土木学会論文集E1(舗装工学)
Online ISSN : 2185-6559
70 巻 , 3 号
選択された号の論文の28件中1~28を表示しています
舗装工学論文集第19巻
  • 全 邦釘, 橋本 和明, 片岡 望, 蔵本 直弥, 大賀 水田生
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_1-I_8
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     アスファルト舗装のひび割れ損傷を定量的に評価する指標としてひび割れ率が定められている.このひび割れ率の算出にあたっては路面のひび割れをスケッチした後に区画内のひび割れの本数を数える必要があるが,手作業となるため膨大な労力と時間が必要となり,さらにはひび割れ開口幅などの重要な情報を得ることができないという問題がある.そこで本研究ではナイーブベイズ法による機械学習と画像解析を組み合わせ,撮影画像からひび割れを自動的に検出する手法を構築した.本手法は画素単位でひび割れを検出できるため,上述のひび割れ開口幅や面積などについても計算が容易である.そして本手法を複数箇所の密粒度アスファルトおよびポーラスアスファルト舗装の路面から撮影された画像に適用した実験により,本手法の高いひび割れ検出性能を確認した.
  • 浅田 拓海, 亀山 修一, 川端 伸一郎, 佐々木 克典
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_9-I_16
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     舗装路面のひび割れ調査には路面性状測定車が広く用いられているが,これには多額の費用が必要となるため,市町村レベルでは調査を実施することが難しい.本研究では,走行車両から市販のデジタルカメラで撮影した路面画像にアフィン変換や動的2値化処理などの画像解析を適用して自動的にひび割れを検出する手法を開発した.自動検出によって得られた結果と目視によってひび割れを検出した結果の一致率は80%以上であった.さらに,本手法を用いて総点検実施要領【舗装編】に示されたひび割れレベル(小・中・大)を求め,これと路面性状測定車から得られた値と比べたところ,80%以上の一致率が得られた.
  • 橋爪 謙治, 橋本 和明, 明石 行雄, 全 邦釘
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_17-I_24
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     排水性舗装の損傷進行の把握を目的として,高精度な路面性状車両で,同一箇所の隔月計測を実施した結果,この場所では短期間でひび割れ発生からポットホールへ進展する事象を確認した.この様な損傷は従来の評価(ひび割れ,わだち,平坦性)指標や調査頻度では早期に発見,予測できない.本論文は,高精度で取得した路面の高さ情報を解析することで,排水性舗装特有の局所沈下量という新たな評価指標を提案するとともに,損傷要因に応じた損傷進行における成長曲線モデルを導くことで,ポットホール発生予測を提案するものである.
  • 杉浦 聡志, 亀山 修一, 坪井 勤, 高橋 敏彦, 市川 晴信
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_25-I_31
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     国土交通省から全国の自治体に向けて出された総点検実施要領(案)【舗装編】では,舗装の点検に目視点検を採用している.美濃加茂市は,路面性状測定車の適用が困難な生活道路の舗装維持管理にシルバー人材による目視点検を導入する計画を進めている.本研究は,美濃加茂市道において目視点検の実証実験を行い,目視点検の正解率及びそれを向上するための点検者の訓練方法について検討した.その結果,舗装に関する知識を有さないシルバー人材であっても,舗装技術者が現場において評価ポイントを指導する訓練方法を採用することで,目視点検の正解率が大きく向上することが分かった.さらに,実務への導入に当たって必要となる機能を有する目視点検支援システムを開発した.
  • 森石 一志, 中村 博康, 渡邉 一弘
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_33-I_40
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     筆者らは,現在主に道路地図・台帳の整備等に活用されているMMS(Mobile Mapping System)に着目し,MMSを活用した効率的な路面性状調査手法に関する検討を進めている.既報にて,高密度レーザスキャナを搭載した改良型MMSを作製し,それによる三次元点群データを用いた路面評価手法に関する検討結果を報告しているが,それらは構内道路での検証に留まるものであった.本論では,検証対象を実道とし,供用中の道路における実際の路面の凹凸を対象に,三次元点群データを用いた路面評価手法の検討結果を報告すると共に,供用中のある時点から約半年後の路面の微小な変形の把握可能性についての検証結果を報告するものである.
