土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
67 巻 , 2 号
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海洋開発論文集 Vol.27(特集)
  • 関 克己, 河合 弘泰, 佐藤 真
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_1-I_6
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     全国港湾海洋波浪観測網NOWPHASは1970年に構築され,これまで大量の波浪データを蓄積してきた.本研究では,NOWPHASの長期観測データに基づき日本沿岸の波浪統計量の経年変化について,季節別に分類し検討を行った.1)平均有義波高については,通年値で藍島・むつ小川原・常陸那珂・中城湾において増加傾向,波浮では減少傾向を示している.藍島・中城湾ではほぼどの季節においても増加傾向を示している.2)平均有義波周期では,下田における春季のデータを除き増加傾向である事が分かる.3)波パワーは全国的に増加傾向にある.4)最大有義波高の増加が顕著な地点としては,酒田,名瀬,八戸が挙げられる.季節別に見てみると,日本海側では冬季に増大傾向,東北太平洋沿岸では秋季に増加傾向がみられる.
  • 加藤 史訓, 野口 賢二, 諏訪 義雄
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_7-I_12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     1999年から2009年までの海岸堤防・護岸の被災事例について全国調査を実施した。321の被災事例を分析した結果、海岸侵食が施設被災の起因となっていること、直立堤や傾斜堤と比べて、緩傾斜堤の被災事例が多いことなどが明らかになった。また、海岸堤防・護岸の被災パターンを13種類に分類した。
  • 平山 克也
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_13-I_18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     海域施設の耐波設計技術が着実に向上している近年においても,海岸・港湾施設の高波被害に関する報告は後を絶たない.そこで本稿では,近年の大規模な波浪災害のうち,2004年の台風16,18,23号による高波,及び2006年の久慈港,2007年の湘南海岸,2008年の富山湾沿岸に来襲した長周期うねりを取り上げ,今後の防災ならびに施設設計に活用されることを期待して,それぞれの海岸・港湾被害の特徴とその被災パターンの分類,及び波浪特性を踏まえたそれらの類型化を試みた.この結果,波浪特性の観点からは,波高が設計波を超える場合には確率波の見直しや反射波の影響,周期が設計波を超える場合には偶発性や海底地形による波浪変形,などを考慮した被害予測や施設設計の必要性が明らかとなった.
  • 古川 恵太, 明田 定満, 鈴木 高二朗, 木村 克俊, 五明 美智男
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_19-I_24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     これまで港湾・漁港等においては,閉鎖性水域の環境改善に向けて多くの取り組みが行われてきた.しかし,依然として湾内の水質は多くの海域で環境基準の達成率が50-80%で横ばい傾向にあり,貧酸素水塊の発生や生物の大量死,ノリ貝・底魚などを中心とする漁獲量の減少傾向は多くの閉鎖性水域で共通した問題となっている.
    環境改善に取り組み始めた1970年代においては,その中心は水質改善,生物生息(魚礁),景観であったが,その後,干潟造成を含む底質改善,負荷削減,新たな生物生息場の創出などに展開してきた.こうした環境改善技術の変遷をレビューし,その課題を明らかにするとともに、今後求められる環境改善と、それに寄与する新しい技術の開発について検討することを目標に特別セッション「閉鎖性海域における環境改善技術について」が企画された.閉鎖性水域の環境改善について,「どこで、なにを、なぜ(だれのために)」その技術を必要としているのか,「いつ、だれが、どんなふうに」環境改善技術の開発を目指すのかについて,とりまとめることを目的としている.
    本セッションの1年目は第35回海洋開発シンポジウムにおいて,4つの話題提供とそれに引き続くパネル討論という形で行われ,閉鎖性海域における環境改善技術の課題や問題設定の体系化を目指した.
    2年目となる本年の特別セッション開催にあたり,前回の議論で指摘された社会の変化についてのレビュー(2章),1年目の議論の振り返り(3章),2年目の提供話題の位置づけと討論議題の提示(4章)を本セッションのオーガナイザーおよびコーディネイター共著で準備することとした.
  • 玉上 和範, 五十嵐 学, 早川 淳, 津田 宗男, 古川 恵太
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_25-I_30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年,各地で海洋環境の改善を目的として干潟・浅場の造成事業が実施されている.しかしながら,造成に適した良質材料が入手困難となり,新たな造成材の開発が必要とされている.一方,全国のダム湖では堆積土砂による機能低下が起きており,堆積土砂の処分が大きな課題となっている.本研究では,ダム湖浚渫土砂を干潟・浅場の造成材として有効利用することを目的に,生物生息基盤としての適応性を検討した.検討の結果,ダム湖浚渫土砂について以下のことがわかった.1.化学性状や生物安全性に問題は無く,生物生息基盤としての安全性が確認できた.2.培養実験の結果,多様な生物生息やアサリの安定的な成育が認められ,生物生息基盤として問題なく機能した.3.実海域実験の結果,生物生息基盤として適応性を有する可能性が高いことが示された.
