土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
74 巻 , 1 号
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和文論文
  • 中島 進, 長尾 洋太, 成田 浩明, 佐名川 太亮, 阿部 慶太, 渡辺 健治, 篠田 昌弘, 中村 晋
    2018 年 74 巻 1 号 p. 1-19
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     グラウンドアンカーは斜面の安定化に用いられるが,地震時抵抗・破壊メカニズムは解明されておらず,特に破壊過程に関する研究は少ない.そこで,補強・無補強斜面模型の振動台実験結果から,斜面崩壊時のアンカーと斜面模型の応答特性を分析した.その結果,斜面崩壊方向に慣性力が作用する際にアンカー張力が増大し,極限値に達するとアンカーが段階的に破断し,斜面が崩壊に至る傾向が確認された.また,Newmark法による変形解析の結果,変位量が増大し始めるタイミングは,実験と概ね整合したが,特にアンカー補強した斜面ではアンカー抵抗力の発現・喪失特性が考慮できないため,実験結果と解析結果に大きな差異が確認された.以上を踏まえ,グラウンドアンカー補強斜面の大規模地震時における安定性評価において考慮すべき項目について整理した.
  • 浜崎 智洋, 笠間 清伸, 田山 聡, 前田 良刀, 松方 健治, 秋吉 亮平
    2018 年 74 巻 1 号 p. 20-33
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     近年,異常降雨や大規模地震に起因する高速道路の被災事象が顕在化しつつあるなかで,降雨や地震などによる複合災害に効果的に対処する予防保全対策の確立が喫緊の課題となっている.そこで,この課題を解決するために,排水ボーリングの材料として鋼管を用い,その周面にスリット形状の水抜き孔とスパイラル形状の“羽根”を設けることにより,排水効果と地盤補強効果を同時に期待したのり面補強工法の開発・実用化に向けた原位置試験をおこなった.その結果,設計に必要な鋼管と地盤との付着性能を明らかにするとともに,のり面安定の重要な要素である降雨時における盛土内水位の上昇抑制ならびに降雨後の地盤に生じるサクションの回復に着目して,鋼管の排水性能を定量的に検証することができた.
  • 岩田 智明
    2018 年 74 巻 1 号 p. 34-49
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     擁壁の設計等で一般的に用いられている土圧計算式には,クーロン土圧理論を基本とした計算式とランキン土圧理論を基本とした直線すべりによる計算式がある.しかしながら,現在のところ,ランキン式(2面直線すべり土圧計算式)の適用範囲には限界がある.例えば,ランキン式で粘着力を考慮した土圧を算定する場合には,擁壁背面の地表面は単純な水平面である場合に限られる.
     本論文では,この問題点を解消する方法として,直線すべりを仮定した下での,既往の土圧算定法とは異なるアプローチによる,作図法を用いた新たな土圧算定法を提案する.また,新たな土圧算定法から得られる新たな土圧計算式を提案する.本提案式の妥当性の確認として,従来の土圧計算式および試行くさび法を用いて得られた算出結果と比較し,検証した.
  • 富樫 陽太, 菊本 統, 谷 和夫, 細田 光一, 小川 浩司
    2018 年 74 巻 1 号 p. 50-62
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     スライダー機構を備えたキャップとテフロンシートの有無により供試体端面の摩擦条件の違いを考慮して異方剛性をもつ凝灰岩の圧密排水三軸圧縮試験を実施し,端面の条件が応力ひずみ特性や剛性の算出に及ぼす影響を検討した.一連の試験からは,高さ直径比h / d = 2.0では直ひずみや体積ひずみに及ぼす端面摩擦の影響は小さく,通常の三軸試験として整理した応力ひずみ関係やそれに基づいて求めた剛性(ヤング率,ポアソン比)は端面の条件にあまり依存しないことがわかった.一方,同じ試験でもひずみテンソルの成分や主軸方向は端面の条件によって異なることがわかった.このため,三軸試験で異方剛性を正確に決定するためには,端面摩擦を低減してひずみテンソルを求めることが極めて重要であることがわかった.
