土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
72 巻, 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
和文論文
  • 横嶋 哲, 浅岡 亮介, 野田 博, 宮原 高志
    2016 年 72 巻 3 号 p. 66-77
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/20
    ジャーナル フリー
     円柱列の存在は流れに大きな抵抗を及ぼす(土木学会論文集B1 71(4) I_1057 2015).円柱列は巨視的には間隙を有する平板境界であり,透過性と粗度の効果を併せ持つ.本研究では円柱列から透過性を除いた系である半円粗度を過ぎる流れを検討対象に加え,抵抗要素としての透過性と粗度の影響を2次元数値実験によって調べた.円柱列は半円粗度と比べて1桁高い抵抗を及ぼす,つまり境界の透過性は境界粗度よりもはるかに強い抵抗要因となることが示された.ただし円柱列と半円粗度では抵抗が最大となる境界間隙率の値が異なり,抵抗に対する粗度の寄与は間隙率の増加とともに増す傾向がある.円柱列を過ぎる流れでより大きな抵抗が生じる主因として,円柱間隙を通して流体の往来が可能なことで,流体混合とそれに伴う運動量交換が活性化されることが示された.
  • 赤松 良久, 一松 晃弘, 乾 隆帝, 河野 誉仁
    2016 年 72 巻 3 号 p. 78-87
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/20
    ジャーナル フリー
     山口県の一級河川である佐波川を対象として,河川の生態系の主要な分類群である底生動物の環境変化に応じた生物量の空間分布予測モデルの構築を行った.まず,河川の定点観測により,河川内における底生動物の季節変動を把握する調査を行った結果,4月と10~12月の非増水期に現存量が多いことが明らかになった.次に,現存量の多い時期を対象として,底生動物量を予測する一般化線形モデル(GLM)を構築した結果,底生動物は主要4分類群(ヒゲナガカワトビケラ科,シマトビケラ科,ヒラタドロムシ科,トンボ目)全てでモデル構築が可能であった.さらに,佐波川の国管理区間全域において,取水が有る場合,無い場合の2通りで流れ場の計算を行い,算出された結果に生物量予測モデルを外挿した結果,取水の影響により生物量が減少することが予測された.
  • 山上 路生, 岡本 隆明
    2016 年 72 巻 3 号 p. 88-100
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/20
    ジャーナル フリー
     集中豪雨時には流木をはじめとした漂流物が河川に流出し,橋脚周辺におけるこれらの集積は過度の水位上昇につながる河道閉塞を招き,深刻な洪水被害を引き起こす.そこで本研究は河川増水時における流木の漂流挙動に注目し,円柱流木モデルを用いた水路模型実験からその流体力を実測して安定特性を明らかにした.抗力および揚力の迎角と偏揺角に対する変化,ピッチングモーメントおよびヨーイングモーメントの計測データを解析し,姿勢安定性を考察した.また重心位置の変化が挙動安定に与える影響を解明した.さらに流木投入実験を行い,橋梁模型における補足確率や流木集積が発生した場合の堰上げ水深効果について,漂流挙動特性と比較してそのメカニズムを考察した.
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