  • 富山 和也, 川村 彰, 大廣 智則
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_41-I_48
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     加速度計を用いた簡易ラフネス測定装置である,モバイルプロフィロメータ(MPM)で得られるプロファイルは,IRI(国際ラフネス指数)のリアルタイム計算に最適化されているため,固有の路面波長検出特性を持つ.そこで,本研究では,波長検出特性をキャンセルする特殊な応答を持つ復元フィルタを,FFT(高速フーリエ変換)を用いた信号処理に基づき設計し,MPMによる絶対プロファイルの推定方法について検討した.その結果,MPMによる測定プロファイルは,水準測量との比較で,逆解析における相対誤差が20.6%から32.7%であるのに対し,復元フィルタによる推定では,3.8%から12.6%と,測定精度が大幅に改善された.また,MPMによる,リアルタイムでのIRI測定は,水準測量に対する相対誤差が最大でも5.8%と,実用上十分な精度であることを確認した.
  • 竹内 康, 小梁川 雅, 川名 太, 西澤 辰男, 堀内 智司
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_49-I_55
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     東京農業大学,石川工業高等専門学校,(独)土木研究所および(社)セメント協会の研究グループでは,土木研究所内に施工した実大コンクリート舗装および実大路盤試験区での路盤支持力測定試験結果および既往の支持力測定結果を統計分析し,信頼性分析結果に基づいて信頼度に応じたクラッシャラン,粒度調整砕石,セメント安定処理路盤の路盤厚設計曲線を提案した.しかい,2層系路盤を構築する場合についての検討は行っていない.そこで本研究では,モンテカルロシミュレーションによって信頼度が異なる路盤厚設計曲線を用いた場合の2層系路盤上での支持力がどの程度になるかを検討し,簡易な信頼度算出方法を提案した.
  • 上浦 正樹, 川名 太, 松井 邦人
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_57-I_64
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     多層弾性理論に基づいて逆解析により舗装における各層の変形係数を推定する評価法がある.近年 FWD試験では動的載荷を用いていることから動的逆解析に関する評価の重要性が認識されつつある.一方,小型FWDにおける動的逆解析では載荷板の接地圧分布が入力の必須条件であるが,載荷板の接地圧を測定する汎用機器はまだ開発されていないなど動的逆解析に関する課題が多い.そこで本研究では,小型FWD試験のために試作した接地圧測定装置により粘土,砂,礫などの種類が異なる路盤で接地圧を測定し,接地圧分布の違いを明らかにし,この違いが動的逆解析で得られる変形係数に与える影響の程度を検討した.その結果,この方法で接地圧を分類して求められる変形係数は実用上問題がないことを確認した.
  • 石川 達也, 木次谷 一平, 所 哲也, 赤川 敏
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_65-I_70
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     土の凍上量の予測式として「高志の式」が多用されているが,同式は土被り圧100kPa以上の飽和地盤で有効と考えられており,表層地盤などの不飽和状態の低土被り圧領域では,予測値が実際よりも大きくなる傾向にある.本研究では,寒冷地舗装構造の路床を想定した低土被り圧下における不飽和土の凍上量の推定方法として,有効応力を土被り圧とサクションの和で表した修正高志の式と吸水量,有効土被り圧,初期飽和度等を考慮可能な簡易凍上モデルを提案した.また,表層地盤を模擬した低い上載圧の凍上試験と保水性試験を行い,従来式と提案式を用いて試験結果をフィッティングしそれぞれの適用性を検証した.その結果,低土被り圧領域では,修正高志の式や簡易凍上モデルの予測精度が従来式よりも向上することを明らかにした.