  • 中村 孝幸, 村上 寛洋
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_31-I_36
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究は,前面カーテン壁として2重式カーテン構造を採用することで港外水導入方式の防波堤における有効周期帯の拡大を目指した.具体的には,港外水導入方式に2重式カーテン構造を採用した場合の消波および海水交換機能,2重式にしたカーテンの組み合わせ効果,また効果的な断面の設定法などについて実験と理論算定により明らかにした.その結果、2重式カーテン構造を採用することで反射波の低減に有効な周期帯が大幅に拡大することや、長周期側では有意な海水交換機能が発揮できるものの、短周期側ではその機能が低下しやすく, 第2カーテン壁下端からの剥離流れの増進など、さらなる改善策が必要になることなどが判明した。
  • 大木 協, 福本 裕輝, 馬 駿, 羽田野 袈裟義, 朝位 孝二, 中野 陽一, 藤里 哲彦, 原田 利男
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_37-I_42
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     内湾などの閉鎖性水域では水の貧酸素化が進行し,魚介類の斃死を招き水産業に悪影響を与えている.従来,貧酸素化を改善するために様々な曝気技術が提案されてきたが,これらの技術には維持管理,エネルギー効率などの面で更に改善の余地があるように思われる.このような背景の中で,著者らは高効率・省エネルギーでDO濃度を改善できる技術として,h型管内の水面下の浅い位置からの曝気によって作られる気泡液膜の集合体を利用する気体溶解技術,すなわちh型気体溶解装置を研究開発中である.水道水を用いた室内実験の結果,本装置の酸素溶解能力と動力効率は水平管の水面からの高さが低く,曝気深度が深いほど大きくなることがわかった.また,h型管の管内径によって最適な空気流量が存在することがわかった.
  • 吉野 純, 野口 幸太, 鵜飼 亮行, 中瀬 浩太, 河野 裕美, 木村 賢史, 村上 智一, 安田 孝志
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_43-I_48
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究では,沖縄県西表島網取湾における湾内流動場とサンゴ生育分布との関係性を明らかにするため,現地観測と数値解析により湾内における潮汐流と河川流との混合過程について調査した.2010年10月から約2ヶ月間,水温,塩分,照度に関する定点観測を実施し,特に夜間の静穏な引き潮時において,低温で低塩分の河川水が湾東部に選択的に流れ込み,網取湾の潮汐流と河川流の混合の際に生じる湾内流動場には明瞭な東西の非対称性が存在することが明らかとなった.更に,理想化された沿岸海洋モデルに基づく数値解析により,現地観測によって確認された湾内流動場の非対称性を精度良く再現できることを明らかにした.このような湾内流動場に見られる顕著な非対称性は,湾内の複雑地形の影響を受けたものと推測され,網取湾のサンゴ生育分布に見られる東西非対称性に大きく影響しているものと結論付けられた.
海洋開発論文集 Vol.27(第35回海洋開発シンポジウム特別セッションのまとめ)
海洋開発論文集 Vol.27
  • 押川 英夫, 本村 航平, 小松 利光
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_52-I_57
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     BaNKシステムは,波浪によって生じる往復流場に非対称形状を有する構造物を複数個設置することにより,海底付近に波の一周期平均的な一方向流れを任意の方向に生成させ,底質移動の自在な制御を可能とする技術である.本研究は,残差流の生成に寄与する無次元パラメータとしてKC数,相対ブロック高さ,Re数の3つを主要なものと考え,これら3つのパラメータが残差流におよぼす影響について系統的な室内実験により検討した.本研究で得られた主要な知見として,無次元ブロック高さが小さいほど底面付近に発生する無次元残差流速が大きくなること,KC数が8程度で無次元残差流速が最大になることなどが明らかとなった.また,残差流の予測を行う場合にブロック付近の平均的な無次元残差流速として近似的に0.067が利用できることが判明した.
  • 川崎 浩司, 菊 雅美
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_58-I_63
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     越波災害を誘発する低気圧の接近・通過時には護岸周辺に強大な風が吹き寄せるため,護岸越波量を算定する際に風の影響を考慮することは重要である.しかし,護岸設計に適用可能な知見は少なく,越波に及ぼす風の影響はほとんど考慮されていないのが現状である.本研究では,風に及ぼす越波流量への影響を把握する手段として,断面2次元数値波動水路CADMAS-SURFの自由表面に風応力を導入する方法を提案するとともに,風による水滴の運動が表現できるように既存のTimerDoor法を改良した.提案した計算手法の妥当性を水理模型実験との比較により検討した結果,風による砕波点の移動や護岸前面での平均水位の上昇,有風時の無次元越波流量を良好に計算できることを示した.以上より,提案した計算手法は風外力を考慮した護岸越波解析に適用可能であることを明らかにした.
