土木学会論文集C(地圏工学)
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委員会報告
和文論文
  • 山本 修一, 佐藤 伸, 志村 友行, Enrique ROMERO , 西村 友良, 大和田 仁
    2019 年 75 巻 3 号 p. 257-272
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル 認証あり

     放射性廃棄物の地層処分においては,処分場閉鎖後に地下水の浸入に伴い人工バリアシステムは不飽和状態から飽和状態に向かって遷移するが,廃棄体からの発熱やガス発生により飽和度が一時的に低下する現象も起こる.しかし,ベントナイト系人工バリア材の不飽和力学特性や保水特性に関しては十分なデータが取得されておらず,上記のような過渡的な挙動を予測するための適切な数値モデルを構築できないのが現状である.本研究では,ベントナイト系人工バリア材を対象にマトリックサクションを制御した各種要素試験を行い,吸水・脱水による膨潤・収縮変形特性,不飽和圧密変形特性,不飽和せん断強度特性および保水特性をマトリックサクションとの関係で整理,考察するとともに,それぞれの特性に対する既往の構成モデルの適用性について議論した.

  • 岩井 裕正, 小西 陽太, 木元 小百合
    2019 年 75 巻 3 号 p. 273-287
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル 認証あり

     ガスハイドレート含有地盤は,ひずみ速度依存性やクリープ変形といった時間に依存する粘塑性挙動を示すことが指摘されている.本研究では,ガスハイドレート含有地盤の時間依存性挙動を調べることを目的とし,人工的に二酸化炭素ハイドレートを生成させた砂供試体を用いて,載荷途中にひずみ速度を切り替えるひずみ速度急変非排水三軸圧縮試験を実施した.加えて,ガスハイドレート含有地盤の時間依存性を考慮した弾粘塑性構成式の拡張を行い,構成式による実験結果の再現を試みた.二酸化炭素ハイドレート含有地盤において,ひずみ速度急変時には,各ひずみ速度固有の応力-ひずみ曲線を描くIsotaches性を確認した.また,ひずみ速度0.005%/minの緩速載荷時には,最大軸差応力のハイドレート飽和率依存性は発現しないことが明らかとなった.

  • 山崎 充, 酒井 俊典
    2019 年 75 巻 3 号 p. 288-302
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル 認証あり

     グラウンドアンカーは,テンドンに緊張力をかけ斜面や法面の安定を図る構造物で,緊張力の変化はテンドン自由長部の伸び縮みに依存する.アンカーの緊張力計測の一つに荷重計による方法があり,この計測結果は,法面等において一般的に用いられる変位観測手法と同様に,地盤変動を捉えるセンサーとしての利用が考えられる.しかし,現在まで変位観測と荷重計の荷重変化との関係について十分な評価は行われていない.

     本論では,地盤変動によってアンカー荷重に増加が見られた4法面を対象に,各種変位観測と荷重計の変化との関係について評価した.その結果,両者には高い相関があり,変位観測の変化量と荷重増加量から求められるテンドン伸び量との間に線形関係が見られ,荷重計が変位センサーとして利用できる可能性が確認された.

  • 山田 正太郎, 肥後 隼大, 野田 利弘, 中野 正樹
    2019 年 75 巻 3 号 p. 303-315
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル 認証あり

     真空圧密工法において課題となる沈下に伴う気密シート直下の水圧増加を抑制するために,気水分離方式と称される手法が開発されている.これまでに同手法がより高い減圧効果を発揮することは実証されているが,同工法の変形抑制効果については十分に議論されていない.そこで本研究では,同方式を含む真空圧密工法の変形抑制効果を明らかにすることを主な目的に,水~土連成解析を実施し,主として次の知見を得た.1) 気水分離型真空圧密工法は,高いプレロード効果を有するため,真空ポンプ停止後の沈下を顕著に抑制する.2) 一方で,通常型真空圧密工法も,大沈下が生じ,気密シート直下の水圧が上昇するようなケースであっても,側方変位の抑制などに高い効果を発揮する.3) 通常型・気水分離型ともに,既往の施工実績以上に短期での施工が可能である.

  • 中島 進, 工藤 敦弘, 成田 浩明, 渡邉 健治
    2019 年 75 巻 3 号 p. 316-335
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル 認証あり

     もたれ壁は鉄道土留め擁壁として多数構築されており,耐震補強が重要である.本研究では,もたれ壁の破壊形態を明らかにし,効率的な耐震補強工法を提案することを目的として振動台実験および解析的検討を行った.実験的検討に先立ち実施した被害事例分析では,もたれ壁の脆性的な破壊形態として,転倒破壊を抽出した.それを踏まえて実施した振動台実験では壁面上部の地山補強材による転倒破壊の抑制効果が高いことが明らかとなった.また,すべり面の発生位置と土圧の大きさに着目して実験結果を分析し,補強効果の評価法を提案した.そして,提案手法を用いて兵庫県南部地震で被災したもたれ壁を対象とした試解析を行い,比較的疎な地山補強材の打設で既設もたれ壁の耐震補強が可能であることを明らかにした.

  • 橋本 涼太, 菊本 統, 小山 倫史
    2019 年 75 巻 3 号 p. 336-348
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル 認証あり

     不連続性岩盤解析手法の一つである不連続変形法(Discontinuous Deformation Analysis: DDA)には不連続面に沿った摩擦現象を精度良く予測できるパラメータ(接触ペナルティ係数,時間刻み)の設定が困難であるという課題があった.本研究では,DDAにおける不連続面の摩擦力の更新方法に着目して不安定化の原因を特定し,リターン・マッピングによる摩擦構成則の陰的積分アルゴリズムと,Newton-Raphson法による非線形方程式の反復解法を導入した完全な陰解法に基づくDDAを開発した.開発した解析コードを基本的な境界値問題に適用した結果,接触ペナルティ係数や時間刻みに依存せず高精度な解が得られ,解析精度とロバスト性の両面において改善が確認された.

  • 八ツ元 仁, 澤村 康生, 木村 亮
    2019 年 75 巻 3 号 p. 349-368
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル 認証あり

     既往の研究により,共同溝や開削トンネル等の地中構造物を対象に,地盤に生じるせん断ひずみと躯体に生じるせん断ひずみ(剛体回転の影響を取り除いたせん断ひずみ)の相関関係が明らかにされているのとともに,この相関関係を用いた少ない計算負荷で地震時に発生する断面力を求めることのできる簡易設計手法が提案されている.この手法が特有の構造特性を持つ道路ボックスカルバートに適用できるかどうかについては現時点で不明であるため,本研究ではこの簡易設計手法の道路ボックスカルバートへの適用性について検証を行うのとともに,改良を加えることでこの手法の高度化を図った.また,動的解析の結果との比較を通して,本研究で提案する簡易設計手法の計算精度や道路ボックスカルバートの耐震設計としての適用性について考察を行った.

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