  • 市川 拓真, 早野 公敏, 中村 貴久, 桃谷 尚嗣, 小池 陽平
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_71-I_77
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     鉄道バラスト軌道の道床横抵抗力の推定手法として,複雑な道床形状や地震時慣性力などを比較的考慮しやすい極限つり合い法に着目した.本研究では同手法を用いて,様々なまくらぎ形状,軌きょう水平載荷,という条件下の道床横抵抗力の推定を行った.推定に際しては既往の実験結果と比較することにより推定精度の検証を試みた.その結果,直方体のような単純形状のまくらぎに加えて,台形断面や翼付き形状のまくらぎの道床横抵抗力の推定が可能であることが明らかになった.さらに一本水平載荷だけではなく複数のまくらぎを同時に水平載荷する,軌きょう水平載荷条件下の道床横抵抗力の推定にも同手法が適用できると考えられた.
  • 中村 貴久, 桃谷 尚嗣, 早野 公敏, 小川 隆太
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_79-I_86
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     バラスト軌道の耐震性能を評価するため,これまでに小型模型や実物大模型を用いた振動台試験を行い,バラスト軌道の道床横抵抗力に関する検討が行われてきた.本研究では,軌きょう模型や曲線部模型を用いた小型模型傾斜試験や大型振動台試験により,バラスト軌道の道床横抵抗力を検討した.その結果,準静的な慣性力あるいは加振力が作用する道床の横抵抗力は,常時あるいは地震後の道床横抵抗力よりも小さい.また,直線部・曲線部の道床形状の違いが道床横抵抗力に及ぼす影響は小さいが,L2地震動を想定した地震時および地震後の道床横抵抗力は,まくらぎ本数が1本で評価した場合と複数本からなる軌きょうで評価した場合で異なる傾向を示すことが明らかとなった.
  • 小野田 元, 遠山 祐貴, 早野 公敏
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_87-I_94
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     近年,ゲリラ豪雨のような短時間において多量の降雨を受け,鉄道バラスト道床が流失する事例が発生しており,早急な対策が必要である.しかしながら,鉄道バラスト道床の流失機構についてはいまだ一般性のある解明には至っておらず,流失リスクや対策の合理的な評価ができていない.そこで本研究ではバラスト道床の流失に焦点をあて,模型実験を行うとともに,ミクロ的な視点から流失メカニズムの解明を試みた.模型実験結果からバラストの透水抵抗特性は道床幅によらず速度の2乗と1乗の和で表されるForchheimer則に従うこと,道床法面の流失崩壊は進行的であることを明らかにした.さらに,ミクロ的力学モデルによりバラスト抜け出しの安定性について検討し,透水力がバラスト流失に与える影響を明らかにするとともに,バラストの抜け出し予測への適用性を示した.
  • 狩野 正人, 久利 良夫, 鎌田 修, 横田 慎也, 篠田 隆作
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_95-I_99
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     筆者らは,表・基層の下部の構造形式(特に,橋面舗装におけるコンクリート床版,鋼床版)が橋面舗装のアスファルト混合物の挙動に与える影響について研究している.この研究では,アスファルト混合物を線形粘弾性体としてBurger'sモデルでモデル化し,線形粘弾性体の解析には対応原理を適用している.すなわち,ラプラス変換を施し,弾性体に準じて解析を行い,得られた結果をラプラス逆変換している.しかし,この場合,運動方程式を解いていないため準静的な解析となり,動的な効果を無視していることになる.本稿では,アスファルト舗装の粘弾性挙動について,簡単なモデルを用いて,動的な効果の影響程度を検討した.その結果,表・基層より下の構造部の質量,および,剛性が実際に使用している材料の範囲であれば,動的な効果がほとんど見られないことを確認した.
  • 辻本 陽子, 新田 弘之, 西崎 到
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_101-I_105
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     施工性改善やCO2排出削減などを目的として,加熱アスファルト舗装に対する中温化技術の開発や利用が進んでいる.これまで,中温化剤の添加によるアスファルト混合物の物理的性状の変化は多く報告されているが,アスファルトバインダの基礎的な物理性状については十分な言及がなされていない.本研究では,中温化剤によるアスファルトバインダの性状変化を把握することを目的として,示差走査熱量測定によりアスファルトや中温化剤の広範囲の温度域での熱特性や,これに対応した粘弾性状を調べた.さらに,熱特性と粘弾性状の関係について検討した.
