土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
73 巻 , 1 号
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和文論文
  • 澤村 康生, 石原 央之, 岸田 潔, 木村 亮
    2017 年 73 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
     3ヒンジプレキャストアーチカルバートは本体にヒンジ機能を有する柔な構造であり,従来型のカルバートとは異なる設計思想に基づいている.このため,現状では耐震設計を必要としない慣用設計法を適用することができない.これまで筆者らは,実構造の1/5スケールを対象とした強震応答実験を実施し,同構造の損傷過程について検討を行った.本研究では,耐震設計に用いる数値解析手法の検討を目的に,動的解析による振動台実験の再現解析と,実験で計測された最大変位を静的に与える静的解析を実施した.その結果,周辺地盤に強制変位を与える静的解析を用いた場合にも損傷進行過程を適切に表現可能であることから,同構造の耐震設計を行う際には,静的解析による照査法が適用可能であることが確認された.
  • 文村 賢一, 西村 強, 河野 勝宣
    2017 年 73 巻 1 号 p. 11-22
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
     解析対象をばねで連結した質点系でモデル化する解析手法に対して,ばね係数を弾性係数とポアソン比に基づいて算出する式を導入するとともに,(弾性係数とポアソン比の)入力値の再現に与える影響について連結形式に注目して解析例を示している.本文では,質点間相対変位量から剛体回転量を除去して純粋な変形に対して応力を求める手順も記述している.圧裂試験モデルや中央クラックを有する板の応力・変形解析例を示して,本解析手法が,岩石をはじめとする材料の変形から破壊の発生を表現できる可能性を有する解析法であることを示している.
  • 石丸 真, 岡田 哲実, 中村 大史, 河井 正, 風間 基樹
    2017 年 73 巻 1 号 p. 23-38
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/02/20
    ジャーナル フリー
     近年,岩盤斜面の地震時安定性評価において,岩盤の破壊箇所や残留変位量を評価できる時刻歴非線形解析の実用化が望まれている.本研究では,より合理的な地震時すべり安定性評価手法の構築を目的として,軟岩斜面を対象とした検討を実施した.本論文では,まず,時刻歴非線形解析において岩盤の破壊後の挙動を定量的に評価するため,室内試験によりせん断破壊後のひずみ軟化過程における強度変形特性を把握し,解析におけるモデル化に反映した.次に,軟岩斜面の動的遠心力模型実験を対象として解析手法の適用性について検討を行い,せん断破壊後の強度変形特性を適切に考慮することで,残留変位が実験結果と概ね整合することを確認した.
  • 中島 進, 篠田 昌弘, 渡辺 健治, 佐名川 太亮, 阿部 慶太, 河井 正, 中村 晋
    2017 年 73 巻 1 号 p. 45-61
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/02/20
    ジャーナル フリー
     斜面の安定問題は古典的な問題であるものの,複雑な動的応答特性と崩壊挙動を解明するため,未だ研究が進められている.特に複雑な地質特性や地層構成,ばらつきのある地盤物性を有する自然斜面の安定性を評価するのは容易ではない.本研究では岩盤斜面を対象に,その動的応答特性と崩壊挙動を明らかにするため,動的応答特性と破壊挙動の異なる二体の大型斜面模型を構築し,大型振動台による水平・鉛直同時加振による加振実験を実施した.加振実験結果により,水平方向と鉛直方向加速度の位相差により斜面模型の動的応答が異なることが分かった.さらに,すべり面の進行の様子を精密に計測することに成功し,斜面模型の崩壊挙動を明らかにした.
  • 尾川 七瀬, 石原 行博, 北村 精男
    2017 年 73 巻 1 号 p. 62-75
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/02/20
    ジャーナル フリー
     圧入工法は,静的な油圧力を用いて既成の杭/矢板を施工する工法である.すでに施工された杭/矢板から反力を得るので,複数の杭/矢板から成る連続壁が効率よく構築される.筆者らは,土留め壁などの,杭/矢板の連続壁で構成され,適切な根入れ長を有して外力に抵抗する構造を,インプラント構造と称している.本稿では,その一つである傾斜した自立式土留め壁,および,供用中の変形を低減することを意図した新しい形式の自立式土留め壁について,模型実験および現場実験を実施したので,その内容を報告する.後者は,掘削後に壁体頭部に水平力を事前載荷して構築される構造物で,背面側上載圧付与時の変形を抑制する効果を有することが確認された.最後に,掘削時,水平力付与時および背面側上載圧付与時の変形量の推定方法についても言及する.