  • 古牧 大樹, 安野 浩一朗, 西畑 剛
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_64-I_69
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年,粒子法は最大の弱点であった圧力擾乱が減少しつつある.特にWCSPH法は,元来圧縮性粒子として計算を行うため,圧力擾乱がより少ない.またポアソン方程式を使用せずに計算できるため他の粒子法より計算時間が短縮できる等,より実務への利用に適した解析方法である.しかし,波力算定の適用性を検証した事例はまだ少なく,実用化を図るためには,更なる検証が必要と考えられる.本研究では,複雑な形状のスリットを有する波力低減型海域制御構造物を対象に,2次元WCSPH法による再現計算を行い,波力特性に関して実験結果と比較することで,その適用性について検証した.結果,波力・波圧について,スリット部以外では粒子サイズに関わらず再現性が高く,スリット部では,粒子サイズとスリット幅との比が1:7.2以上であれば再現性が高いことがわかった.
  • 中川 洋一, 大下 善幸, 山川 一美, 長谷川 巌, 稲垣 茂樹
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_70-I_75
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     海岸保全施設として,大規模潜堤と突堤および養浜が建設されている.海岸保全施設の全延長2,540mのうち,1,630mが施工済みであり,残りの910mは近い将来に建設される.施工済みの区間において,潜堤背後で洗掘溝が形成され,養浜砂が端部から流出している.この研究は,未施工区間における洗掘溝の形成と端部からの養浜砂の流出を抑制するために,2列潜堤の採用と端部の平面配置を検討したものである.大規模潜堤の標準断面と施設端部の平面配置を決定するために,三次元水理模型実験と二次元数値実験が実施されている.研究成果として,2列潜堤が一般的な潜堤より効果的であることが確認され,また,端部の平面配置が決定されている.
  • 河村 裕之, 小藏 紘一郎, 浅田 潤一郎, 名誉 会員
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_76-I_81
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     直立消波ケーソンは低反射構造であり,その代表としてスリットケーソンが広く用いられている.この波力算定には一般的に合田の算定式が用いられているが,前面壁の形状が特殊な場合,実験的な検証が必要であり,多くの研究が実施されてきている.高橋らの研究(1991)は,波の位相差とマウンドの影響を考慮し,部材別の波力補正係数を実験的に推定する方法を提案している.この際,代表的な位相は押し波時に3つ定義されており,波力が最も厳しい位相に対して安定性を検討する手法が提案されている.今回の研究では直立消波ケーソンの前面壁は複雑な形状であり,このような堤体について,高橋らの研究と同様に,波の位相に着目して波力を推定する方法の適用性および部材別の波力特性について検討した.
  • 金山 進, 安野 浩一朗, 琴浦 毅
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_82-I_87
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     流動場との相互干渉を考慮した鉛直2次元の膜体挙動モデルが提案された。鎖状にモデル化された膜体の張力場をSMAX法に基づく流動場に反映させるものである。一様流場での「ふかれ」について、既往の理論式との良好な一致を確認するとともに、励起流を伴う土砂投入を対象とした試計算を行った。
  • 吉田 誠, 清宮 理, 田代 聡一, 合田 和哉, 竹家 宏治
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_88-I_93
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     気温上昇による地球温暖化は波力増大などを引き起こし,防波堤の安定性や機能が損なわれる可能性が指摘されており,防波堤の滑動防止対策などが必要とされている.ケーソン式防波堤では被災後復旧時の対策として,ケーソン幅の拡幅や裏込材によるカウンターの設置などの滑動防止対策事例がある.一方,グラウンドアンカーによる滑動防止対策が提案されている.これは,ケーソンと直下の原地盤の間にアンカーを設置し,アンカーに初期緊張力を導入することにより,ケーソンの安定性を向上させ,かつケーソンの流失を防止する工法である.しかし,アンカーによる滑動防止効果は十分には明らかにされていない.本研究では,アンカーで補強したケーソン式防波堤の水理実験を実施し,アンカーによる滑動防止効果に関する基礎的な検討を行った.
  • 三宅 達夫, 澤田 豊, 鶴ヶ崎 和博, 菊池 喜昭
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_94-I_99
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究では,L型防波堤の津波作用時における外的安定性を検討する目的で,遠心力載荷模型実験を実施した.さらに,防波堤基礎部分の埋戻しを行った場合についてFEM解析を実施した.実験結果より防波堤の安定性は,防波堤底面の粗度や地盤条件の影響を受けることがわかった.特に防波堤重量および基礎の埋戻しにより,大きく安定性が増大することが明らかとなった.さらに根入れの無い場合に防波堤の有する抵抗力は既往の支持力曲面式を用いることで,精度良く評価できることがわかった.根入れの有する場合については,FEM解析ならびに実験結果を基に防波堤に作用する土圧分布を設定することで,抵抗力を評価できることがわかった.
