土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
70 巻 , 4 号
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和文論文
  • 手塚 広明, 山内 崇寛, 岡田 直仁, 川西 敦士, 龍岡 文夫
    2014 年 70 巻 4 号 p. 328-339
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     深層混合処理工法の一種である高圧噴射攪拌工法は,小型機械で大口径・高強度のセメント改良地盤を造成できることから,既設施設の液状化対策・耐震補強として適用される事例が急増し,改良地盤の変形・強度特性を正確に推定することが求められる.一方,高圧噴射攪拌工法によるセメント改良地盤は,非一様性が相対的に高く従来の品質管理である不攪乱コア試料の一軸圧縮試験では,その力学的挙動を連続的に適切に評価しているとは言い難い.
     本研究では,高圧噴射攪拌工法による非一様性の高いセメント改良地盤に対して,迅速性かつ連続的評価の特徴を持つ原位置PS検層による弾性波速度に基づく品質評価法の検証をした.この手法を用いることで,連続的に改良体の力学的挙動を適切に行うことができるため,従来の品質管理を高精度化できる可能性がある.
  • 橋本 毅, 藤野 健一, 建山 和由
    2014 年 70 巻 4 号 p. 340-352
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     盛土の締固め施工において,大型の搭乗型締固め機械が進入できないような狭隘部,埋設管の埋め戻し工事や構造物近傍などの施工場所で使用される小型平板式振動締固め機械の締固め能力を,試験盛土を行わずに表すことを目的とし,機械仕様から算出することができる締固め能力を表す指標の検討を行った.まず,締固め機械下部の土中応力に着目し,土中応力を表す計算式から,任意の深さ区間における締固め能力を表す指標の提案を行った.つぎにこの指標の適用性を,実際の締固め機械を用いた室内実験ピットにおける土槽実験結果により検証した.さらにこの検証結果を利用し,個々の現場で要求される締固め度を満足させることが可能な機種および施工厚さを,機械仕様から選定する手法の提案を行った.
  • 熊本 創, 下茂 道人, 天野 健治
    2014 年 70 巻 4 号 p. 353-365
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     多孔質岩盤中の亀裂を対象にトレーサー試験を行う場合,亀裂内の移流・分散パラメータ(流速,分散係数)に加え,亀裂から岩石基質部への拡散パラメータ(マトリクス拡散係数)の評価が求められる.既往の研究では,これら全てのパラメータを求める方法として,分子拡散係数の異なる複数成分の混合溶液を用いたトレーサー試験法(マルチトレーサー試験)が提案されている.著者らは,先の研究において,同試験法により上記のパラメータを同定するには,試験の流量条件を適切に設定する必要があることを示し,その設定手法を提案した.本研究では,著者らが提案した手法の検証のために,人工の平行平板亀裂を配した珪藻質泥岩を用いた室内試験を実施した.また,試験を効率的に進めるための手順を新たに提案し,室内試験によりその適用性を確認した.
  • 本城 勇介, 大竹 雄
    2014 年 70 巻 4 号 p. 372-386
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
     著者らは,これまで構造工学分野で中心的に発展してきた信頼性解析法を,地盤構造物に即したものに変換するとともに,実用的な地盤構造物の信頼性解析法の構築に向けた要素技術の研究を進めてきた.本論文では,これまでの研究を踏まえて,提案する信頼性解析法の全体象と具体的な手順を示している.その上で,直接基礎を例題として,実際の地盤調査データを用いた具体的な試設計を行い,その不確実性の分析から,現行設計法の課題を示すとともに,信頼性解析により得られる情報が,設計者に有効な情報を与えることを示した.
  • 林 健太郎, 山崎 浩之, 善 功企
    2014 年 70 巻 4 号 p. 387-394
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/19
    ジャーナル フリー
     溶液型薬液注入工法による改良土の強度は,地盤自体の密度や粒度分布,注入する薬液の濃度や注入後の材齢などによって影響を受けるが1),深層混合工法2)などと比べて,固結強度のばらつきが大きい工法である.本論文では,地盤内に浸透注入された薬液の濃度の希釈現象に着目して,移流拡散式による薬液濃度変化の理論的な解析,均等係数が1.5程度のケイ砂を用いた室内注入実験並びに現地実験を行い,固結強度のばらつきの原因について検討を行った.この結果,溶液型薬液注入における改良強度のばらつきの主原因は,移流拡散による薬液の希釈ではなく,注入終了時から固結が開始するまでの間に生じる,薬液と間隙水の比重差に起因する薬液の沈降による希釈であることが判明した.
