土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
69 巻 , 2 号
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和文論文
  • 仲山 貴司, 澤田 亮, 平岡 陽, 赤木 寛一
    2013 年 69 巻 2 号 p. 162-173
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/19
    ジャーナル フリー
     近年,薬液注入工法については数多くの研究開発が進められ,液状化対策のように長期的な改良効果を期待する工事にも利用されている.しかし一方で,設計の観点からは,長期経過後の薬液注入工法による改良体の物理的な状態変化を定量的に予測する手法がないことが課題となっていた.そこで本研究では,実験室で促進養生した改良体の物性値変化を把握し,この物性値変化に薬液に含まれるシリカが密接に関係していることを解明した.この促進養生に伴う改良体内部のシリカ濃度変化を表現できる拡散方程式に基づく数値解析手法を構築し,その妥当性を促進養生試験結果をもとに確認した.さらに,この手法を利用して実地盤における薬液注入による改良体の100年後の物理的な状態を推定し,改良体の耐久性評価の考え方を提案した.
  • 大木 基裕, 関 雅樹, 永尾 拓洋, 中野 正樹
    2013 年 69 巻 2 号 p. 174-185
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/19
    ジャーナル フリー
     異種構造物が連続する鉄道においては,各構造物の耐震性能を同一の指標で評価し均衡を図りながら線区全体の耐震性能を向上させることが重要である.また,耐震補強は破壊機構を考慮した工法を選択することが重要である.本研究では,盛土の耐震性能の評価とその向上を目的とし,既往の模型実験,および,地盤条件,盛土高さ,地震動をパラメータとした模型実験により,盛土の破壊形態を5つに分類し,変形レベルを踏まえた対策箇所判断基準を策定する考え方を示した.また,タイロッドおよび地山補強土工による盛土耐震補強工法の効果と設計法の妥当性を示し,各破壊形態に応じた合理的な補強工法を提案した.
  • 吉田 秀典, 岡村 隆一郎, 坂本 達哉
    2013 年 69 巻 2 号 p. 186-200
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/19
    ジャーナル フリー
     岩盤の変形および透水特性は,岩盤に包含される不連続面に支配されることが知られている.トンネルなどの空洞が掘削される場合,トンネル周辺岩盤の応力は複雑に変化するが,その際の不連続面の変形および透水特性の変化については,依然,不明瞭な点も多い.そこで本研究では,変形試験と透水試験を同時に行うことのできる独自の試験機を用いて,人工供試体に対して透水-変形連成試験を実施し,不連続面の有無,開口部の有無,そして応力の変化などが,供試体の変形および透水特性に及ぼす影響について調べた.その結果,不連続面を有する供試体において,応力を変化させた際に,不連続面を含む供試体の場合,透水係数が急激に変化するのに対し,不連続面を含まない供試体ではほとんど変化しないことなどが判明した.
  • 磯 秀幸, 渡邊 保貴, 小峯 秀雄, 安原 一哉, 村上 哲, 蛭田 俊明, 戸祭 優, 豊田 和弘
    2013 年 69 巻 2 号 p. 201-210
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/05/20
    ジャーナル フリー
     水道事業から排出される浄水汚泥を道路構成材料として有効利用する上で,これまで室内試験により浄水汚泥の工学的性質が研究されてきた.本研究では,室内CBR試験に加え,その結果を検証するために水道管埋設工事を想定した試験施工を実施した.使用した試料は,管路の埋戻し材に広く用いられる山砂,脱水方法の異なる2種類の浄水汚泥およびそれらと山砂の混合土である.試験施工では,19カ月間にわたり路面沈下量を測定し,試験施工の解体時に現場密度試験を行った.その結果,各浄水汚泥単体および山砂との混合土は,山砂と遜色ない要求性能を示すことが実証された.そして,室内試験および試験施工の実験事実から,室内CBR試験に基づく浄水汚泥を路床材料として用いるための品質管理フローを示した.