  • 瀧波 勇人, 小梁川 雅, 森濱 和正, 常松 直志, 石田 征男
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_107-I_113
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     コンクリート舗装は,高耐久であるためLCCがアスファルト舗装と比較して安価であり,社会資本維持費削減の観点から普及が望まれている.近年,天然骨材が枯渇しコンクリート骨材の主流は砕石に移りつつある.また,資源有効利用の観点からスラグ骨材の使用も求められている.このことから,本研究では玉砂利1種,硬質砂岩2種,安山岩1種,石灰石4種,高炉スラグ3種,電気炉酸化スラグ1種の計12種類の粗骨材を用いた舗装コンクリートについて,曲げ,圧縮,割裂引張強度及び耐摩耗性について試験を行った.その結果,種々の粗骨材を使用しても,曲げと圧縮,曲げと割裂引張の各強度は強い相関を示し,圧縮や割裂引張強度から曲げ強度を推定できた.また,耐摩耗性はロサンゼルスすりへり減量よりも破砕値との相関が良いことなどが明らかになった.
  • Md. Asaduzzaman, Nagato Abe, Kimitoshi Hayano
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_115-I_122
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     This paper presents the reasons of interface bond failures on National Highway-5 (N5) and remedial measures to counter those failures. Based on field investigation and assumptions, the pavement was analysed by General Analysis of Multi-layered Elastic System (GAMES) software. Different interface conditions ranging from full bond to full slip were analysed by GAMES. Results indicate that combination of interface bond condition and overloading can reduce pavement life significantly. Analysis also suggests that interface bonding condition between two asphalt layers can be improved by converting lower asphalt layer into granular base layer or combining two asphalt layers into single asphalt layer. These measures were found to be applicable for N5 in Bangladesh.
  • 平戸 利明, 村山 雅人, 高橋 茂樹, 姫野 賢治
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_123-I_130
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     東日本高速道路株式会社が管理する高速道路において,舗装の開削調査を行い,アスファルト舗装の表面から深さ方向への劣化の影響度を調査した.本調査の結果から,アスファルト舗装の劣化は表面のみならず,アスファルト安定処理路盤にも及んでいること,ポーラスアスファルト混合物では密粒度アスファルト混合物と比較し,針入度の低下が速いことが確認された.さらに,これらの調査結果を踏まえて室内試験を行った結果,実際の道路で生じているアスファルトの劣化をシミュレートするためには,バインダ単体を劣化させるだけでなく,使用する混合物の配合を考慮した促進劣化試験を行う必要があることを示した.
  • 河村 直哉, 森川 嘉之, 伊豆 太
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_131-I_138
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     本論では,剥離抵抗性評価に用いる試験方法を検討するため,剥離に伴うアスファルト混合物の力学性状の変化を評価した.また,剥離抵抗性の評価指標の基準値設定に向けた検討として,室内作製供試体および現場で採取したコアを用いて空隙率が剥離抵抗性の指標に及ぼす影響を検討した.その結果,マーシャル安定度試験やレジリエントモデュラス試験と比較し,圧裂試験が剥離に伴う力学性状の変化を最も鋭敏に捉えられること,剥離抵抗性の指標として有効であると考えられた残留圧裂強度比と空隙率の関係については,骨材の性質の影響により一定の傾向を示さないことなどを示した.
