土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
Online ISSN : 2185-6567
ISSN-L : 2185-6567
72 巻, 1 号
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和文論文
  • 宮川 義範, 末広 俊夫, 松尾 豊史, 大友 敬三
    2016 年 72 巻 1 号 p. 1-18
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     せん断壁を有する鉄筋コンクリート製地中構造物の動的地震応答を,材料非線形有限要素解析によって求めた場合の損傷評価指標について検討した.最初に,壁単体を対象とした解析を通じて,主圧縮ひずみが一定以上ある区間の水平幅の全幅に対する比と,水平耐力の低下率とが良く対応するという知見を得た.次に,せん断壁を有する模型を乾燥砂地盤中に埋設して加振する実験を行い,材料非線形解析が,実験で得られた構造物の水平・鉛直変位応答を精度良く追跡できることを確認した.実験のシミュレーションおよび入力加速度を変えたケーススタディの結果から上記の損傷幅比や鉛直変位を抽出し,これらに基づいて,最大耐力点到達の判定や最大耐力点以降の損傷度の分類・評価が可能となることを示した.
  • 古内 仁, 渡邊 忠朋
    2016 年 72 巻 1 号 p. 19-31
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
     ひび割れ補修された鉄筋コンクリート部材の繰返し荷重下における構造性能を明らかにするために実験を行った.ひび割れ補修時に鉄筋に作用している引張応力が異なると,応力の大きさに応じて除荷時の残留ひずみが大きくなる.ひび割れ幅が0.3~0.6mm程度となるような大きな引張力が作用している状態でエポキシ樹脂補修材を用いた場合には,ひび割れ部の鉄筋の付着力が回復する.セメント系補修材を用いても,鉄筋のひずみ挙動に与える影響は同等であった.補修後の鉄筋の残留ひずみに対して,荷重履歴における最大ひずみと補修時のひずみから推定する式を導いた.ひび割れ補修によって除荷時の残留応力が大きくなることで鉄筋に適度なプレストレス力が生じ,その結果繰返し荷重下では応力振幅が小さくなることで鉄筋の疲労寿命が増大することが示された.
  • 酒井 雄也, Biruktawit Taye TAREKEGNE, 岸 利治
    2016 年 72 巻 1 号 p. 32-40
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究は硬化コンクリートを粉砕し,圧縮成形を行なうことで,骨材の選別・分別等を行わずに成形体としての再生を試みたものである.成形体の圧縮強度性状の把握と強度改善方法および体積制御方法の検討,また成形中に粉体に生じる現象の観察を行なった.検討の結果,コンクリートのみを粉砕して単に成形した場合,成形体の強度は不十分であるが,スラッジやセメントペーストとの置換や炭酸化処理等により成形体の強度向上が可能であることを確認した.成形圧力の増加によっても強度向上は期待できる.また成形前の粉末に対して適切な乾燥処理を行うことで,水分移動による成形体の体積変化を制御可能であることを示した.
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