本研究では,昭和57年7月23日に長崎県で起こった土石流災害における土石流の発生・非発生ルールの抽出を試みた.解析手法としては,篠崎ら
1)の提案する"パターン分類に優れたサポートベクターマシン
2)と,ルールとして災害の要因を明確化できるラフ集合
3)を組み合わせた手法"を用いた.抽出したルールは,ラフ集合のみを用いた既往研究
4)に比べると,精度は若干劣るものの,少ないルールでより多くの渓流における土石流災害の発生・非発生を説明することが可能であった.このことから,篠崎ら
1)の提案するルール抽出手法は,昭和57年7月23日に長崎県で起こった土石流災害の事例についても十分な精度と高い汎用性を有するルールを抽出できる手法であることが確認され,手法としての有用性が示された.
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