土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
67 巻 , 3 号
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和文論文
  • 本城 勇介, 町田 裕樹, 森口 周二, 原 隆史, 沢田 和秀, 八嶋 厚
    2011 年 67 巻 3 号 p. 299-309
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,岐阜県飛騨圏域の道路斜面の落石事故の発生確率を推定したものである.落石発生確率は,岐阜県道路防災点検データベースに蓄積された約3000箇所の斜面の点検結果を記述した「安定度調査表」を用いたロジスティック回帰分析による「相対危険度評価」と,その結果と実際の落石事故データが整合するようにキャリブレーションした「絶対危険度評価」により推定した.本研究は,岐阜大学の研究グループが,岐阜県と共同で進めている「社会基盤施設アセット総合マネジメント」プロジェクトの一環を成すものであり,この研究では,定量的リスクに基づいた社会基盤施設の総合的整備戦略の提案を最終目的としている.各斜面についての道路の遮断による経済損失や対策費用の評価結果と,本研究の結果と総合して整備戦略が提案される予定である.
  • 榊原 淳一, 毛利 栄征, 山本 督夫
    2011 年 67 巻 3 号 p. 310-318
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル フリー
     地盤や構造物の地震時の詳細な挙動を把握するために,現地でのモニタリングや数値解析とともに,精密な模型実験は重要であるが,模型地盤の地盤構造を非破壊で2次元的に把握する手法については十分な検証がなされていない.本研究において筆者らは高周波数の弾性波の速度と減衰率を用いて,振動実験に用いられる模型地盤を対象とした地盤構造の可視化手法を開発しその検証実験を行った.本研究では計測機器の小型化,高速化を行い発振周波数が30kHz以上という超音波領域での計測により弾性波速度と振幅減衰率を用いたモニタリング手法を開発した.模型土槽を用いて行った実証実験の結果から,本手法が模型土槽内部の可視化に対して有効であること,速度分布図と減衰率分布図を比較することでより詳細に地盤の緩みなどの影響を把握できることがわかった.
  • 瀬崎 茂, 浜野 浩幹
    2011 年 67 巻 3 号 p. 319-338
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル フリー
     グラウンドアンカー工が我が国に導入されてから50年近くが経過した.その永久アンカーとしての施工実績は既に年間10万本程度まで増加している.しかし,近年その損傷事例がしばしば報告されるようになってきた.設計上に問題点があるとすれば,特に岩盤における支持機構が十分解明されていないことにひとつの要因が考えられる.本研究では,岩盤を対象としたアンカー体の挙動を詳しく調べることで支持機構の解明を図り,設計上の留意点について提案する.
  • 清原 雄康, 風間 基樹
    2011 年 67 巻 3 号 p. 339-348
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/20
    ジャーナル フリー
     不飽和状態下における圧密時,せん断時の土粒子間隙の変化挙動を把握するためには,それを反映する水分特性曲線の変化を把握することが必要である.火山灰質土である八戸ローム土を用いて,初期サクションを0,50,90kPa,拘束圧を100kPaとした排気非排水と排気排水条件の不飽和三軸試験を行ったところ,初期水分量の違いや間隙比の変化を反映した水分特性履歴や,排水条件の違いによるせん断挙動の把握が出来た.さらに,せん断時に変化する間隙比と,それに応じて変化する水分特性曲線との変化特性を求め,任意の間隙比での水分特性曲線を予測する手法を開発した.さらに,それを考慮した修正カムクレイモデルの解析の枠組みを構築した.実験結果と解析結果とを比較して,モデルの妥当性を検討し,両者の良好な整合性を確認した.
  • 長尾 洋太, 國生 剛治, 伊藤 文樹
    2011 年 67 巻 3 号 p. 349-357
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/19
    ジャーナル フリー
     同一供試体において小型コーン貫入試験と液状化試験を行える三軸試験機を用いて,過圧密履歴と小ひずみ履歴が砂の液状化強度RL,コーン貫入抵抗qt及び両者の関係への影響を調べた.その際,非塑性細粒分の含有率Fcを段階的に変化させその影響にも注視した.その結果,応力・ひずみ履歴によって砂のRLqtは共に増加し,その増加率はFcにより異なる結果となった.またRLqtの対する直接的関係はFcの違いによらずほぼ一直線状で,履歴の無い場合に比べて上方に位置し,同一の貫入抵抗qtに対し大きな液状化強度RLを与えることが分かった.また,別途行った微量なセメント添加により固結作用を模擬した加速試験結果と対比し,応力・ひずみ履歴による強度増加は固結作用とは異なり,実務での液状化判定におけるFcによるRL補正の対象外であることが分かった.
