土木学会論文集F
Online ISSN : 1880-6074
64 巻 , 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
研究展望
  • 小西 真治
    2008 年 64 巻 4 号 p. 369-380
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     鉄道構造物は経年が百年を超えるものもあり,旧式の構造物から最新の構造形式まで様々な年代の構造形式が存在する.また,その種類も盛土,トンネル,橋梁など多岐にわたっており,メンテナンスの守備範囲は広い.鉄道では,昭和40年ごろを境に防災投資の増加とともに,事後保全から予防・事後を組み合わせた効率的な保全に変わり,事故も減少した.しかし,高度成長期に建設された大量の鉄道構造物の経年も40年を超えてきており,注意深くメンテナンスしなければならない対象構造物の量が加速度的に増加している.このような背景をふまえ,まず,メンテナンスの変遷と現在の課題を述べ,鉄道構造物維持管理標準を紹介する.次に,現在の課題を解決するための最近の取り組みを紹介する.最後に,メンテナンスについての今後の研究開発の展望について述べる.
和文報告
  • 増成 友宏, 武地 美明, 田村 尚之, 船津 貴弘, 清水 則一
    2008 年 64 巻 4 号 p. 394-402
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     GPSによる地盤変位の計測精度は受信機周辺の環境に依存する.たとえば,受信機の上空に樹木などがある場合,それらが人工衛星から送られる電波の障害となり,計測精度を劣化させる原因となる.本研究は,上空障害物による精度劣化を,計測点と障害物の背後にある人工衛星との間の二重位相差の残差によって検出できることを示し,上空障害物の影響を低減する方法を提案するものである.本報告では,提案方法を長期計測結果に適用してその妥当性を検証し,さらに,変位シミュレーション実験を行い,本方法が変位の計測精度の向上とともに変位を検出するまでに要する時間の短縮に寄与することを明らかにする.
  • 永島 慈, 山本 幸司
    2008 年 64 巻 4 号 p. 403-412
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     我が国の公共工事においても,発注者・工事請負者の双方が行ってきた様々なマネジメント業務の一部を別の主体が実施するというCM方式の試行が実施され,その有効性や本格的な導入可能性についての検証が行われはじめている.
     同方式の活用に際しては,まずそのニーズと期待し得るメリットを明確にしたうえで,マネジメント業務実施者の業務範囲や義務・責任等を明らかにするとともに,マネジメント業務費用の適切な算定方法を確立する必要がある.本論文においては,特に同方式導入におけるコスト縮減とインセンティブ付与について提案する.
  • 芥川 真一, 有村 有紀, 中森 絵美, 櫻井 春輔, 馬場 修二, 森 聡
    2008 年 64 巻 4 号 p. 413-430
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     大規模地下空洞の維持管理には施設全体の総合的評価が必要とされる.本研究では,空洞周辺岩盤の健全性を評価する際に検討する項目として,PSアンカーの軸力に着目した.導入力を固定するためにナットが用いられている場合,磁歪法を用いてその表面に存在する応力を計測し,間接的にアンカー軸力を推定することができる.まず,室内試験によりナットの残留応力を計測し,それが十分に小さいことを確かめた.次に,軸力を作用させた状態でのナット表面の応力を計測し,両者の関係を調べた.この関係を用いて,実際の地下発電所空洞で計測したPSアンカーナットの応力からその軸力を推定し,それを検証した.その結果,磁歪法から推定した軸力は十分な精度を有していることが分かり,今後の大規模地下空洞の健全性評価を合理化できる可能性を確認できた.
和文論文
  • 大津 宏康, 堀田 洋平, 三枝 博光, 井尻 裕二, 尾上 博則
    2008 年 64 巻 4 号 p. 353-368
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究においては,設計段階ですべてを予見することはできない岩盤の不連続性に起因する地質リスク要因として突発湧水に着目し,それに伴う対策工コスト変動リスク評価を実施する.対象事例としては,結晶質岩が広く分布する岐阜県瑞浪市において日本原子力研究開発機構が建設を進めている瑞浪超深地層研究所の立坑を取り上げる.この事例では,これまでに段階的に地質調査が実施され,その段階ごとに不連続性岩盤に関する情報がデータセットとして蓄積されている.このため,この不連続性岩盤に関するデータセットを用いた解析結果から,突発湧水リスクが発生する可能性についてだけでなく,さらには地質調査に関する情報量の増加が地質リスクに起因する対策工コスト変動リスクに及ぼす効果について,事後評価の観点から検討を加える.