  • 松丸 貴樹, 渦岡 良介
    2014 年 70 巻 4 号 p. 395-411
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/19
    ジャーナル フリー
     本論文では,土骨格-間隙水-間隙空気を対象とした三相系多孔質体理論に基づく動的解析手法により,不飽和状態の盛土の地震時挙動の解明を試みた.この中で,不飽和土を対象としてサクションの増加によって塑性体積ひずみの増加が緩慢となる構成式を構築し,解析手法への導入を行った.提案した構成式により不飽和砂の繰返し三軸試験の解析を行ったところ,従来のモデルとは異なり繰返し載荷前のサクションの大きさに応じた挙動を適切に評価できることがわかった.また,この構成式を組み込んだ動的解析手法により不飽和状態にある盛土の振動台実験の解析を行ったところ,実験の盛土の挙動を再現することができ,手法の妥当性を検証した.さらに,数値解析により得られた応力やひずみなどの挙動から,盛土の破壊メカニズムを説明することができた.
  • 青柳 和平, 津坂 仁和, 窪田 健二, 常盤 哲也, 近藤 桂二, 稲垣 大介
    2014 年 70 巻 4 号 p. 412-423
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/19
    ジャーナル フリー
     著者らは,幌延深地層研究所の250m調査坑道において弾性波および比抵抗トモグラフィにより,掘削損傷領域の弾性波速度や見掛比抵抗値の経時変化を計測している.弾性波トモグラフィ調査では,坑道掘削に伴い,壁面から約1mの範囲で弾性波速度が低下した.一方,比抵抗トモグラフィ調査では,掘削に伴う顕著な比抵抗変化は見られなかった.さらに,坑道壁面の割れ目の観察結果に基づいて,調査領域の三次元割れ目モデルを作成して,坑道掘削後の弾性波トモグラフィ調査で得られる各測線の弾性波速度と割れ目密度の関係を分析したところ,割れ目密度の増大とともに弾性波速度が低下することが明らかとなった.このことから,弾性波トモグラフィ調査と割れ目密度の検討により,掘削損傷領域を適切に評価できることが示された.
  • 早野 公敏, 山内 裕元, 佐々木 孝太, 藤嶋 恵輔
    2014 年 70 巻 4 号 p. 424-432
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/19
    ジャーナル フリー
     浚渫土や建設汚泥,泥土など液性限界を上回る高含水状態の土(液状泥土)を造粒固化する新たな方法として,“ほぐし”に着目した検討を行った.一般に,海成粘土を原料土とした液状泥土に普通ポルトランドセメントを添加して直後に撹拌しても造粒物は得られない.しかし,数時間から1日程度の養生期間を設けると処理土は液状から塑性状,そして半固体状になり,ほぐしながら再撹拌すると造粒物が得られた.そして,ほぐしの時期を変えることにより,造粒物の粒度分布を柔軟に変更できる.所定の粒度分布の造粒物を得るためには,処理土のコーン指数を管理してほぐしの時期を決定すればよく,液状泥土の初期含水比や養生時間とは無関係である.また,ほぐしの時期は造粒物の粒子強度に影響を与えず,粒子強度は主にセメント添加率によって支配される.
和文ノート
  • 森 友宏, 石井 亘, 風間 基樹
    2014 年 70 巻 4 号 p. 366-371
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     2011年東北地方太平洋沖地震では,谷埋め盛土造成地の切盛境界付近において生じた地盤の開口亀裂や不同沈下によって,家屋に甚大な被害が発生した.谷埋め盛土の切盛境界付近の地盤変形は旧地形の形状に影響を受けるため,地盤の変形メカニズムの検討を行うためには三次元形状を考慮する必要がある.地盤の耐震性を検討する際には,しばしば模型振動実験が行われるが,その場合,模型地盤内の三次元変位を計測する必要がある.本ノートでは,模型地盤内に多層の色砂格子層を設置することにより模型地盤内の三次元変位を計測する手法を紹介する.本手法により模型地盤内の三次元的変形を扱うことができる.
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