  • 山本 吉道, 成吉 兼二, 比嘉 了規
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_100-I_105
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     海岸堤防や護岸が被災に至る海浜の横断面積の閾値を知ることは重要である。それゆえ、日本とタイ国の33海岸で海岸災害の実態が調査され、これらの海岸施設が来襲波による損害を被らないために必要な海浜断面の限界寸法が明らかにされた。また、海浜域や極浅海域の堤防や護岸の破壊メカニズムについて、これらの施設の通常の安定計算だけでは説明できないケースが多くあり、洗掘と吸出しも考慮する必要がある。それゆえ、越波量と吸出し部での正味の有効剪断抵抗力を用いて堤防や護岸の破壊を予測する実用的方法も提案した。さらに、吸出し部の裏込め材として小石を使って正味の有効剪断抵抗力を強化する対策法の有用性を確認した。
  • 長尾 毅, 辻尾 大樹, 大久保 陽介, 熊谷 健蔵
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_106-I_111
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     ケーソン式混成堤の耐波設計のうち,滑動破壊モードに関しては,設計供用期間中の波浪作用による滑動量を確率的に評価する方法が提案されている.この方法においては通常,防波堤前面の波高分布特性は設計供用期間中一定であると仮定されるが,ケーソンに一旦滑動が生じると,滑動したケーソンに対する波高が増大する傾向があることが指摘されている.本研究では,ケーソン式混成堤の変位に伴う波高増大を考慮した累積滑動量に関する破壊確率を評価した.その結果,滑動に伴い波高が増大すると,大きな滑動が生じやすくなるとともに,滑動が生じる可能性自体も高くなる.この両者の影響により,本研究の範囲では,波高増大を考慮しない場合と比較して,概ね5%程度の破壊確率および期待滑動量の増加が認められた.
  • 内田 吉文, 神藤 明彦, 鬼頭 孝明, 杉本 達重, 森川 高徳, 近藤 泰徳
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_112-I_117
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年,内湾など閉鎖性海域に建設される防波堤は,水質改善を目的とした「透過型」の採用事例が増えている.しかし,透過型防波堤は,伝達波が発生しやすくなる.本研究は,直立消波ブロック式防波堤の一部に透過孔を設置した透過型防波堤を対象に,港内外に発生する流速特性及び港内への伝達波特性を、1//30と1/18の縮尺の断面水理模型実験により把握した.その結果、透過孔を設けることで、港内外で活発な水の移動が発生し、それはL.W.Lで顕著となることが確認された。さらに、その際の伝達率は、越波の発生するH.H.W.Lよりも高まることがわかった。
  • 森澤 海里
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_118-I_123
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     我が国は台風の常襲地帯であり,地震の多発地帯である.そのため,古くから台風による高潮や高波,波浪による海岸侵食,地震に伴う津波などの多くの被害を受けてきた.そのような我が国にとって防波堤は海岸を保全する重要な構造物である.しかし,防災の面では優れている不透過な防波堤には海面上にあるため景観的に悪影響をもたらすとともに堤内の水質悪化を引き起こすという欠点がある.そのため,最近では透過性能を有する防波堤が用いられるケースが多く採用されている.本研究では水質交換や景観を考慮する目的として没水型透過性防波堤として水平板と潜堤からなる複合型防波堤を選定し,防波堤の防波効果を水理模型実験と境界要素法を用いた数値解析により検討した.
  • 平山 隆幸, 松見 吉晴, 河合 直樹, 藤本 啓伸, 太田 隆夫, 大野 賢一
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_124-I_129
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     護岸前面の消波被覆工の被災進行に伴う消波性能の変化に着目し,被覆工の法面部での累積損傷に伴う反射率変化について実験的に検討してきたが,被覆工の断面変化と反射率の因果関係に関して被災率という単一のパラメータだけでは明確な回帰式を見出せるまでに至っていない.本研究は,ニューラルネットワークを利用して護岸被覆工の累積損傷に伴う反射性能に関する評価モデルを提案したものである.被覆工の天端低下と法面被災の複合被災パターンにおける累積損傷に伴う反射率変化に関して,ほぼ±10%程度の誤差で予測できることがわかった.
  • 重松 孝昌, 竹下 航, 前川 雅俊, 坪井 研, 松下 紘資, 徳永 誠之
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_130-I_135
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     消波ブロックによって被覆された直立消波堤の反射特性に及ぼす被覆断面の影響を検討するための水理実験が行われた.規則波を対象とした実験結果に基づいて,簡便な式計の2個の反射率推定式を導いた.1つは波形勾配と相対波高の関数として表されている.他方は,沖波の波長,水深,および静水面が横切る被覆消波工の長さの関数として表されている.
  • 長尾 毅, 橋本 淳
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_136-I_141
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     ケーソン式混成堤の性能設計においては変形量の評価が必要であるが,滑動破壊モード以外の変形評価手法はまだ確立されていない.本研究では,既往の水理模型実験の結果を入手し防波堤の変形特性を議論した.その結果,防波堤の変形は単なる滑動によるものではなく,変形の小さい範囲でさえ捨石マウンドの変形を伴っていることが明らかとなった.ケーソン端しがマウンド内に貫入する角度の違いについて論じている.
