土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
72 巻, 1 号
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和文論文
  • 新舎 博, 堤 彩人, 熊谷 隆宏, 北詰 昌樹
    2016 年 72 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
     軟弱な粘土地盤にPVDを打設して圧密改良を行うと,PVDは沈下に伴って曲がり,曲がりが大きくなると,PVDの通水性能が大きく低下する可能性がある.そこで,高含水比に調整した粘土の真空圧密土槽実験(土槽は直径30 cmあるいは76 cm×長さ5 m)を行い,圧密終了後に PVD の曲がり形状を測定した.次に,PVDの曲がり形状を弾性体内の柱の座屈理論を適用して推定し,実験値と比較した.PVDの通水性能に関しては,遮水シートを巻きつけたPVDを強制的に曲げ,水頭差を与えて曲がり形状と通水量の関係を求めた.最後に,現場でのPVDの曲がり形状を想定し,PVDの曲がりが圧密速度に及ぼす影響について考察した.
  • 尾上 博則, 三枝 博光, 竹内 竜史
    2016 年 72 巻 1 号 p. 13-26
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
     断層や高透水性の亀裂が多い日本の結晶質岩地域を対象に,段階的な調査の進展に伴い取得される情報に基づき,より精緻な水理地質構造モデルを構築することを目的として,日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画の研究坑道掘削に伴う坑道への湧水と周辺の地下水圧の変化を用いた地下水流動のモデル化・解析を実施した.その結果,大規模な水理学的コンパートメント領域が研究坑道周辺に複数形成されており,それが深度500mに及ぶ地下水流動特性の変化に影響を及ぼすことを明らかとした.さらには,地下施設建設時に取得される水理関連データやそれらを用いたモデル化・解析が,地下施設周辺の地下水流動特性の推定に有効であることを示した.
  • 広瀬 孝三郎, 松原 仁, 原 久夫
    2016 年 72 巻 1 号 p. 27-37
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     マッドペーストの乾燥収縮亀裂は,土粒子と乾燥-湿潤サイクルの相互作用やペーストの状態変化に伴って,極めて複雑な力学的挙動を示すことが知られている.本研究では,ベントナイトペーストに発生するMudcrackのフラクタル次元を明らかにし,また,乾燥過程におけるフラクタル次元の経時変化および粒度組成に伴う変化,さらに,乾燥-湿潤繰返しが亀裂パターンおよびフラクタル次元に及ぼす影響について検討した.その結果,Mudcrackのフラクタル次元は,乾燥時間に伴って一定値に収束し,体積収縮率と密接な関係があることが明らかとなった.一方,Mudcrackのフラクタル次元と亀裂進展長さに関しては統一的な関係はみられないが,乾燥-湿潤サイクル実験により,亀裂は過去に発生した亀裂箇所で再度発生することが分かった.
  • 須山 翔太, 清田 隆, 小長井 一男, 京川 裕之, 上村 健太, 濱中 亮
    2016 年 72 巻 1 号 p. 38-47
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
     2011年東北地方太平洋沖地震により,関東地方では東京湾沿岸部に代表される若年埋立地盤を中心に顕著な液状化が発生し,それに伴う構造物の様々な被害が発生した.本稿では,特に甚大な液状化被害が生じた千葉県浦安市を対象に,著者らが整備した液状化地盤沈下マップを用いて,液状化に起因する道路等の沈下量を抽出した.これらのデータ分析により,道路の舗装・路盤層厚が厚いほど液状化による沈下量は小さくなる傾向が確認された.また,液状化の程度を示すPL値と道路沈下量の関係においても上記の影響が認められ,液状化による地盤沈下予測やPL値に基づくハザードマップの高度化に資する結果を得た.更に,液状化対策として地盤改良が施されていた地区を対象とした沈下分析も行い,液状化後の沈下量に及ぼす地盤改良工法の効果を定量的に示した.
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