複数のプレキャストPC床版を充填材のみで一体化して,実橋の中間支点付近で発生する負曲げ作用を与えた上で輪荷重走行試験を実施した.250kN一定荷重にて繰返し載荷を行ったところ,ポリマーセメントモルタル,エポキシ樹脂モルタルを適用した試験体はいずれも早期に剥離破壊した.また,充填材の引張疲労試験を実施して,輪荷重走行試験で使用した充填材料がコンクリートと比較して低い応力比の繰返しでも疲労破壊が生じる材料であることを確認した.
これらを踏まえた繰返し載荷による疲労解析検討を行い,再現解析により試験において剥離が発生するまでに界面に作用する応力履歴を解明するとともに,負曲げ作用や載荷荷重を変化させた解析により,それぞれの充填材を用いた場合における実橋適用時の疲労耐久性を明らかにした.
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