  • 川崎 浩司, Han Dinh Ut, 松野 哲弥, 福本 正
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_142-I_147
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年,地球温暖化に伴う海面上昇,台風勢力の増大が懸念され,高潮,高波による越波災害へのさらなる対策が求められている.そこで,既設直立護岸の前面に浮体パネルを設置する越波対策工法が提案された.水理模型実験から,高い越波低減効果が明示された一方で,数値解析による検討はされていない.本研究では,3次元固気液多相乱流数値モデルDOLPHIN-3Dを改良・使用して,越波低減浮体パネルの動的挙動に関する数値解析を行った.水理模型実験との比較から,浮体パネルの動的挙動,護岸前面の水面変動を高精度に再現可能であるとともに,越波低減効果を確認した.以上から,本モデルの妥当性を示した.さらに,計算結果を3次元グラフィックで描画するPOV-Ray用インターフェースを構築した.インターフェースにより,計算結果の高度な可視化が可能となった.
  • 増田 光弘, 増田 光一, 居駒 知樹, 庄司 邦昭
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_148-I_153
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     沿岸域に津波が来襲した場合,岸壁近傍に設置された船舶を含む浮体式構造物は,係留索の破断により,岸壁への乗り上がりや陸域への漂流,建築物との衝突といった被害を及ぼすことが予想される.これらの現象をより正確に予想することは,防災,あるいは減災の観点から極めて重要である.しかし,このような災害の連鎖ともいえる現象は,線形理論に基づいた数値計算法ではその予測が困難である.そこで著者らは,強非線形な物理現象を直接的に解くことに特化している粒子法の一種であるMPS法に着目し,津波による災害の連鎖を解析可能なMPS法プログラムを作成した.本研究では,3次元に拡張したMPS法プログラムを用いて津波による浮体の乗り上がり問題に対する3次元MPS法の適用性について検討を行った.まず,模擬津波の波形,岸壁上での水位,流体圧力,浮体の乗り上がり挙動,建築物との衝突力について,水槽実験との比較を行い,その再現性について考察を行った.さらに3次元MPS法を用いて岸壁近傍にドルフィン方式で係留された浮体式防災基地の津波中挙動シミュレーションを行い,津波の来襲によって浮体式防災基地がどのような影響を受けるのか検討を行った.
  • 熊谷 兼太郎, 根木 貴史
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_154-I_159
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     港湾に蔵置された貨物が高潮で海上に流出し漂流する挙動について,風の吹く海域を模擬した風洞水槽においてコンテナ模型を用いた実験を行った.
    現地の波浪場及び風場への適用性を検討し,波浪場については概ね適用できると考えられるが風場については現地よりも大きな値を与えているようであり乱れを小さくした条件とするなど今後の詳細な検討が必要であることが分かった.
     また,模型に作用する風抗力係数及び流れ抗力係数について満載で送風量が比較的大きい場合の値を算定し既往の提案されている値との比較を行い,ふ頭上で実物コンテナの風抗力を測定した既往の結果と比較すると風抗力係数はやや大きかった.流れ抗力についても一般的に用いられるものよりも大きくなる結果となり,波力の適切な考慮等のより詳細な検討が必要であると考えられる.
  • 山下 啓, 柿沼 太郎, 中山 恵介
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_160-I_165
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     薄板状浮体構造物と1層,または,2層流体の相互干渉問題の数値解析を行なった.表面孤立波が薄板状浮体に覆われた1層の水域に伝播する水理実験結果との比較より,速度ポテンシャルの展開項数を2,または,3とすると,薄板状浮体の応答の再現性が高いことが確かめられた.そして,薄板状浮体構造物上に作用する点荷重が移動する場合を対象とした数値解析により,点荷重の移動速度が表面浅水波の波速と等しい場合,表面波及び内部波の表面波モードが顕著に増幅されることが確かめられた.更に,薄板状浮体上の点荷重の移動速度が内部浅水波の波速と等しい場合,内部波の内部波モードが顕著に増幅されることがわかった.
