(MBF)を適用した.対象土壌の多くは農地由来のため,土粒子に加え有機物微粒子などを含む未経験の対象泥水に対し,幅広く効果がある起泡剤と捕収剤の組合せを選定し,流速や薬剤量の微調整により目標濁度を達成できることを確認した.この処理により20μm以下の分画に放射性セシウムを濃縮できることを確認し,実用的な新しい放射性Cs汚染土壌の減容化手法としての可能性を示した.

  • 山口 直久, 松藤 敏彦
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_81-II_90
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     廃棄物に含まれる金属資源の効率的な回収方法の1つとして焼却残渣の集約型還元溶融が実用化されている.一方で小型家電リサイクルの回収目標は未達であり,特に人口100万人以上の都市での回収効率が低いことが指摘されている.本研究では,小型家電の回収効率が低い人口100万人以上の都市の一部に集約型還元溶融を導入し焼却残渣から金属回収を行うことによって,小型家電リサイクルの回収目標と同等の金属資源回収を全体として効率的に達成するシステムを提案した.また,GHG排出量の評価および試行的な経済性の評価を行った結果,集約型還元溶融の一部導入は小型家電リサイクルの促進と比較してGHG排出量が増加するものの,全体としての費用は低減する可能性が示唆された.

  • 谷川 寛樹, 山本 大陸, 山下 奈穂, 白川 博章
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_9-II_16
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     循環型社会の形成に向け,ストック型社会の重要性が高まっている.物質ストックはフローと表裏一体の存在であり,社会に価値を提供する一方,過剰な資源投入や将来廃棄量の増加にも影響する.社会に蓄積・滞留する物質ストックを適切に管理し,質の高い物質ストックを将来世代に残すには,利用度を考慮した物質ストックの把握が必要である.本研究では,使用年数モデル法を用いて日本全国の住宅ストック量を推計し,利用度区分に従い退蔵量・現役量を明らかにした.2018年の住宅ストック量は51.9億トンであり,構造種別では木造 22.4億トン,SRC造 3.9億トン,RC造 17.6億トン,S造 7.6億トンであった.また,住宅土地統計調査における空き家率によって空き家のストック量を推計した結果,退蔵量にあたる「その他の住宅」は3.0億トン存在し,住宅数の増加に伴い今後も増加することが予想された.

  • 山田 宏之, 辻村 双葉
    2020 年 76 巻 6 号 p. II_91-II_99
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,都市に広く屋外で生育していると考えられる4種の観葉植物を研究対象として取り上げ,奈良市内の3か所の地域で生育分布調査を行い,地域別や用途地域ごとの分布状況を比較し,種ごとの分布特性を把握した.生育分布を解析した結果,株密度を比較すると,新大宮駅周辺が8.62株/haと最も高かった.富雄駅周辺は1.56株/ha,平城山駅周辺は0.25株/haと密度が大幅に低くなった.用途地域別の比較では,全植物で新大宮駅周辺の住居系地域での密度が最も高くなった.建物の築年代別では,築30年以上の住宅が多いエリアに集中していることが分かった.種別ではフチベニベンケイが最多であり,大阪,兵庫において最多であったオリヅルランと異なる結果となった.

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