建設用ロボットは,先端技術,情報技術の進歩に支えられ発展しており,また同時にそれは新たな建設システムとしての展開に大きな役割を果たしてきている.一方,わが国は,今後より豊かな社会環境の整備,都市防災機能の再構築など多くの取り組むべき課題を抱えている.それを担う建設産業においては,少子高齢化,熟練技能者の不足,技術の継承の問題を解決しつつ,より安全で迅速に,かつ経済的に社会資本整備を整備していくことが求められている.建設用ロボットは,こうした期待と役割を担っている.
本論文は,これらの背景を踏まえて,建設ロボットの役割,ロボティックス発展の経緯,用途,技術に関する今後の展望,社会資本整備におけるロボット技術への期待と提言を骨子として,建設用ロボットの歩んだ道を概観し,現状分析を行い,今後の社会資本整備における役割と将来像についての考察と提言を行うものである.
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