  • 中村 晋, 中島 進, 阿部 慶太, 渡邊 健治, 篠田 昌弘
    2017 年 73 巻 1 号 p. 76-92
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/02/20
    ジャーナル フリー
     本論は,アンカー工により補強した斜面の補強効果および崩壊機構を明らかにするため,崩壊に至った斜面模型を含む振動実験の結果を基に,斜面や補強工の応答性状の分析を行った.さらに,大変形から崩壊に至る挙動が解析可能な解析手法(MPM)を用い,補強効果の検証を実施した.対象とした振動実験は,大きさの異なる斜面模型を対象とした1G場での振動実験である.その結果,補強斜面の崩壊は,弱層上部の非線形化により地盤が緩み,静的アンカー張力が減少したことにより弱層と表層部の振動の増大とアンカーの破断強度に達する引張り応答の増大により生じたことが明らかとなった.また,MPMにより,アンカー工の補強効果として,締付け効果の影響が大きいこと,さらにMPMは補強した斜面の挙動を再現可能であることが明らかとなった.
  • 小泉 圭吾, 櫻谷 慶治, 小田 和広, 伊藤 真一, 福田 芳雄, Maria Q. FENG, 竹本 将
    2017 年 73 巻 1 号 p. 93-105
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/20
    ジャーナル フリー
     近年の突発的かつ局所的な集中豪雨に伴う斜面災害に対し,現行の降雨規制基準のみでは,適切な通行止め,あるいは通行止め解除の判断が困難な場合がある.本研究では,現行の降雨規制基準の補助的指標を見出すことを最終目的とし,そのための基礎研究として小型模型スケールで上記指標の検討を行うこととした.模型斜面実験において,斜面が崩壊するまでの浸透と変形挙動を捉えた結果,本論で定義した初期擬似飽和体積含水率を超えた付近から変形が始まることが確認された.この初期擬似飽和体積含水率と変形の関係に着目することで現行の降雨規制基準の補助的指標を提案できる可能性が示唆された.今後は,模型スケールを拡大した同様の実験により,本研究結果の再現性を検証していく予定である.
  • 大塚 悟
    2017 年 73 巻 1 号 p. 106-115
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/20
    ジャーナル フリー
     本論文は,地すべりの誘因に着目して,せん断応力を一定に制御して垂直応力または平均有効応力を減少させる応力制御試験の結果をとりまとめたものである.三軸圧縮試験機およびリングせん断試験機による,粘性土の変位発生の閾値(降伏応力)および破壊点(ピーク応力)を調査した.その結果,変位発生の閾値はいずれの試験も,粘性土の強度線(せん断抵抗角)で表現されることを示した.リングせん断試験においては,初生すべり型地すべりは変位制御試験のピーク強度,再すべり型地すべりは残留強度のように,変位発生の閾値を表すせん断抵抗角はせん断履歴によって変化することを明らかにした.地すべりの設計に対して,変位発生の閾値としての強度定数(せん断抵抗角)の工学的意義を明らかにした.
和文ノート
  • 森田 修二, 今泉 和俊, 三澤 孝史
    2017 年 73 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では原位置における不飽和透水試験法の開発を行った.原位置における試験方法は幾つか提案されているが,いまだ確立された方法がない.東日本大震災における津波堆積物など地表面からの汚染の拡散を把握するためには不飽和領域の地下水の流れを知ることは重要である.本手法は地表から注水する測定方法の1つであり,注水圧力を100kPa程度まで任意に設定できるので,難透水性地盤にも適用できる効率的な測定方法である.簡易な方法であるが,不飽和特性のパラメータや飽和透水係数の同定が可能である.現地での実証試験により十分に適用可能な試験方法であることを確認したので報告する.
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