  • 伊藤 麻衣子, 新井 信一, 相原 昭洋, 高橋 敏彦
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_166-I_171
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     係留の安全のためには風の影響を十分に調べる必要がある。岸壁上の大きな建屋の背後に係留された船舶に働く風荷重が、風洞ではなく開水路を用いて実験的に調べられた。粗度を用いて水路床上に1/7乗則が再現され、船舶と建屋(フェンスもしくは倉庫)が配置された。船舶はSwayのみ許されている。その結果、フェンス背後の逆流域は倉庫のそれの2倍あること、風により船舶は、建屋の直背後では引き寄せられるが、離れると押されること、そして、船舶が建屋から離れるにつれて風荷重の時間平均も変動成分も大きくなり係留船舶の運動も大きくなることが分かった。さらに、風の押す力は、船舶を固定している状態より係留時運動状態のほうが少し大きいことが認めれれた。
  • 種浦 圭輔, 平石 直也, 羽田野 袈裟義, KOIRALA Pallav, 松崎 浩憲, 川野 恵治, 草野 徹也
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_172-I_177
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     水俣市丸島漁港に設置した浮体-釣合錘式波力発電は,ワイヤ・浮体・釣合錘・ラチェット機構、回転増幅機・発電機から構成され,ワイヤ・浮体・釣合錘・ラチェット機構のつるべ式構成により,浮体重量とワイヤ張力を介して,水面波のエネルギーを一方向に回転する軸の動力に変換する.つまり,ラチェット機構により水面(浮体)上昇時には空転し,水面下降時に動力変換する構成となっている.本論では,本装置の設置までの事前調査と設計を説明し,さらに,設計上の課題と解決策を述べる.また,設置工事の様子を述べ,発生電力などの計測結果を示す.最後に,実験中に判明した問題から,今後の課題について説明する.
  • Pallav KOIRALA, Kesayoshi HADANO, Keisuke TANEURA, Ryo SHINAGAWA
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_178-I_183
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     日本近海,特に初期ステージの海上実験に適した内海では波高が小さく,装置の機械ロスの評価が重要となることが多い.著者らは釣瓶式波力発電装置の力学モデルにおいて回転体の運動方程式において,これまでは機械ロスを生むトルク抵抗を駆動プーリの回転速度に比例する項だけで表現していた.
     本研究ではこれを見直して駆動プーリの回転速度に比例する項と固定トルクの合計で表現する形に変更した.新たに追加した固定トルク抵抗は,発電機の回転のための閾値のトルクである.この追加により得られた式と従来式の計算結果の比較から,今後の実験検証でトルク抵抗を本研究で示した2パラメータで表現すべきである旨の示唆を得た.
  • 中村 孝幸, 青山 善行, 浦中 光太, 安井 孝, 二宮 一成
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_184-I_189
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     今治市の来島海峡を対象とし,潮流エネルギーを効率的に取得できる水車を開発するために,ダリウス型水車およびサボニウス型水車を含む三種類の水車について実験を行い検討した.本研究では,来島海峡の潮流の全方位的な流れを考慮し、直立型水車をエネルギー変換装置として採用した.また,直立型水車の取得効率を増加するために流向制御装置を提案した.流向制御装置は直立型水車の効率を増加させるのにとても効果的であることが明らかになり,およそ3倍に増加した.さらに来島海峡における直立型水車の現地での設計のために,直立型水車に作用する潮流力および波力について,実験を行い検討した.
  • 井内 国光, 中村 孝幸, 安井 孝, 二宮 一成
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_190-I_195
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     来島海峡は,古より潮流の速い海域として知られており,航行船舶の難所でもある.近年,海洋エネルギーの一つの利用方法として,潮流エネルギーが注目されている.この研究では来島海峡を含むしまなみ海道周辺海域の潮流エネルギーの賦存量を,3次元的な潮流の数値シミュレーション結果に基づき明らかにした.さらに海底地形なども考慮して発電施設の建設に適する代表的な海域も提示した.
  • 白石 悟, 永井 紀彦, 鈴木 高二朗, 田中 陽二, 牛山 泉, 西沢 良史, 細見 雅生, 小川 路加
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_196-I_201
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本論文では千葉県富津市に設置された実機中型風車を用いた現地実証試験結果に基づき強風時の風速および発電量特性と風の乱れ特性について述べた.次に,港湾や漁港における自己利用型エネルギーの活用に関する検討として,北海道日本海沿岸の港湾や漁港を対象に実施したヒアリング調査結果をふまえて,港湾や漁港における中型風車の活用に関する可能性を検討した.
  • 宮下 健一朗, 長尾 毅
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_202-I_207
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     桟橋形式の耐震強化岸壁の設計を行う場合、まず弾塑性解析を行い、必要となる杭諸元を推定し、次にその断面に対して2次元地震応答解析を行い、要求性能を満足する詳細断面を設定するという手順が踏まれる。しかし、地震動や地盤条件によっては、弾塑性解析による推定断面は2次元地震応答解析の結果必要となる断面に比べて著しく耐力が小さい場合がある。弾塑性解析による断面の耐力が小さい理由は、弾塑性解析では地盤変形による曲げモーメントを考慮できないためである。本研究では、2次元地震応答解析を行う前の断面の推定に、地盤変形による曲げモーメントを考慮した方法を用いることを提案する。これにより設計の負荷を低減できると考える
  • 藤原 隆一, 山野 貴司, 野村 浩二
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_208-I_213
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究は,鋼管杭で支持された低天端有脚式離岸堤周辺の局所洗掘の特性を水理模型実験により把握することを目的とした.最大洗掘深は,底面付近の水平流速が大きくなる堤体岸側の開口部付近で発生した.また,入射波高で基準化した無次元最大洗掘深はシールズ数に応じて減少することが分かった.堤体沖側での地形変化は,重複波による局所洗掘に加え,堤体の沖側で発生する鉛直循環流の影響を受ける.さらに,洗掘対策工として,堤体下部の底質を現地で70kg/個,厚さ1m程度の石材で置き換え,底質内の流速を低減する方法の有効性を確認できた.
