土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
68 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
和文論文
  • 吉中 龍之進, 岩田 直樹, 佐々木 猛
    2012 年 68 巻 3 号 p. 451-465
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/07/20
    ジャーナル フリー
     岩盤上に建設する大型構造物の地震時挙動を評価するためには,その基礎岩盤内に存在する不連続面の分布と力学的性質を把握することが重要と考えられるが,一般的には断層などの規模の大きな不連続面を除き,岩盤は弾性体として解析されていることが多い.本研究では,2005年の宮城県沖の地震において大型構造物直下の岩盤で観測された地震波形を用いて,節理などの不連続面の拘束圧依存性・繰返し載荷―除荷を考慮した非線形の弾塑性構成則を適用した複合降伏モデルによる地震応答解析を行い,不連続面のモデル化と解析手法の適用性について検討を行った.この結果,不連続面の物性値や分布を適切にモデル化することで,弾性解析では再現できない応答スペクトルの分布を精度よく算定できることがわかった.
  • 亀井 健史, 志比 利秀, 塚本 真希, 伊藤 哲男, 出口 宗浩
    2012 年 68 巻 3 号 p. 466-474
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/07/20
    ジャーナル フリー
     近年,廃石膏ボード排出量の増大と廃石膏の管理型処分の義務化に伴う処分費の高騰や最終処分場の残余容量の逼迫等,廃石膏処分を取り巻く環境は非常に悪化している.本研究では廃石膏の路床土へのリサイクルを考え,廃石膏ボードから再生した半水石膏を種々の割合で砂に添加した締固め供試体に対してCBR試験を実施した.なお,半水石膏からの重金属溶出を抑制するためにセメントを少量添加した.その結果,最適含水比は半水石膏添加率の増加に伴い増加するが,最大乾燥密度は半水石膏添加率20%までは増加するものの40%では減少した.また,半水石膏を添加した場合のCBR値は,最適含水比付近で最大値を示し,添加しない場合と比較しても明瞭な強度低下は認められなかった.以上から,半水石膏が路床土として有効利用可能なことを示している.
  • 大竹 雄, 本城 勇介
    2012 年 68 巻 3 号 p. 475-490
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
     著者らは先に,地盤構造物の信頼性解析に当たり,地盤パラメータの空間的なばらつきと,これに伴う統計的推定誤差を評価する理論の基本的枠組みと方法について提案した.具体的には,地盤を定常確率場として単純化・理想化した上で,この確率場より得られた限られた数の標本により,確率場の任意地点の局所平均値を推定する問題を定式化した.本研究は,この理論における空間的ばらつきの評価法を検証するため,基礎構造物の典型的な設計例題に適用し,確率場の生成に基づいた有限要素法によるモンテカルロシミュレーション解と比較した.また,本評価方法を汎用的に適用できるように局所平均の範囲の与え方について,具体的な方法,留意点を取りまとめた.
  • 本城 勇介, 大竹 雄
    2012 年 68 巻 3 号 p. 491-507
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
     著者らは先に,地盤構造物の信頼性解析に当たり,地盤パラメータの空間的なばらつきと,これに伴う統計的推定誤差を評価する理論の基本的枠組みと方法について提案した.具体的には,地盤を定常確率場として単純化・理想化した上で,この確率場より得られた限られた数の標本により,確率場の任意地点の局所平均値を推定する問題を定式化した.地盤パラメータ局所平均の推定は,調査位置と構造物建設位置を特定しない一般推定と,これを特定する局所推定に分けて定式化され,それぞれの場合の統計的推定誤差を評価する理論が提案された.本論文はこの結果を受け,実際の地盤データを用いて,先に提案された地盤パラメータの局所平均の統計的推定誤差評価理論の妥当性を検証する.さらに沖積粘性土層の非排水せん断強度の特性値設定の例題を示す.
  • 檀上 徹, 酒匂 一成, 深川 良一, 酒井 直樹, 岩佐 直人, Nghiem Minh Quang
    2012 年 68 巻 3 号 p. 508-525
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
     降雨時の表層すべり型崩壊の主な要因として,雨水浸透に伴う土塊自重の増加,土のせん断強度の低下,地下水位上昇による浸透力増加が挙げられる.現在,雨量指標を用いた避難警報システムが実用化されているが,避難警報の精度向上のためには,降雨強度に加え,地盤内の浸透や変形特性を把握し,反映させることが重要であると考えられる.本論文では,まさ土を用いた室内模型斜面を用いて,降雨により斜面が不安定化する過程を負の間隙水圧,変形量,地下水位などの計測結果から考察した.また,現地斜面計測結果を用いて,室内土槽試験で観察された過程の現地適用性について考察した.以上から,降雨時の表層すべり型崩壊の予測や避難のタイミングの検討において,潜在すべり面になりうる基盤層付近の不飽和浸透挙動の把握が重要であることが分かった.
  • 甲村 雄一
    2012 年 68 巻 3 号 p. 526-534
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
     トンネルの計測管理の一手法として,岩石の限界ひずみによってトンネル周辺や構造物の安定性を評価する方法がある.限界ひずみは加圧軸方向の軸ひずみの弾性成分と考えられる.本研究では,まず,桜井が提案した岩石の限界ひずみの求め方を整理する.次に,5種類の岩石を用いた一軸圧縮試験および一軸引張試験の結果から,圧縮応力下で岩石が破壊に至るメカニズムについて考察するとともに,破壊のメカニズムを考慮した新しい岩石の限界ひずみの設定法を提案した.さらに,桜井による限界ひずみと本研究で提案する限界ひずみの比較を行う.提案した方法による限界ひずみと桜井の方法による限界ひずみには大きな差は見られないことがわかった.加えて,異方性,含水状態および三軸圧縮状態における拘束応力が限界ひずみに及ぼす影響について考察する.
  • 熊本 創, 下茂 道人
    2012 年 68 巻 3 号 p. 535-546
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
     堆積岩などの比較的多孔質な岩盤を対象としたトレーサー試験を行う際は,トレーサーの主要な移行経路となる亀裂内の移流・分散パラメータ(流速,分散係数)に加え,亀裂から岩石基質部への拡散現象を支配するパラメータ(マトリクス拡散係数)の評価が求められる.しかし,単成分のトレーサー試験を一回実施しただけでは,これらのパラメータを同時に評価することは困難である.本稿では,これらのパラメータをトレーサー試験結果から同時に評価する際の結果の妥当性について,一次元の移流・分散とマトリクス拡散を考慮した支配方程式の理論解を用いて説明するとともに,各パラメータを一度に決定するための新しい試験方法を提案した.
  • 藤原 優, 酒井 俊典
    2012 年 68 巻 3 号 p. 547-563
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
     グラウンドアンカー(以下,アンカー)が施工された法面の安定性は,荷重計測用のモニタリング機器(以下,荷重計)を用いて緊張力を管理し,緊張力変化の収束などを踏まえ評価されている.しかしながら,荷重計の計測値は安定した地盤であっても外気温などの影響により一定値を示さないことがある.また,既設アンカーへの荷重計の後付けなどが極めて困難といった課題もあり,現在までに適切なモニタリング手法が定められていない.本論では,複数の法面における荷重計測データから荷重計の計測値が示す特性について分析を行うとともに,荷重計の機能検定方法や荷重計を既設アンカーに着脱する技術を新たに開発し,適切な残存引張り力のモニタリング手法についての提案を行った.
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