土木学会論文集G
Online ISSN : 1880-6082
ISSN-L : 1880-6082
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
和文論文
  • 風間 しのぶ, 大瀧 雅寛
    2010 年 66 巻 4 号 p. 179-186
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/20
    ジャーナル フリー
     おが屑を担体としたコンポスト型トイレには病原微生物が残存する可能性がある.特におが屑交換等の際,残存性が強いと考えられる糞便由来の病原ウイルスに注意する必要があるが,通常,微生物指標として用いられる大腸菌はウイルスと耐性が大きく異なるためウイルス指標としては不十分である.本研究では糞便性連鎖球菌に着目し,コンポスト型トイレにおけるウイルス監視指標としての可能性を検討した.まず,糞便性連鎖球菌が稼働中のコンポスト型トイレから十分な濃度で検出されるか確認した.また,実験室にて糞便性連鎖球菌と大腸菌ファージのおが屑中での挙動を比較し,さらに,コンポストの安全性を高めるために実施される石灰処理における挙動を検討した.その結果,高pH以外の通常状態では糞便性連鎖球菌は指標として適していると考えられた.
  • 藤原 篤志, 森 也寸志, 松本 祐子
    2010 年 66 巻 4 号 p. 187-193
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
     汚染土壌における微生物浄化では,土壌の微細間隙にまで栄養塩を送り届ける技術が重要である.また,浄化に使用されない栄養塩は二次的に地下水を汚染するため,粗大間隙を通じたバイパス流を防ぎながら浄化することが求められる.本研究では粗大間隙の有無の違いを持つ汚染土壌カラムに対して飽和・不飽和で栄養塩を浸透させ,移流・分散が微生物活性にどのように影響を与えるかを精査した.結果的に,粗大間隙を有し不飽和浸透をさせた試料が最も微生物活性が高くなった.不飽和浸透がバイパス流を防ぎながら分散を卓越させ,微生物活性に有利な水分量を維持し,かつ粗大間隙が目詰まり防止の役割をしている様子が観察された.飽和に比べて栄養塩の利用効率が約10倍で,地下水汚染の可能性も最小であった.
  • 進士 正人, 岸田 展明
    2010 年 66 巻 4 号 p. 194-200
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
     トンネル建設など坑内作業中に発生する粉じんは,建設作業員がそれを吸引することでじん肺症を引き起こす原因のひとつと言われている.平成20年より,半月に1回の粉じん濃度測定がトンネル施工管理者に義務化された.従来,粉じん濃度測定にはデジタル粉じん計がよく使用されるが,測定に時間がかかることや測定機器固有の換算係数を設定する必要があることからより迅速で簡単な計測法が望まれていた.そこで,著者らはデジタルカメラを用いて坑内に浮遊する粉じん濃度の測定方法を考案した.しかし,実用化に向けての課題も明らかとなってきた.本研究では,フラッシュ撮影画像から粉じんの反射画像のみを抽出したうえで統計分析し,その結果をニューラルネットワークに学習させることにより,従来法以上の精度を有する粉じん濃度測定方法を提案する.
  • 赤松 良久, 池田 駿介, 金井 誠一郎, 大澤 秀一, 大澤 和敏
    2010 年 66 巻 4 号 p. 201-210
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究では沈水植物および付着藻類を利用した内分泌攪乱化学物質(EDCs)の除去に関して,室内実験および現地観測によって検討した.室内実験ではEDCsの吸収・除去能力に対して水温が与える影響を検討し,沈水植物および付着藻類のEDCs除去速度を定式化した.また,沈水植物や付着藻類の繁茂が顕著である神奈川県川崎市二ヶ領用水における現地観測から,流下に伴いEDCs濃度が減少していることが分かった.さらに,実験結果から得られた沈水植物および付着藻類のEDCsの除去速度を用いて,この流下に伴うEDCs濃度の減少傾向を再現可能であり,ファイトレメディエーションによる EDCsの除去が期待できることが示唆された.
和文報告
feedback
Top