近年では高度経済成長期に建設された大量の社会基盤構造物の高齢化,人口減少に伴う宅盤住宅・住居マンションを含む社会基盤構造物利用の減少,さらに防災基準に不適合な構造物の取壊しが増加している.そのため,既存杭の引抜き撤去が増加している.既存杭を引き抜く工程において,既存杭引抜孔上部から充填材の流し込み注入では,引抜孔の全深度にわたって均一な埋戻し処理を達成することが困難である.
本研究では,MPS-CAEを活用してスパイラル撹拌工法の設計製作から既存杭引抜孔内における当該工法の撹拌メカニズムおよび性能まで一連の評価・検討を実施している.結果として,実施した解析条件において削孔泥水,削孔泥水+充填材,および充填材の3層がスパイラル撹拌工法では10分程度で均一な撹拌混合処理が可能であることが示された.
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