土木学会論文集E2（材料・コンクリート構造）

和文論文

凍結融解作用によって無補強および短繊維補強ポーラスコンクリートに発生したマイクロクラックの性状と定量的評価に関する研究

大友鉄平, 武田三弘, 大塚浩司

2013 年 69 巻 3 号 p. 258-269
発行日: 2013年
公開日: 2013/07/19

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejmcs.69.258

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　本研究では，耐凍害性を有するポーラスコンクリートの開発を目的として，シリカフュームと高強度極細径短繊維を同時に混入した短繊維補強ポーラスコンクリートと一般の無補強ポーラスコンクリートを作製して凍結融解試験をおこなった．そして，ポーラスコンクリートの耐久性低下の原因である骨材とセメント硬化体との界面部分とその周辺に発生するマイクロクラックを微視的観察し，その性状を定量的に評価した．研究の結果，凍結融解作用によって発生するマイクロクラックの長さおよび幅は，無補強と短繊維補強ポーラスコンクリートとにおいて大きく異なることがわかり，短繊維補強によって与えられるひび割れ抑制効果が定量的に示された．

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湿潤養生条件がコンクリートの細孔径分布に及ぼす影響評価手法に関する研究

齋藤淳, 福留和人, 古川幸則, 庄野昭

2013 年 69 巻 3 号 p. 270-280
発行日: 2013年
公開日: 2013/07/19

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejmcs.69.270

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　各種ポルトランドセメントを用いたコンクリートを種々の湿潤養生条件下で養生し，養生条件が細孔径分布に及ぼす影響を把握した．その結果，粗大径の細孔容積が水中養生の延長とともに低下すること，細孔容積と圧縮強度は，高い相関が見られることが明らかとなった．また，提案している湿潤養生の影響評価手法により算定した水和生成物容積と細孔容積は，良好な相関が見られ，評価手法の妥当性が確認できた．さらに，細孔径分布を細孔容積の累積分布を表す関数で評価し，水和生成物容積から関数のパラメータの推定方法を検討した．その結果，任意養生条件下における細孔径分布の予測の可能性を示した．

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部分断面修復工法で補修した鉄筋コンクリート部材の鉄筋腐食性状に関する研究

渡部正, 松林裕二, 星野富夫, 岸利治

2013 年 69 巻 3 号 p. 281-294
発行日: 2013年
公開日: 2013/07/19

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejmcs.69.281

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　本研究は，塩害で劣化した鉄筋コンクリートを断面修復工法によって補修した後に生ずる鉄筋腐食のメカニズムを明らかにするために実施した．実験では，道路橋の鉄筋コンクリート床版の一部を模擬した試験体を作製し，断面修復の深さ・範囲，表面被覆材の有無などを変化させた補修を行い，その試験体を海洋環境下に暴露した．暴露開始後1年，3年，10年に鉄筋を取り出して腐食状況を調査した．その結果，表面被覆材が健全であればコンクリート中の鉄筋の腐食速度は経年に伴い遅くなることが明らかになった．また，部分断面修復を行った場合には，母材コンクリートと断面修復部の境界面±10mmの近傍の鉄筋がマクロセル腐食によって，他の部位より腐食が進行することを実験的に確認するとともに，補修境界面近傍での鉄筋腐食速度を提示した．

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セメントの凝集や細骨材による拘束水量を考慮したブリーディングの予測モデル

桜井邦昭, 丸山久一, 近松竜一

2013 年 69 巻 3 号 p. 295-308
発行日: 2013年
公開日: 2013/08/20

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejmcs.69.295

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　配合設計段階において，コンクリートの材料分離抵抗性を照査する手法を確立するための基礎的検討として，使用材料の物理的性質や配合条件からモルタルのブリーディング水量を予測するモデルを提案した．水とセメントの混合比によりセメントの凝集の程度が異なることを考慮して，凝集後のセメント粒子群の表面積から算出したセメントの拘束水量と，モルタルフロー試験により得られる相対フロー面積比と水セメント容積比の関係から算出した細骨材の拘束水量を用いることで，モルタルのブリーディング水量を概ね予測できることを示した．

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構成材料の空隙構造に基づくモルタル，コンクリートの乾燥収縮推定モデルの検討

藤倉裕介, 後藤貴弘

2013 年 69 巻 3 号 p. 309-323
発行日: 2013年
公開日: 2013/09/20

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejmcs.69.309

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　本研究では，モルタルやコンクリートの構成材料であるセメントペースト，細骨材や粗骨材の空隙径分布に着目し，円筒型を仮定した空隙内部の任意温湿度下における含水状態とその際の応力状態を空隙径ごとに考え，乾燥収縮率を推定するモデルを提案した．そして，既往の複合則理論により各構成材料の乾燥収縮率からモルタルやコンクリートの乾燥収縮率や乾燥に伴う質量減少率を算定し，本モデルによる算定結果と測定結果との比較を行い本提案モデルの適用性を検証した．その結果，本モデルにより乾燥収縮率や質量減少率を評価できることが分かり，セメントペーストならびに骨材の空隙構造とモルタルやコンクリートの乾燥収縮率との関連性を検討した．

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高温環境下における天然繊維を添加した高強度コンクリートの爆裂抑制効果

小澤満津雄, 森本博昭

2013 年 69 巻 3 号 p. 324-336
発行日: 2013年
公開日: 2013/09/20

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejmcs.69.324

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　高温加熱を受ける場合に高強度コンクリートは爆裂現象を生ずることが問題となっている．爆裂現象を抑制する方法として，ポリプロピレン(PP)繊維を混入する方法が有効であるとされているが，その他の繊維の有効性に関する検討については必ずしも，十分でないのが現状である．そこで本研究では，爆裂抑制対策として天然繊維のジュート繊維を混入した高強度コンクリートの加熱実験を行い，蒸気圧の発現性状に及ぼす影響を検討した．その結果，ジュート繊維に爆裂抑制効果があることが明らかとなった．

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