  • 八代 和幸, 横山 秀史, 太田 岳洋
    2013 年 69 巻 2 号 p. 211-225
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/05/20
    ジャーナル フリー
     近年,レール頭頂面の凹凸により地盤振動が顕著に増大した事例が報告され,軌道不整による影響が無視できない場合があることが確認されている.本報告では軌道不整の地盤振動への影響について,数値シミュレーションにより検討した.その結果,振動値が軌道不整波形に依存して線路方向の空間変動が見られる場合,振動の最大値および最小値は軌道不整波形の凸部および凸部の直前に位置していること,振動値の線路方向の平均が増加する範囲では,列車速度に関わらず軌道状態を表す振幅の対数にほぼ比例して平均振動値が増加することが分かった.上記の軌道不整波形に依存した振動値の変動や振幅の対数に比例した平均振動値の増加が見られる範囲は,列車同期成分と位置同期成分の振動値の寄与割合が影響していると考えられる.
  • 坂井 晃
    2013 年 69 巻 2 号 p. 226-238
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/05/20
    ジャーナル フリー
     地震時土圧として使用されてきた物部岡部式は,水平震度が大きくなると主働土圧が急増する傾向があり,かつすべり面角もすべり土塊が現実に存在し得ないような大きな領域となる.このような問題点を改善する方法として,すべり面の発生とひずみ軟化挙動を考慮した修正物部岡部式が提案されている.本研究は,物部岡部式と修正物部岡部式に用いられる同一の水平震度を土くさび内に作用させる震度設定法に対して,水平震度分布の低減効果を考慮した新たな震度設定法を提案する.対象擁壁としては,逆T型擁壁を使用し,仮想背面上の土圧合力作用角の設定法を提案するとともに,新たな震度設定法を用いた土圧計算結果と物部岡部式・修正物部岡部式を用いた結果を比較検討した.
  • 桑嶋 啓治, 兵動 正幸, 上 俊二
    2013 年 69 巻 2 号 p. 259-271
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    ジャーナル フリー
     破砕性土地盤における杭の支持力特性を把握するため,破砕性材料であるカーボネイト砂と,その比較として粒子の堅固なシリカ系の砂である豊浦標準砂を用いて模型杭載荷実験を行った.それぞれの地盤材料に対して,模型杭載荷実験より得られた先端支持力を比較検討し,さらに破砕性土地盤における支持力発現特性を詳細に調べるための模型杭載荷実験で用いた試料の一次元圧縮試験や,模型杭載荷後における地盤の変形の観察,そして土粒子の破砕の程度を調べるために,ふるい分け試験を行った.
     ふるい分け試験より得られた粒径加積曲線の変化より残留率を評価し,試料の粒子破砕率を比較検討した.その結果,杭の支持力発現機構には,土粒子の破砕が大きく依存していることや,地盤の変形と土粒子の破砕との対応関係を示した.
  • 重松 宏明, 西澤 誠, 薮下 諒二, 吉村 康平, 田中 均, 辻 要
    2013 年 69 巻 2 号 p. 272-284
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    ジャーナル フリー
     廃石膏ボードから再生した半水石膏を石灰系固化材の添加材として利用した場合,どの程度の強度発現効果(安定処理効果)が見込めるのかを,2つの視点に立って実験的に検証した.1点目はエトリンガイトの析出によって安定処理土が膨脹した場合,強度発現がどの程度阻害されるのかを,2点目は本固化材を用いた場合の処理対象土の物性の違いによる強度発現性の良否を一連の室内実験で明確にした.それと同時に,各安定処理土中に析出したエトリンガイトの結晶形態や大きさ,土粒子とのインタラクションを走査型電子顕微鏡(SEM)で視覚的に捉え,それが土の強度発現と密接に関係していることを理解した.
和文報告
  • 中澤 博志, 菅野 高弘
    2013 年 69 巻 2 号 p. 239-258
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/05/20
    ジャーナル フリー
     砂質地盤において,締固め工法を実施した改良地盤に隣接する地盤が液状化した際,改良地盤内に過剰間隙水圧が伝播することが知られている.改良地盤内に過剰間隙水圧が伝播すると,改良地盤の有効拘束圧が低下するために地盤剛性の低下や過剰間隙水圧の消散に伴う地盤変形が予想される.そこで,本研究では,過剰間隙水圧が伝搬する状況を再現するため,現地採取試料や硅砂を用い,三軸供試体および中空供試体に数種類の背圧を加圧させた試験を実施し,過剰間隙水圧が負荷される前後のせん断剛性と水圧消散に伴う体積ひずみを計測した.また,数種類の過剰間隙水圧比を設定し,非排水繰返しせん断試験を行い,背圧を加圧させた試験結果と比較した.その結果,過剰間隙水圧発生条件により,液状化後の改良地盤の残留変形が大きく異なることを示した.
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