土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
Online ISSN : 2185-6567
ISSN-L : 2185-6567
70 巻, 3 号
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和文論文
  • 黒田 一郎, 村上 将也, 山本 佳士, 古屋 信明
    2014 年 70 巻 3 号 p. 272-288
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     腐食した鉄筋を有する鉄筋コンクリート梁(RC梁)の曲げ耐力を,非破壊試験結果を基に推定する手法を提案し,その有用性を検討した.採用した非破壊試験は,ひび割れ幅と超音波伝搬速度の二つの計測である.鉄筋腐食に伴う断面積減少率の非破壊試験による推定値を,土木学会コンクリート標準示方書に示された曲げ耐力算定法に基づくマクロ式の中に適用することによって,鉄筋腐食RC梁の曲げ耐力の推定を試みた.そして載荷実験との比較から,本推定手法の精度を検討するとともに,断面積減少率の推定値の残差を統計的に処理することによって,安全側の推定結果を得る手法を検討し,目標腐食率が概ね10%で曲げ引張破壊に至る条件であれば安全側の推定が可能であることを確認した.
  • 松田 耕作, 横田 優, 中川 裕之, 松島 学
    2014 年 70 巻 3 号 p. 289-300
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     外部塩害を受ける海岸部の鉄筋コンクリート構造物を想定して,上面に10%NaCl水溶液を貯留した養生条件の異なる2体のコンクリート供試体を屋外に4~6年間曝露した.その結果,鉄筋の腐食速度は塩化物イオン量の増加とともに大きくなること,季節によって変動し気温の高い夏場ほど大きくなること,またコンクリートの品質により腐食速度が異なることが判明した.そこで,これらデータをもとにニューラルネットワーク解析を行い,塩化物イオンの見かけの拡散係数,かぶり位置での塩化物イオン濃度および温度から腐食速度を評価する式を構築した.提案した予測式を桟橋上部工の床版に適用し実測値と比較した結果は良く一致しており,本予測法の適用性を検証することができた.
  • 鈴木 三馨, 福浦 尚之, 丸屋 剛
    2014 年 70 巻 3 号 p. 301-319
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,塩害を受ける鉄筋コンクリート構造物の耐久性照査の合理化に必要となる,腐食開始から腐食ひび割れの発生,およびその後の腐食進展を含む腐食劣化プロセスを予測するための解析手法を構築することである.非線形構造解析と鋼材腐食解析の連成により,コンクリートのひび割れ進展と鋼材腐食進展の相互作用を考慮した腐食劣化予測を可能とした.また,RC構造物中の鉄筋の配置および腐食量を適切に反映し評価するために,カソード要素に着目したマクロセル腐食電流密度の分配率を用いた腐食量の算定手法を提案した.定式化した外部分極曲線,および腐食生成物の膨張率について検討を行った上で,マクロセル腐食を模擬した塩水による乾湿繰返し実験に本解析手法を適用し,本解析手法の妥当性を検証した.
  • 小林 孝一, 鹿野 裕, 六郷 恵哲
    2014 年 70 巻 3 号 p. 320-335
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     本研究では,まず山間寒冷地において生じたコンクリート床版の激しい劣化について,その劣化機構を考察した.その結果を踏まえ,アルカリシリカ反応(ASR)と凍害の複合劣化について実験的検討を行なった.ASR促進の程度やアルカリの種類,コンクリートの空気量,鉄筋による拘束の有無や位置の影響について検討した.その結果,ASRが生じたコンクリートに凍結融解繰返しが作用すると,激しいスケーリングが生じるのみならず,低温下であるにもかかわらず膨張が継続し,凍害の進行は,連行空気の導入によっても緩和されないことが明らかになった.またアルカリ種類が異なる場合や,反応性骨材が粗骨材のみの場合にも,激しい複合劣化が生じることを確認した.
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