  • 長尾 毅, 桒原 直範, 尾崎 竜三
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_214-I_219
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究では,傾斜式護岸のレベル1地震動に対する簡易耐震照査手法について検討を行ったものである.
  • 井田 聡, 清水 清文, 福濱 方哉, 石橋 大輔, 辺見 聡
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_220-I_225
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究は巻き波砕波が生じる急勾配海岸に設置された根固めコンクリートブロックの挙動を水理模型実験で把握するとともに, 数値波動水路を用いて波高, 流速, 圧力等の水理諸元を算出することで, 巻き波砕波時の消波・根固めブロックの必要質量の算定方法を示したものである.
  • 大東 秀光, 有光 剛, 川崎 浩司
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_226-I_231
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     被覆材としてハドソン式を満足する重量の異形ブロックを有する防波堤マウンドにおいて、法先に設置されたブロックのみが被災した事例がある。本研究では、現地地形に基づいた平面模型実験により、防波堤マウンド法先部に設置された被覆ブロックの耐波安定性に影響を及ぼす要因について検討した。平面実験の結果、ブロックによる流れの阻害が安定性に大きく影響を及ぼすという既実施の断面実験と同様の傾向が認められた。また、入射角や潮位が安定性に影響を及ぼすことを確認した。
  • 李 光浩, 水谷 法美, 山田 裕貴
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_232-I_237
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     浮防波堤の主な消波機構は,浮体による入射波の反射や砕波,浮体運動による発散波の位相差,浮体周辺の渦や摩擦などを組み合わせた構造をもち,重力式防波堤に比べてより複雑な消波メカニズムによって支配される.従って,浮体運動に伴う構造物周辺の波浪場を把握することは,効率的な断面形状を設計するために重要な基礎情報となる.本研究では,斜め緊張係留された矩形および円形断面浮体を対象に水理模型実験を行い,動画解析によって浮体の動揺特性および浮体周辺の流動場を調べ,波浪制御機能との関連性を把握した.浮体の動揺特性は断面形状および喫水深,浮体周辺の流動場は断面形状によって傾向が大きく異なることを確認した.
  • Wei PENG, Kwang-Ho LEE, Norimi MIZUTANI
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_238-I_243
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     浮防波堤の有効性を検討するために適用されてきた従来の数値計算手法は微小変位の仮定に基づくポテンシャル理論が主に用いられてきたが,浮体の動的波浪応答や波浪制御面で重要となる隅角部での渦の発生や砕波などの現象を直接反映させることは困難であった.本研究では,波浪制御構造物の付加機能として,波エネルギーの回収システムを検討するために提案された傾斜板支持式の浮防波堤を対象とし,その動的解析を実現するためにNavier-Stokes Solverに基づく計算手法を開発した.この計算手法は,従来のデカルト格子上で任意形状の不透過境界を有する物体と流体の連成解析が可能なIB法を適用し,移動構造物の境界面の追跡が容易である.数値計算結果は浮体の運動振幅やそれに伴う浮体前後の水面変動を良好に再現可能であることを明らかにした.
  • 中嶋 さやか, 関本 恒浩, 片山 裕之, 高橋 研也
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_244-I_249
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     急勾配斜面を有するリーフ地形を対象に,リーフ上の波の変形に関する基礎的な知見,特に波周期や波の再生に関する知見を得ることを目的として水理模型実験を実施した.その結果,(1)リーフ上では波の分裂・再生が生じており,リーフエッジ近傍では波の非線形干渉による拘束波が,リーフ後方では自由波が発生していることを明らかにした.また,(2)リーフ上における波の再生位置は,リーフ地形やリーフ前面の斜面勾配(1:0.5~1:3)に関わらず,リーフエッジからの距離と沖波の波長の比が概ね1~1.5程度となる位置で評価できることを示した.
  • 平山 克也, 岩瀬 浩之, 加島 寛章
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_250-I_255
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究では,伏木富山港を対象としたブシネスクモデルによる波浪変形計算において,入射スペクトルを単一とみなすのではなく,造波境界上での方向スペクトルの空間分布を考慮した造波を行い,入射境界から対象施設に至るまでの波浪場をより精緻に再現することを試みた.この結果,2008年2月の寄り回り波,2004年10月の台風23号による高波ともに,NOWPHAS波浪観測地点で得られた波高頻度分布特性を良く再現するとともに,沖防波堤法線位置でのH1/3,H1/20の出現特性から,寄り回り波来襲時の防波堤ケーソンの滑動状況をより明確に説明できることを示した.さらに,このときみられた波高頻度分布の平滑化は,一様でない複数の方向スペクトルに対する不規則波を造波することにより再現されることを明らかにした.
