土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
71 巻, 1 号
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和文論文
  • 山上 路生, 高橋 和矢, 戸田 圭一
    2015 年 71 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/01/20
    ジャーナル フリー
     ガス輸送をモデル化する上で,有用なパラメータとして水面流速の発散強度が注目されている.一般に実河川のガスフラックスの計測は困難であり,流速発散値による予測手法の確立は実用上極めて重要である.一方で流速発散の特性は十分に解明されておらず,路床で生成される乱流渦や組織構造との関係もわかっていない.これらの点を解明すべく桟粗度を有する開水路流れに焦点を当てて,流速および粗度間隔を系統変化させて乱流計測を行った.同じ流量および水深の条件の下では,乱れ強度やエネルギーは粗度間隔に大きく依存するが,発散強度も同様の傾向がみられた.特に乱れ統計量と発散強度はともに最大ピークをもつ粗度間隔が存在することがわかった.また発散強度をテイラースケールやコルモゴロフスケールで予測できるモデルを開発した.
  • 赤穗 良輔, 石川 忠晴, 畠山 峻一, 小島 崇, 都丸 真人, 中村 恭志
    2015 年 71 巻 1 号 p. 16-27
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     三角形非構造格子を用いて建物等の形状を一つ一つ表現することにより,集中発散を伴いながら市街地を遡上する津波のシミュレーションモデルを構成した.建物等は内外水位差により氾濫水が侵入できる半透過壁とした.このモデルを2011年東北地方太平洋沖地震津波による岩手県釜石市街地における氾濫に適用した.災害時のビデオ画像および災害後の現地調査との比較から計算モデルの再現性を検証した.その結果,半透過壁の透過係数を調整することにより,津波の侵入速度,最大水位の空間分布などが概ね再現しうることがわかった.
  • 林 敬大, 立川 康人, 椎葉 充晴
    2015 年 71 巻 1 号 p. 28-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
     時間を説明変数とする多項式回帰モデルによって母数をモデル化することで,非定常の水文頻度解析モデルを構築することができる.このとき,確率分布モデルの選択手法として尤度比検定が利用されることが多いが,包含関係にないモデル間の選択には有効ではない.そこで本研究では,定常の場合と同様に非定常水文頻度解析モデルのモデル選択規準としてもTICやAICが有効であることを解析的に示す.次に,時変母数を導入した水文頻度解析モデルとして,非定常GEV分布モデル,非定常Gumbel分布モデル,非定常平方根指数型最大値分布モデル,非定常対数正規分布モデルを取り上げ,全国の気象官署による観測データおよび気象研究所のGCM出力データにこの分析手法を適用し,年最大日降水量の変化を調べる.
和文報告
  • 鈴木 崇之, 小池 要平, 佐々木 淳, 田中 陽二
    2015 年 71 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     神奈川県の相模湖は夏季のアオコ発生が問題となっている.そのため,エアレーションを含む対策が実施されてきたが,完全な抑制には至っていない.一方で,相模湖は発電放流が毎日実施されており,この発電放流方法の工夫によるアオコ抑制策が検討されているが,放流による湖水流動影響には不明な点が多い.そこで本研究では,2012年8月の放流時と非放流時において,超音波多層流向流速計(ADCP)による流速観測と多項目水質計による水質観測を実施し,発電放流が湖水流動に与える影響を検討した.その結果,放流時は河川からの流入水が湖の下層に潜り込むように流下し,ダムでは全層から流出する様子が捉えられた.一方,非放流時には全層において湖水の滞留が顕著となり,表層では湖心から上流側の河川部にかけて逆流域の広がる様子が明らかとなった.
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