  • 大堀 勝正, 森岡 弘道, 森地 茂
    2008 年 64 巻 4 号 p. 381-393
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     近年,多くの土木官庁で大規模な人員削減が行われている.特に,比較的人数が多い維持管理業務に携わる現業職員を削減対象とすることが多い.今後,行政改革に伴い業務執行体制の見直しが課題となる.そのため,1) 官民分担の明確化(民間委託の拡大),2) 複数事務所間の適正な人員配分,3) 限られた職員による業務の効率化,4) 技術伝承,及び 5) わかりやすい対外説明などの理論的根拠が必要となっている.
     本論文では,こうした課題のうち,道路の維持業務における人員配分手法について公共経営論,数理統計,リスクマネジメント等をふまえて考察する.さらに,考察した手法の適用事例の報告を行う.
  • 大谷 達彦, 進士 正人, 千々和 辰訓
    2008 年 64 巻 4 号 p. 450-462
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     都市NATMを採用する場合,地表面沈下を抑制するための補助工法として,パイプルーフ工法がしばしば用いられる.パイプルーフ工法は,沈下抑制を目的とした先受け工法の中でも,特に高い沈下抑制効果が期待されているにもかかわらず,その抑制効果に着目した設計法が確立されていないのが現状である.
     本論文では,都市NATMを採用したトンネルを安全かつ合理的に施工するために,パイプルーフ工法の沈下抑制効果の発生メカニズムについて三次元数値解析により明らかにする.そして,パイプルーフ鋼管の支点部の沈下が地表面沈下に大きく影響することを示した上で,その支保メカニズムを表現する弾性支承上梁モデルとその設計パラメータの設定方法を提案する.
  • 下村 泰造, 小濱 健吾, 貝戸 清之, 小林 潔司
    2008 年 64 巻 4 号 p. 463-482
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     空港施設のアセットマネジメントにおいて,地盤沈下予測は重要な課題となる.設計・施工段階では,地盤条件に多大な不確実性が介在するために,沈下過程を確定的に予測することは困難である.本研究では,不同沈下を考慮した1次元圧密モデルを用いて,地盤沈下過程に関するサンプルパスを作成するとともに,サンプルパスを荷重平均した混合地盤沈下モデルを作成する.空港の供用開始後,地盤沈下量を継続的にモニタリングすることにより,混合地盤沈下モデルをMCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ)法を用いてベイズ更新するハイブリッド型地盤沈下モデルを提案する.最後に,実際の空港舗装を対象とした適用事例を通して,提案手法の妥当性を検証し,地盤沈下予測モデルとしての適用可能性と実用化に向けた課題を明らかにした.
  • 官 林星, 藤沼 愛, 小泉 淳
    2008 年 64 巻 4 号 p. 483-497
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     千鳥組されたセグメントのリング継ぎボルトには,隣接するセグメントの添接効果によってせん断力が発生する.このせん断力による付加的な曲げモーメントは,セグメント幅の拡大にともなって増加し,それにより発生する曲げモーメントはセグメント幅方向に均等に分布せずにその端部に集中する傾向がある.
     本研究は実物大の鉄筋コンクリート平板形セグメントの単体供試体を用いて,荷重をリング継手の継手金物に直接載荷する方法で試験を行い,曲げモーメントの端部への集中度合いに検討を加えるとともに,セグメントリングの骨組み解析およびFEM解析の結果から,セグメント幅の拡大にともなう幅方向の曲げモーメント分布を明らかにし,拡幅したセグメントの設計方法について検討を加えたものである.
英文論文
feedback
Top