我が国の代表的な都市計画ツールである土地区画整理の起源は1899年制定の「耕地整理法」から始まり,関東大震災と戦災の復興事業の経験を踏まえ,現行の「土地区画整理法」として完成を見た.その後の現場での技術的な工夫の積み上げや1975年制定の「大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する特別措置法」の諸規定を踏まえ,1995年制定の「被災市街地復興特別措置法」として,災害復興への制度的な対応能力を発展させて来た.本研究は土地区画整理制度の骨格をなす「換地処分」を中心に制度の形成過程を体系的に整理,考察したものである.
また,制度前史として,江戸期の慣行が耕地整理法に与えた影響,先行法とされる「土地区画改良ニ係ル件」の再評価,法令用語の定着過程等において,従来の見解に幾つかの修正を求めることができたものと考える.
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