  • 平田 昌史, 白神 新一郎, 清水 英樹, 福田 淳, 川鍋 修, 野村 忠明
    2011 年 67 巻 3 号 p. 358-371
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/19
    ジャーナル フリー
     プラスチックボードドレーン(PBD)工法は,軟弱地盤内にPBDを多数打設することで圧密を促進させる工法である.このため,圧密対象層の層厚や分布位置が,改良効果に大きな影響を及ぼす.しかしながら,事前調査から地質分布を推定することには限界があるため,期待した改良効果が得られない場合も多い.本論文では,PBD打設機の油圧抵抗から,静的コーン貫入試験における貫入抵抗を算定する推定式を提案し,地盤強度の定量的な評価を行った.また,PBD打設地盤の強度分布や地質分布を連続的かつ多次元的に評価するシステムを作成し,その有効性を検討した.本システムから推定した強度分布や地質分布は,実際の地盤を精度良く表現できており,沈下・安定計算やFEM変形解析等へ利用することで,工期短縮や工程管理に有用であると考えられる.
  • 玉井 俊行, 寺本 俊太郎, 木村 亮
    2011 年 67 巻 3 号 p. 372-386
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
     ソイルセメント羽根付き鋼管杭は,ソイルセメントと羽根付き鋼管を組み合わせた複合基礎杭であり,杭体が一体となって挙動することで,大きな鉛直支持力性能を発揮する.本研究ではこの杭体の一体性に大きく寄与していると考えられる羽根に着目し,杭体の模型実験とその数値解析を実施した.模型実験の結果より,杭体の剛性は羽根を有さないストレート鋼管に比べて大幅に向上する事,ソイルセメントの一軸圧縮強さが大きくなるほど杭体の一体性も向上する事などが明らかになった.また,荷重伝達メカニズムの把握を目的に3次元弾性有限要素解析を用いた検討を行った結果,羽根間隔が小さく羽根枚数が多くなれば杭体の一体性が向上する事,羽根間隔3.0mの杭体の一体性は2.0mと比較して大きな低下は見られない事などが分かった.
  • 河端 俊典, 澤田 豊, 毛利 栄征, LING Hoe I.
    2011 年 67 巻 3 号 p. 399-406
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
     本研究では液状化地盤における内圧管路屈曲部の力学挙動を検討することを目的に,従来のスラスト対策工法であるコンクリートブロックモデルおよびジオグリッドや砕石を用いた対策工法を対象に実規模振動台実験を実施した.実験結果から,コンクリートブロックは液状化地盤内を大きく移動し,隣接管との接合部においても大きな相対変位が発生した.一方,ジオグリッドや砕石を用いた対策工法では,ジオグリッドの引抜抵抗が有効に作用し,曲管の移動が抑制された.さらに曲管と隣接管の相対変位が小さく,液状化地盤においては,ジオグリッドと砕石を用いた工法が極めて有効であることがわかった.
和文報告
  • 大津 宏康, 前田 良刀, 竹國 一也, 米澤 裕之, 高橋 健二, 矢部 満
    2011 年 67 巻 3 号 p. 387-398
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
     近年,各地で短期間高降雨強度降雨の発生頻度が激増し,これに伴う斜面災害も増加しているため,短時間集中豪雨時の斜面での雨水浸透・表面流の発生状況(以下,斜面における水収支と称す)に関する研究は喫緊の課題である.しかし,同集中豪雨発生の顕在化が近年であり,発生箇所が局地的であるため,検討対象サイトの選定が容易でないことから,筆者らは,同集中豪雨と熱帯性豪雨との降雨特性の類似性に着目し,タイで原位置斜面計測を実施してきた.本報告では,タイで得られた豪雨時の斜面における水収支に関する知見が,日本でも適用可能であるか否かを,両国の降雨・地質特性の比較検討を踏まえ検証する.加えて,タイでの豪雨時の土砂災害早期警戒体制の立案に関する現状を紹介するとともに,その知見の日本への適用性についても考察する.
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