土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
74 巻 , 4 号
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和文論文
  • 川崎 祐征, 植松 嵩之, 加藤 信二郎, 早野 公敏
    2018 年 74 巻 4 号 p. 388-407
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     東海道新幹線の土構造物区間では,路盤噴泥が発生していないにもかかわらず軌道保守作業の年間施工回数が他と比較して多い箇所が存在するが,その発生原因については必ずしも明らかではない.そこで,東海道新幹線の土構造物区間における保守多投入箇所の発生原因を解明することを目的として地盤調査および路盤調査を実施した.その結果,保守多投入箇所と軌道状態が良好な箇所では地盤特性に大きな違いはないものの,保守多投入箇所では軌道状態の良好な箇所と比較して道床バラスト層の厚さが薄いまたは軌道内が滞水している傾向にあることが明らかとなった.
  • 渡邉 健治, 工藤 敦弘, 小島 謙一, 森川 嘉之, 高橋 英紀, 島田 貴文, 佐藤 武斗
    2018 年 74 巻 4 号 p. 408-423
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     本研究では,軟弱粘性土地盤上の盛土に腹付け盛土を施工した場合の軟弱粘性土地盤および既設盛土の挙動の評価,さらに偏荷重を受ける軟弱粘性土地盤内で高い安定性を発揮する対策工の検討を行うために系統的な遠心模型実験を実施した.実験の結果,腹付け盛土の施工により,既設盛土のり尻付近で鉛直・水平方向に大きな変形が生じ,それに伴い腹付け盛土前面地盤の隆起および既設盛土の連れ込み沈下が確認された.これらの変状に対して柱状改良を施工した場合,水平方向の変形に抵抗する効果が限定的であることが分かったため,改良体の水平支持性能を高めるために壁式改良とセメント改良礫土スラブを併用した対策工を提案した.その結果,柱状改良と比較して低い改良率でも,盛土体および改良体前面地盤の変形量が小さくなることを確認した.
  • 藤原 優, 永田 政司, 佐藤 尚弘, 滝口 潤
    2018 年 74 巻 4 号 p. 424-438
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     切土のり面は,顕著な崩壊性要因が認められない場合においても,供用してから風化などの要因により経年的に安定性が低下していくことが考えられる.これに対して,のり面勾配や岩種などの違いが切土のり面の長期安定性に与える影響を考慮した上で緩勾配化や法面保護工などの対策を適宜実施できれば,維持管理の負担軽減につなげることができる.高速道路では,全国で96箇所の切土のり面を選定し,建設段階からのり面観察や弾性波探査などの調査を継続的に実施している.本論文は,このうち約40年間の計測データを蓄積した東北自動車道の16箇所を対象として,のり面勾配や岩種などの違いが切土のり面の長期安定性に与える影響を評価した.
  • 浅野 翔也, 成田 浩明, 中島 進, 篠田 昌弘, 中村 晋
    2018 年 74 巻 4 号 p. 439-458
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     グラウンドアンカーで補強された斜面の遠心模型実験の結果から,アンカー補強斜面の地震時残留変位量評価法を提案した.遠心模型実験結果の分析からアンカー補強斜面の地震時挙動は,アンカー抵抗力の段階的な発現や喪失の影響を強く受けることが分かったが,これらは極限釣合いでは考慮できない.そこで,FEMで評価したアンカー抵抗力の変化をNewmark法で考慮する残留変位量の評価法を提案した.模型実験の検証解析の結果,提案手法による計算値は通常のNewmark法では評価できないアンカーの抵抗特性を反映し,実測値と比較的良好に整合することを確認した.また,実大規模のモデル斜面に対して,提案手法を用いて計算を行った結果,変状を許容できない従来の極限釣合いに基づく手法と比較してアンカー補強量を低減できる可能性があることを示した.