  • 小峯 秀雄, 小山田 拓郎, 尾崎 匠, 磯 さち恵
    2018 年 74 巻 1 号 p. 63-75
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル フリー
     高レベル放射性廃棄物地層処分の地下施設におけるベントナイト系緩衝材は,地下水の浸入に伴い不飽和から飽和へと遷移する.本研究では,ベントナイトの種類や乾燥密度等の材料仕様の観点から,不飽和から飽和に至る過程の水分移動と膨潤圧挙動との関係について,国内外の粉体状ベントナイト各種を用いて実験的に調査した.その結果,吸水開始から飽和度90%程度の範囲で水分移動は拡散的な挙動と見なせることを示した.また,飽和度90%程度の時点で膨潤圧の発生挙動に変曲点が認められ,膨潤に伴う緩衝材中の構造的な変化に起因して,水分移動の支配的な要因が変化したと考察した.
  • 見掛 信一郎, 池田 幸喜, 松井 裕哉, 辻 正邦, 西垣 誠
    2018 年 74 巻 1 号 p. 76-91
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/20
    ジャーナル フリー
     瑞浪超深地層研究所の坑道掘削では,湧水抑制対策としてプレグラウチングを実施した.深度500m水平坑道の掘削完了後,最大4MPaの高圧湧水下でプレグラウチング実施範囲に対してポストグラウチングを併用した.ポストグラウチングの注入範囲はプレグラウチング範囲の外側とし,グラウト材料に溶液型材料を使用し複合動的注入工法を適用した.その効果はグラウチング未実施の場合に対し湧水量を約100分の1まで低減できた.また,従来の理論式を用いた湧水量算定式に対して追加検討し,グラウチングによる透水性低下割合や注入範囲などを考慮した算定式を誘導した.誘導した算定式は,グラウチングの目標設定,湧水量予測及び湧水抑制効果の評価を簡便に行うことができ,計画策定や施工結果の検証に際して有用な手法であることを提示できた.
  • 佐々木 隆光, 末政 直晃, 島田 俊介
    2018 年 74 巻 1 号 p. 92-105
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,地盤改良工法の一つである薬液注入工法において耐久性が期待されている酸性系シリカグラウトと活性複合シリカ,活性シリカコロイド系グラウトの物理・化学的特性を把握する目的で,注入材の主剤であるSiO2の種類やモル比,濃度の異なる配合にて注入材そのもののゲルタイムや体積変化,一軸圧縮強さの測定を行った.さらに,これらの注入材を用いた改良体を作製し,改良強度の経時変化を測定した.その結果,注入材そのものの体積変化は注入材の主剤の種類や濃度に依存するが,本試験に用いた注入材はいずれのタイプも体積収縮はあるものの一軸圧縮強さの経時的劣化がないことを確認した.また,改良体の一軸圧縮強さは,注入材の主剤のタイプや濃度によって異なる傾向を示した.
  • 荒木 裕行, 平川 大貴
    2018 年 74 巻 1 号 p. 106-117
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/20
    ジャーナル フリー
     内圧が作用する埋設管の屈曲部にはスラスト力と呼ばれる不平均力が生じるが,従来式の防護コンクリートを用いたスラスト力防護工法は地震時安定性等の観点から課題があり,特に周辺地盤が液状化した際の安定性に欠く.本研究では,これに代わるスラスト力防護工としてジオグリッドを用いた蛇籠型受圧体を施工する工法を提案した.蛇籠型受圧体は礫材を中詰め材とした構造体であり,スラスト力の作用方向に圧縮部材として設置することで埋設管に対して十分な受働抵抗を確保することが目的である.本論文では動水勾配を変化させた模型地盤内で埋設管の水平載荷試験を実施し,提案する対策工の効果について検討を行った.その結果,対策を施すことで無対策ケースと比べて埋設管の水平変位量を1/4程度に抑制でき,対策工法として有用と考えられる.
  • 澤村 康生, 北村 明洋, 木村 亮
    2018 年 74 巻 1 号 p. 118-129
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/20
    ジャーナル フリー
     チェーンを補強材に用いた補強土壁工法は,チェーンが他の補強材と比べて大きな引抜き抵抗力を有している点,チェーンによる摩擦抵抗と支圧板による支圧抵抗という2つの抵抗方式を用いている点が特徴である.これまでチェーンおよび支圧板の引抜き特性が検討されてきたが,補強土壁全体の地震時挙動については未解明な点が残されている.さらに,平成24年の擁壁工指針の改訂に伴い,地震時における作用荷重の考え方が変更され,代表的な補強土壁では設計震度を低減して耐震設計が行われるようになった.本研究では,チェーン補強土壁の動的遠心模型実験を実施し,地震時挙動を確認するとともに,上記の評価法が適用可能か検証を行った.その結果,チェーン補強土壁は高い耐震性能を有し,設計震度を低減して設計することが可能であることを確認した.
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