  • 李 佑東, 水谷 法美, 許 東秀
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_256-I_261
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     本研究では,新しく斜め入射波を造波可能な3次元数値解析手法を開発し,河口域における波と流れの相互作用による波高分布および流れ特性を,交差角を変化させながら考究することを目的とする.まず,異なる入射角の進行波に対する検証により,新たに開発した斜め入射波の造波方法の妥当性を示した.また,流れの流速が大きくなるほど波高の現象が顕著になること,波と流れが交差する付近での相互作用の影響によって波高が増大することを示した. しかし, 波と流れの交差角が小さくなると,流速や入射波周期が波高変化に及ぼす影響が小さくなることも明らかにした.
  • 平山 克也, 長谷川 巌
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_262-I_267
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年では,VOF法やMARS法,あるいは粒子法などの3次元流体解析法を用いた護岸周辺の越波・浸水計算が可能となっている.一方,波動方程式で算定した護岸前面の水面波形に対し越流公式を適用して越波量を推定する方法では,波群に伴う長周期水位変動を考慮した越波量の平面分布なども算定可能であるが,越波水塊の3次元的な挙動等が無視されることに加え,基礎方程式の弱非線形性や離散誤差により過小評価される越流水深に対して何らかの補正が必要である.そこで本研究では,過去の実験データを再整理して得られた護岸前面水位の補正係数を用いて越流公式に基づく越波モデルを改良するとともに,等流計算に基づく排水モデルを新たに導入して,長周期うねりを対象とした護岸越波・排水計算を実施し,その適用性を示した.
  • 中川 知和, 片岡 保人, 竹鼻 直人, 諏訪 多聞, 風間 正喜
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_268-I_273
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     SPH法により,直立護岸およびフレア護岸の砕波現象の数値解析を行った。SPH法の問題であった波高減衰を抑制するために,Symplectic Euler時間積分法を導入するとともに,5次のカーネル関数を採用するなどした。この結果,波高減衰が小さくなり,実験と良く一致するようになった。さらに,越波量も予測したところ,直立護岸で誤差20%程度,フレア護岸で誤差40%程度になった。
  • 井鳥 聖也, 入部 綱清, 仲座 栄三
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_274-I_279
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年,土木分野において,粒子法の一種であるMPS(Moving Particle Semi-implicit)法による様々な流動の計算が行われている.MPS法は自由表面が複雑に変形するような流れを容易に解くことができるが,その一方で,圧力値が時間的および空間的に激しく振動するという問題を抱えている.本研究では,この問題を改善するために,新たな自由表面粒子の判定法を提案する.そして,その改善性能の検討として,静止した流体を対象に,自由表面粒子数の評価を行う.さらにその応用として,圧力ポアソン方程式に本判定手法を適用し,従来のMPS法よりも安定した圧力値が得られることを示す.
  • 渡邉 忠尚, 入部 綱清, 仲座 栄三
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_280-I_285
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     従来のMPS法による数値計算には,進行波が減衰する問題がある。本研究では,進行波の減衰の原因が,精度の悪い勾配計算方法によるものであることが示される.この問題を解決するため,筆者らはMPS法に精度の良い勾配計算手法を適用し,流速ベクトルや波の高さの計算結果は浅海波と深海波の条件下において良好であった.さらに応用として,波の遡上や砕波も計算が行われた.本研究では,進行波の減衰を低減するために,精度の良い勾配計算手法を適用したMPS法は有用であることを示している.
  • 髙橋 研也, 関本 恒浩
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_286-I_291
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     近年の計算機性能の発展により,数値波動水路CADMAS-SURFにおいては不規則波や乱流モデルを使用した計算が実務で行えるようになってきた.不規則波入力法には藤原(2008)の水平流速補正法が採用されているが,質量輸送量と補正量の収支が一致しないという問題があった.これに対し,関本・髙橋(2010)は水平流速分布を鉛直一様とすることで計算時間内一定の補正量を与えているが,質量輸送量は水位変動に応じて時間変動するため,補正方法をさらに改良する必要がある.また,乱流モデルには高Re型k-ε2方程式モデルが採用されているものの,適用事例は数例と少なく,適用性については未だ不明点が多い.本研究では,不規則波入力時の水平流速補正法を改良するとともに,乱流モデルを適用した計算に考察を加えた.
  • 長谷川 一幸, 山本 正之, 三浦 雅大
    2011 年 67 巻 2 号 p. I_292-I_297
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     我が国の藻場は浅海の生態系にとって貴重な場であるが,近年港湾施設や発電所建設等による埋立や水質の悪化にともなって,減少傾向にある。本研究では,島根原子力発電所の近傍海域における人工リーフ状に形成される藻場を定量評価することを試みた。検討結果は以下の通りである。1)藻場構成種の四季変動は少ない。2)人工リーフは設置水深,傾斜角度を加味すれば,藻場として機能する。3)植食動物が藻場に与える影響は少ない
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