  • 小川 勉
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_139-I_143
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     ポーラスアスファルト舗装の施工実績は、全国の高速道路をはじめとして着実に増えてきている。しかしながら、供用後の主だった破損形態として,骨材飛散からくるポットホールがポーラス舗装を破壊する最大の要因となっている。そこで本研究では,ポーラスアスファルト混合物を製造するときに起こりうる骨材粒度のばらつきを想定した混合物についてカンタブロ試験を行い、粒度の違いにより損失率に差が出ることを確認した。また、そのメカニズムを各骨材間の接点数によるものと仮説を立て,アメリカ合衆国のウィスコン大学に設置されている、Modified Asphalt Research Centerのwebサイトにある、アスファルト混合物の二次元画像解析ソフトウェア"iPas"を利用し、その仮説の検証を行った。
  • 石田 健悟, 水野 卓哉, 西澤 辰男
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_145-I_150
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     舗装は他の構造物に比べ寿命が短く,比較的頻繁に補修を行いながら供用を続けなければならない.したがって補修を含めた維持管理計画が不可欠である.本研究では,舗装厚が不足しているアスファルト舗装に対して,上層路盤に大粒径アスファルト舗装工法と路上路盤再生工法(CFA)を用いて改良した2種類の試験施工を実施した.これら新材料・新工法に対して,施工後にFWD測定を行い,静的および動的逆解析手法を用いて舗装各層の弾性係数を求めた.また,得られた弾性係数から順解析を行い,舗装の寿命を求め,それらを比較した.これらの結果から,逆解析に基づいた補修工法の寿命評価について検討した.
  • 渡邉 一弘, 堀内 智司, 久保 和幸
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_151-I_158
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     筆者らは,アスファルト舗装の疲労が供用に伴いどのように蓄積していくか把握することを目的に,舗装各層に土圧計等の計測機器を埋設した実大舗装供試体に対して繰返し載荷試験を実施している.既報にて,路面の雨水湛水の有無が舗装の疲労蓄積に大きく影響すること,疲労はアスコン層から蓄積しその後路盤層以下に蓄積する傾向があること等を明らかにしたところである.本報では,長期にわたる舗装の疲労蓄積傾向を把握するため,路面の雨水湛水がない条件下で年間を通じた長期の繰返し載荷試験を実施した結果,同条件下ではアスコン層・路盤層の弾性係数は下げ止まる傾向があり,また路盤層には損傷が及ばない可能性があること等を明らかにし,路面の雨水湛水の有無が大きく影響を及ぼすこと等を改めて確認した.
  • 菅野 真弘, 大木 秀雄, 八谷 好高
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_159-I_164
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     空港舗装の補修工事に係る予算配分を最適化するために,空港舗装補修時期最適化システムAirPORTSを開発した.このシステムは,データベースサブシステム,最適工法選択サブシステム,年度別補修費用予測サブシステム,予算平準化サブシステムの4つのサブシステムから構成されている.滑走路を1本有する地方空港のアスファルト舗装へこのシステムの適用を試みた.この空港における20年を超える期間の建設,補修,表面性状に関するデータを収集した上で,入力条件を種々に設定して一連の検討を行うことにより,最適補修計画を立案した.
  • 金子 雄一郎, 荻原 和久, 高木 久, 伊藤 克広, 松島 哲弥
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_165-I_171
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     本研究は,地方自治体における道路舗装の維持管理計画の策定支援を念頭に,統計学の標本理論を援用して,対象道路網全体の路面状態を推定する方法について検討したものである.具体的にはまず,推定に必要な抽出区間数及び位置を決定した上で,これらの区間を対象に舗装管理指数であるMCI(Maintenance Control Index)を算出し,全管理区間のMCIの分布を推定する.次に,抽出区間の将来の劣化状況を予測した上で,複数の対策工法パターンを設定し,将来的に必要となる維持修繕費を算出する.本研究では以上の手法の妥当性について,過去に全管理区間を対象に路面性状調査を実施した自治体が保有するデータを用いて検証を行うとともに,政令市の生活道路網を対象に適用した結果を報告するものである.
  • 藤本 明宏, 山本 悠介, 田中 俊輔, 川端 優一, 武市 靖
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_173-I_180
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     本論文では,密粒度舗装,機能性SMAおよび排水性舗装を対象に,低温恒温室で氷膜路面への凍結防止剤散布実験を実施し,凍結防止剤散布後の各舗装上の氷膜厚および路面すべり摩擦係数μを評価した.また,凍結防止剤散布後のμの推定法を構築し,任意の路面温度における凍結防止剤散布後のμの推定値を舗装種別間で比較した.
