土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
74 巻 , 2 号
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和文論文
  • 上田 恭平, 白 可, 井合 進
    2018 年 74 巻 2 号 p. 130-143
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー
     近年,降雨・浸透流に伴う盛土の崩壊メカニズムの究明等,不飽和土に関する研究が盛んに行われている.しかし,その多くは保水性やそのモデル化に主眼が置かれ,地震時の動的特性や耐震性能評価法に関しては,飽和土に比べて知見が不足しているのが現状である.そこで本研究では,水平成層地盤の地震時挙動に対する不飽和化の影響を調べるため,遠心模型実験と有効応力解析を実施した.実験の結果,不飽和地盤では加振時の過剰間隙水圧の上昇が飽和地盤より抑えられる一方,排水にはより多くの時間を要した.解析では,飽和度が比較的高い砂質系の不飽和地盤の地震時挙動に対しては,土・水・空気の三相系解析に加え,サクションをゼロと仮定し,液体と気体の混合体の等価な体積弾性係数を用いる簡易三相系解析が適用できることが明らかとなった.
  • 酒匂 一成, 横田 裕介, 里見 知昭, 檀上 徹, 深川 良一
    2018 年 74 巻 2 号 p. 144-163
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/20
    ジャーナル フリー
     降雨時の表層すべり型斜面崩壊に対する計測技術の一つであるテンシオメータによる負の間隙水圧の計測について,安価で開発自由度の高い無線センサネットワークを利用した長期多点計測システムを構築し,その現地適用性およびシステムの維持・管理について検討した.現地斜面での長期計測に対する無線計測システムの要求性能を検討し,それに基づき開発した無線計測システムを国道161号琵琶湖湖西縦貫道路雄琴管理基地の斜面で試験運用し,負の間隙水圧の計測結果を考察した.斜面防災のために斜面内の負の間隙水圧を長期多点計測する観点からシステムの維持・管理に関する課題をまとめた.また,維持・管理について,ノードやテンシオメータの電源の電池交換時期の判断法の提案および妥当性の検証や機器の耐候性に関する課題および改善策について述べた.
  • 林 和幸, 岡村 未対, 安原 英明, Minson SIMATUPANG
    2018 年 74 巻 2 号 p. 164-176
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/20
    ジャーナル フリー
     炭酸カルシウム(CaCO3)の結晶をセメント物質とする固化土のせん断強度は,間隙での結晶析出時の飽和度が低いほど高まるとされている.本研究では,CaCO3析出時の飽和度をコントロールし砂の液状化抵抗の改善効率を高める試みを粒径が異なる砂に適用し,砂の粒径によるその改善効率の違いを調べた.実験ではCaCO3含有率を1%以下,その析出時の飽和度を20 ~ 100%の範囲でコントロールした豊浦砂および4号硅砂供試体を非排水繰返し三軸試験に使用した.CaCO3析出には,ウレアーゼの尿素分解作用を活用する方法を採用した.砂粒子表面に析出した結晶の観察とその同定はSEM-EDXで行った.その結果,飽和度をコントロールしたCaCO3析出による液状化抵抗の改善効果は,CaCO3結晶径に対し砂の粒径が相対的に小さいほど高いことが明らかとなった.
  • 篠田 昌弘, 宮田 喜壽, 中村 晋
    2018 年 74 巻 2 号 p. 177-191
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/20
    ジャーナル フリー
     我が国は,斜面崩壊が発生しやすい地形・地質条件下にあり,地震を誘因とした斜面崩壊が数多く発生している.本研究では,地震発生後の斜面の被害場所や被害規模の早期把握,初動調査の計画策定,二次災害の防止等に有用になると考えられる広域的な斜面崩壊危険度図の作成方法を提案する.2004年新潟県中越地震で生じた斜面の災害状況図を用いて,実際の崩壊・未崩壊と提案法で算定した崩壊・未崩壊との合致率計算法を提案し,現地試験結果の範囲内で強度定数を変化させて,最も合致率の高い状態として,斜面崩壊危険度を推定する.作成した斜面崩壊危険度図により,特定の地震における斜面崩壊の危険度を広域的に把握できることを示す.