  • 重松 宏明, 山栗 祐樹
    2018 年 74 巻 4 号 p. 459-468
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     石灰安定処理土の養生初期における力学特性を解明するために,固化材混入後に静的締固めした供試体に対して,一連の室内実験を実施した.先ず等方圧密試験の結果から,石灰系固化材の混合割合が土の圧縮特性(圧密降伏応力,圧縮性・膨潤性)に多大な影響を及ぼすことを明らかにした.次に圧密非排水三軸圧縮(CU)試験の結果から,重・軽過圧密から正規圧密まで,異なる圧密履歴を受けた石灰安定処理土のせん断強度・ダイレイタンシー特性を把握した.最後に,一連のCU試験の結果を集約して求めた見かけの粘着力と内部摩擦角Φ´から,固化材混入量の多少によって,土の強度定数がどのように変化していくのかについても確かめた.
  • 小松 晃二, 兵動 正幸, 鈴木 素之
    2018 年 74 巻 4 号 p. 469-487
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     グラウンドアンカーの設計では,アンカー体の引抜き抵抗力はアンカー体の長さと外径に正比例することを前提としている.しかし,アンカー体に発生する摩擦応力は一様に分布しないことから,アンカー体の引抜き抵抗力は長さに正比例せず,摩擦応力の伝達長にも制限がある.また,アンカー体自体もアンカー荷重の増減により不規則に変形するため,アンカー体の外径と引抜き抵抗力に線形関係が成立しないことも考えられる.筆者らは,アンカーの現場引抜きおよび引張り実験を行い,アンカー体の外径と引抜き抵抗力の関係について検討した.更に,荷重の増減に伴うアンカー体のひずみの計測を行い,岩盤アンカーの応力伝達長とアンカー体が引抜けるときのメカニズムについて考察した.
  • 荒木 裕行, 深瀬 直人, 平川 大貴
    2018 年 74 巻 4 号 p. 488-499
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
    ジャーナル 認証あり
     矢板岸壁の安定的な供用に向け,経済的かつ耐久性を有する耐震対策としてジオセルを用いた手法を提案し,縮尺模型を用いた1G場の振動台実験に基づいてその対策効果を検討した.提案方法は控え版式矢板岸壁を対象とし,既存の控え工の上部に礫質土を中詰め材としたジオセルを新たに設置して矢板背面と定着し,引張り抵抗部材として用いるものである.実験の結果,控え版をジオセルに置き換えたケースと実際の施工を想定して控え工の上部にジオセルを追加したケースでは,従来式の控え版のみのケースに比べて地震時安定性が向上した.ジオセルによる地震時安定性向上の主な要因は,透水性の高い中詰め材を用いることでジオセル周辺では過剰間隙水圧の消散が促進され,加振中においてもジオセル上下面で生じる摩擦抵抗が低下し難かったことにある.
  • 神山 惇, 鈴木 素之, 神木 雄一
    2018 年 74 巻 4 号 p. 500-512
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/20
    ジャーナル 認証あり
     2013年より全国で危険ため池に対する一斉点検が実施されてきた.地震時における堤体の強度評価の一つとして,非排水繰返し三軸試験が適用されるケースがある.通常,堤体法面には静的な初期せん断応力が作用しており,堤体の耐震性評価において低拘束圧下で初期せん断応力の影響を受けた状態での動的強度特性を考慮することが重要である.本研究では,物理特性の異なる堤体土を用いて,初期せん断応力が堤体土の非排水繰返しせん断強度に与える影響を調べた.また,拘束圧が低い条件で試験を実施し拘束圧の影響を調べた.その結果,堤体土の繰返しせん断強度は拘束圧の増加に伴い大きくなることがわかった.さらに,初期せん断応力の影響を考慮した繰返しせん断強度の評価は,細粒分含有率により可能であることを示した.
  • 中田 幸男, 下野 宗彦, 中本 昌希, 村上 豊和
    2018 年 74 巻 4 号 p. 513-523
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/20
    ジャーナル 認証あり
     地形条件の一つであるリニアメントに密接に関連する断層の存在は崩壊の重要な要素であると言われている.しかし,この断層が地下水位に与える影響を定量的に把握するために,断層からの距離に着目して地下水位計測を数年に亘って計測した事例はない.本研究は,土石流発生渓流及び危険渓流の3箇所を対象に6年にわたる計測を実施した.この計測を通じ,断層の存在が影響したとみなされる地下水位の変動特性をとりまとめた.その結果,断層の影響を受ける区間や,地下水位上昇量から影響の程度を定量的に示した.また,断層の上流と下流では異なる地下水位変動が認められることを明らかにした.
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