     結果,(1)平均氷膜厚は,いずれの舗装も凍結防止剤散布量の増大とともに線形的に低下する.(2)μは,平均氷膜厚の増大とともに指数関数的に低下する.(3)機能性SMAおよび排水性舗装の鉛直損失塩率は,散水量の増大につれて減少する傾向にある,ことが分かった.本研究により,凍結防止剤散布後のμは,路面温度・散水量・凍結防止剤散布量が同じであっても,舗装の種類によって異なることが示された.
  • 田中 俊輔, 高橋 尚人, 徳永 ロベルト, 安倍 隆二, 武市 靖
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_181-I_188
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     粗面系舗装は,沿道環境改善や走行安全性の向上を目的として一般的に施工されているが,積雪寒冷地では凍結路面対策を目的とした施工も多い.筆者らは,凍結路面対策としての粗面系舗装の効果や凍結防止剤と複合させた効果について,主に室内試験から検証してきた.しかし,これらの研究の課題として,実道もしくはそれに近い環境下での検討事例が十分ではないことがある.交通条件や道路気象条件などの環境条件,舗装の性状などが多様な屋外や実道は,多くのデータを蓄積する必要がある.本研究は,苫小牧寒地試験道路において屋外試験と,札幌近郊の一般国道230号において冬期路面すべり抵抗モニタリング調査を行った.それぞれの結果から,凍結防止剤散布効果や道路気象条件の影響を考慮して,粗面系舗装の凍結路面対策としての効果を検証した.
  • 加藤 亮, 佐藤 正和, 神谷 恵三
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_189-I_196
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     高速道路で顕在化している高性能床版防水工上の舗装早期損傷について,筆者らは低温環境下においてレベリング層用混合物のSMAと防水工が点接着の状態となり,微細な空洞“Cavity”が形成されることにより発生することを証明し,過年度に報告した.このCavityは,SMAのような粗骨材が作る骨格構造の間隙にアスファルトモルタルが密実に充填されるギャップ粒度タイプの混合物の下に形成されやすく,反対に連続粒度の混合物では形成されにくい傾向にあることが判明した.この傾向を軸に,実現場の条件に近い環境での室内試験及びフルスケールの促進試験を実施し,新たなレベリング層用混合物の開発を行った.
  • 中村 和博, 松本 大二郎, 佐藤 正和, 神谷 恵三
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_197-I_204
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     供用中の高速道路において,コンクリート舗装のすべり特性に関する現場調査を行った.その結果,トンネル部のコンクリート舗装路面のすべり抵抗低下要因は,通行車両のタイヤのすり磨きであることが明らかになった.このすり磨きはマイクロテクスチャを減少させるため,これに対してトンネル部のコンクリート舗装路面のすべり抵抗を高く保つには,マクロテクスチャを大きくすることが必要であると考えられた.また,マクロテクスチャの形状もすべり摩擦係数に影響し,タイヤが接地するマクロテクスチャの凸部が鋭角なほど,路面のすべり摩擦係数が高いことを確認した.コンクリート舗装のすべり抵抗回復工法のうち,粗面処理工に関する実験の結果,大きいショット玉を用いるショットブラスト工法が費用対効果に優れることを確認した.
  • 麓 隆行, 足立 明良, 大原 基憲, 上坂 憲一, 本松 資朗
    2015 年 70 巻 3 号 p. I_205-I_212
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     浸透型補修材散布工法は,ポーラスアスファルト混合物の補修方法の一つである.補修材をポーラスアスファルト混合物の上面から浸透させて,内部で遮水層や粗骨材の接着強化などの効果を発揮する.しかし,これまで,その内部の充填状況を評価する方法がなかった.そこで,本研究では,X線CTによるポーラスアスファルト混合物への補修材の充填状況の評価方法を検討し,その適用性を確認した.その結果,測定されたCT値分布を,正規分布で近似した各材料のCT値分布の重ね合わせと仮定し,最小二乗法により各材料の体積割合を推定する方法を提案した.そして,提案した手法により,5%の差で供試体内部の材料構成比を推定できること,深さ方向の充填率の変化や粗骨材への付着状態を推定できる可能性を明らかにした.
feedback
Top