  • 平川 大貴, 荒木 裕行
    2018 年 74 巻 2 号 p. 192-201
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/20
    ジャーナル フリー
     地盤材料としての破砕コンクリートの活用方法の検討に向けて,基本的な工学的性質を把握することを目的に種々の室内試験と科学的検討を行った.市販の2種類の破砕コンクリートを用い,物理的性質,化学的性質,環境性能および強度変形特性を調べるとともに,土構造物の構造部材としての適否を同粒度の自然由来の粒度調整砕石と比較・考察した.破砕コンクリートには,粒子の一部を構成するセメント硬化体に起因して,六価クロムの溶出の可能性,再固化の有無,締固め後においても乾燥密度が低い,という特性がある.強度変形特性については,締め固めた破砕コンクリートは未水和セメント粒子が残存していない状態でも自然由来の粒度調整砕石と大差はなく,残存している場合は水和反応によって更に高いせん断強度を有する.
  • 平川 大貴
    2018 年 74 巻 2 号 p. 202-212
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/20
    ジャーナル フリー
     粒度分布特性による区分が同じ砂礫材であっても,透水性や締固め特性,強度変形特等の工学的性質には差がある場合がある.この要因を見出せれば,土構造物の要求性能に見合った土の選択の実現につながる.そこで,本研究では母岩の異なる2種類の粒度調整砕石の工学的性質(粒子の物理特性,締固め特性,締固め後の透水性と強度変形特性)の差異を調べた.検討した2種類の礫質土の粒度と粒子形状は同等であるが,転圧締固め特性,突固め後の透水性や強度変形特性には明確な差があった.この要因に,母岩に由来する細粒分の塑性指数の違いがある.細粒分含有率が3%程度の粗粒土であっても,その塑性特性が礫質土の工学的性質に大きく影響する場合がある.
  • 今出 和成, 西村 伸一, 柴田 俊文, 珠玖 隆行
    2018 年 74 巻 2 号 p. 213-224
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,地盤のモデル化で仮定する定常性を乱すデータ(外れ値)を分類し,複数の確率場を組み合わせて,粒度の異なる材料が混合された地盤の強度分布を評価する手法を提案した.まず,外れ値を除去する割合と,バリオグラムに対する近似曲線の RMSE の関係を調べ,RMSE が最小となる外れ値の除去割合を確認した.この結果から外れ値とその他の部分を区分する閾値を設定し,外れ値とその他のデータを個別にモデル化し,区分ごとの空間補間結果を統合して強度分布を評価した.また,一部欠損させた実測データを提案法に適用させ,欠損データの再現を試みた結果,概ね妥当な確率場が得られた.以上から,提案法は,CPT による換算 N 値の空間的なばらつきの大きな地盤に対し,外れ値を考慮した強度分布を適切にモデル化できることが明らかとなった.
  • 上村 健太郎, 蓮沼 佑晃, 馬上 拓也, 佐々木 隆光, 伊藤 和也, 永尾 浩一, 末政 直晃
    2018 年 74 巻 2 号 p. 234-247
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,微粒子シリカと微粒子水酸化カルシウムを混合した注入材の液状化対策としての効果について検討した.まず,注入材の基礎的な性質を確認するとともに,適切な配合条件と注入条件を検討した.さらに,1ヶ月間の強度変化および浸透距離に伴う強度変化を確認するために,一軸圧縮試験を行った.その結果,養生1ヶ月以内では強度低下がないことを確認した.さらに,浸透実験において目詰まりの影響がある場合には,注入口付近の強度が高かったが,適切な注入条件に変えることによって目詰まりが抑制され,注入材を均一に注入できることを確認した.最後に,養生1週間の供試体に対して,非排水繰返し三軸圧縮試験を行った.これらの結果から,本注入材による改良体は高い靱性を有し,十分な液状化強度と液状化後の体積ひずみの改善が見られた.
和文報告
  • 西山 理沙, 太田 征志, 宇野 晴彦, 金谷 賢生, 谷 和夫
    2018 年 74 巻 2 号 p. 225-233
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー
     軟岩の引張り強さは,その簡易性から圧裂試験による間接測定が行われている.しかし,一軸圧縮強さが5MPa程度以下の軟岩においては,供試体内における局所的な応力集中による破壊が起こりやすいため,引張り強さは試験方法により影響を受けることが懸念される.ここでは,試験方法の違いによる引張り強さの相違を把握することを目的として,泥岩,砂岩,凝灰岩等の岩種を用いて,同種岩石による一軸引張り試験と圧裂試験を実施した.その結果,密度と弾性波速度がほぼ同じ場合には,岩種によって一軸引張り強さと圧裂引張り強さに大きな差がないことが確認できた.さらに,一部の岩種について寸法効果と異方性の検討を行った.その結果,岩種によって寸法効果や異方性の傾向がやや異なる傾向があった.
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