土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
Online ISSN : 2185-6567
ISSN-L : 2185-6567
74 巻, 3 号
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和文論文
  • 三澤 孝史, 廣中 哲也, 山口 治, 宇治 公隆
    2018 年 74 巻 3 号 p. 139-157
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
     既設RC橋脚の曲げ補強では,RC巻立て工法や鋼板巻立て工法が標準的に用いられているが,補強部の巻き立て厚さが薄く,施工性が良く,より経済的な工法が求められている.そこで,既設RC橋脚の外周の軸方向鉄筋とせん断補強鉄筋に細径の高強度筋を用い,吹付モルタルで被覆する薄層で経済的な曲げ補強工法を提案した.本工法は,補強用軸方向鉄筋に細径異形PC鋼棒あるいは高強度鉄筋(USD685)を用い,施工性や基礎構造への影響を抑えるため,補強用軸方向鉄筋のフーチングへの埋め込み側先端に突起を設け定着長を短くしたことを特徴とする.既設の鉄道RC橋脚を参考とした1/4縮小試験体を用いた正負交番載荷実験により,既設RC橋脚の曲げ補強工法として有効であるとともに,既往の評価式で耐力・変形性能を評価できることを確認した.
  • 松岡 弘大, 渡辺 勉, 箕浦 慎太郎, 曽我部 正道, 面高 陽紀
    2018 年 74 巻 3 号 p. 158-175
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
     PCまくらぎは導入開始から50年以上が経過し,損傷したPCまくらぎを適切に検知・交換していく必要であるが,バラスト軌道ではまくらぎ上面以外を視認できず損傷状態の把握自体が困難であった.本研究では,モード特性を用いた損傷PCまくらぎの簡易検知手法の構築を目的とし,各種の振動・打音測定を実施した.曲げ試験と振動測定,数値解析から,レール部断面に常時開口ひび割れが生じることで固有振動数が急激に低下すること,実損傷PCまくらぎの振動測定から3次モードの固有振動数が損傷度と高い相関を有することを明らかにした.また打音による簡易検知手法を提案し,実路線調査に適用することで,多点加速度測定と同様の精度を確保しつつ,効率的に損傷PCまくらぎを検知できることを実証的に示した.
  • 山田 雄太, 千々和 伸浩, 岩波 光保
    2018 年 74 巻 3 号 p. 176-191
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/20
    ジャーナル フリー
     鉄筋腐食ひび割れが生じた鉄筋コンクリートはりのせん断疲労耐荷機構に及ぼすせん断補強筋の影響を明らかにするために,繰返し載荷実験および有限要素解析を行った.解析結果を用いてせん断耐荷機構をアーチ機構とビーム機構に分解した結果,鉛直応力非卓越領域(B領域)に鉄筋腐食ひび割れを有するはりでは,せん断補強筋のダウエル効果により,ひび割れ面上の滑動が抑制されることでアーチ機構寄与分が低減されることを明らかにした.アーチ機構寄与分が高い寄与率で推移するはりほど,低い上限荷重作用下における疲労寿命は低下する傾向を示した.鉛直応力卓越領域(D領域)に鉄筋腐食ひび割れを有するはりでは,健全なはりと概ね同様の耐荷機構を示すことを確認した.
  • 山本 誠, 武若 耕司, 山口 明伸, 審良 善和
    2018 年 74 巻 3 号 p. 192-206
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/20
    ジャーナル フリー
     電気防食工法は,鉄筋コンクリート構造物の塩害劣化対策として内部鉄筋の腐食反応を停止させる唯一の手段であり,適用事例も増加している.一方で,現在適用される防食基準は,「100 mVシフト基準」が主であり,内部鉄筋の腐食速度との関係から整理されたものは少ない.本研究では,分割鉄筋を埋設したコンクリート供試体を用い,シフト量を変化させた場合の防食率を無通電と比較検証し,100 mVシフト基準の妥当性を確認するとともに,100 mV以下のシフト量における腐食抑制程度を示した.これらの結果を用いて,電気防食工法適用における通電方法,照合電極の設置位置および腐食速度と防食基準の設定方法に関して検証することで,電気防食の適用範囲拡大の可能性を示した.
  • 山野辺 慎一, 河野 哲也, 中井 督介
    2018 年 74 巻 3 号 p. 207-217
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/20
    ジャーナル フリー
     低空頭・狭隘地における鉄道構造物等のニューアル工事における場所打ち杭の施工性の改善として,筆者らは,伸縮可能な鉄筋かごを用いたストランド場所打ち杭工法を開発した.本工法の鉄筋かごにおいては,軸方向鋼材にPC鋼より線(ストランド)を用い,帯鉄筋との交差部分を交差角度が90度回転可能な特殊な治具で結合して,円筒形状のかごを構成する.PC鋼より線には可撓性があるため,鉄筋かご全体をねじるとPC鋼より線は螺旋状に変形し,かご全体を縮小することができ,逆方向にねじると鉄筋かごは容易に伸展する.縮小した状態の鉄筋かごを掘削孔内に伸展することで,短時間で鉄筋かごを建て込むことができるため,低空頭下での施工性を大幅に改善することができる.本論文では,鉄筋かごの構成や特性について報告する.
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