土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
68 巻, 2 号
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和文論文
  • 安立 光陽, 鈴木 勉, 谷口 守
    2012 年 68 巻 2 号 p. 70-83
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/04/20
    ジャーナル フリー
     人口減少とともに財政規模の縮小が予想される我が国では,交通・商業・医療などの都市サービス維持が困難になる.都市コンパクト化はこの解決策として期待できるが,実際のプロセスを考えると,一部地域での都市サービス撤退に伴って居住者の生活が一時的に困難になる可能性もある.しかし,そのようなリスク(都市構造リスク)の実態は全く考究されていない.本研究では時間軸を新たに考慮し,このような都市構造リスクの認知と実態をアンケート調査などから明らかにした.分析の結果,1)都市構造リスクは十分に認知されていないこと,2)想定する都市構造や都市サービスによってリスクは大きく異なること,3)コンパクトシティ形成過程においてBAU以上のリスクが発生する可能性があり,それを乗り越える必要があることが示された.
  • 山中 英生, 真田 純子, 竹内 彩
    2012 年 68 巻 2 号 p. 84-91
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/18
    ジャーナル フリー
     公共事業において地域の実情や住民の意思を反映するため,計画策定や設計などで参加型審議が行われている.参加型審議を有益に進めるには,地域の実情や関心に応じて参加主体や議題を適切に選択し,参加の場をつくることが重要であるが,そのための社会的手法の研究は十分とは言えない.本研究では,参加型計画開始の前段階として,地域住民の関心を把握し,参加主体の選定や審議課題とプロセスを設定する手法として,米国の紛争解決に用いられている関係者分析(紛争アセスメント)の有効性把握を目的としている.地域の文化や景観に配慮した堤防整備計画における実践例を分析した結果,関係者分析の適用は参加の場づくりの準備だけでなく,中立者ヒアリングにより運営者への信頼感の育成,参加満足感の向上に効果があることが明らかになった.
  • 布施 孝志, 中西 航
    2012 年 68 巻 2 号 p. 92-104
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/18
    ジャーナル フリー
     公共空間などにおける施設設計や流動制御にあたって,人物挙動の詳細把握が必要とされている.その重要性が益々高まる中,情報取得の自動化が望まれているが,複数人物が相互依存の下に行動する状況を対象とした人物自動追跡は容易ではない.本研究では,複雑な状況における人物追跡手法の構築を目的とする.提案手法の構成要素となる動画像処理に基づく人物追跡手法と歩行者挙動の予測シミュレーション手法について,それぞれ検討を行った.検討結果に基づき,一般状態空間モデルの枠組みにおいて両手法を確率的に統合し,逐次的処理による追跡手法を構築した.提案手法を駅改札付近における実観測データに適用し,その有効性を確認した.また,ODデータの自動取得など,今後の応用可能性を示した.
  • 溝上 章志, 藤見 俊夫, 平野 俊彦
    2012 年 68 巻 2 号 p. 105-116
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/18
    ジャーナル フリー
     近年モータリゼーションの進展に伴う自家用自動車の普及,少子化の進行による人口の減少等により,乗合バスの利用者数は全国的に減少傾向にある.熊本都市圏の路線バスの利用者数もこの20年間で半減している状況である.また,熊本市の補助金も増加傾向にあり,民間事業者,市交通局への補助金の合計は平成19年時点で約2億円となっている.このような中,熊本市は路線バスの利便性向上,採算性の向上,補助金の軽減のために熊本都市圏のバス路線網再編の検討を行っている.
     バス路線網再編の際には補助金交付方法の見直しが検討されており,本研究では,インセンティブ報酬を取り入れた補助金交付方法の提案とその評価を行い,インセンティブ報酬による補助金の軽減効果を測定する.
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